水素カローラは液体水素化で航続距離2倍に? 富士24時間でカーボンニュートラルに関する発表続々
スーパー耐久第2戦富士24時間レースでは、カーボンニュートラルに取り組む各社による記者会見が実施され、今後の目標などが明らかにされた。
写真:: TOYOTA GAZOO Racing
6月3〜5日に開催されたスーパー耐久第2戦富士24時間レースでは、トヨタ、マツダ、スバル、日産の各社がカーボンニュートラルへ向けた活動についての記者会見を行なった。
まずトヨタはドライバーのMORIZOことトヨタ自動車の豊田章男社長、TOYOTA GAZOO Racing佐藤恒治プレジデントがROOKIE Racingファクトリーにおいて会見した。ちょうど1年前の富士24時間でデビューした水素燃料を使用するカローラだが、この1年間で航続距離は約20%、出力は約20%、トルクは約30%それぞれ向上し、そして水素の充填時間は約5分から1分半に短縮したという。
実際、昨年の水素カローラのベストタイムは2分4秒059(公式予選が降雨のために実施されず決勝中のベストタイム)だったものが、今年の決勝中のベストタイムは1分59秒876(予選では1分58秒867)と2分を切り、4秒以上タイムを削った。
またトヨタは昨年から水素やカーボンニュートラル燃料を「つくる」、「はこぶ」、「つかう」仲間がレースごとに増えていることを説明。今年は中国、フィリピン、台湾、香港、シンガポールといったアジアのパートナー関係者も記者会見に出席した。
水素カローラの開発については、富士山登山に例え、現段階では4合目あたりであり、今後は液体水素化やシステムの小型化を図っていくとした。サーキットの給水素エリアには、液体水素を搭載した水素カローラのコンセプトモデルや移動式液体水素ステーションを展示。ちなみに気体水素から液体水素に変更することで航続距離は2倍になるということだ。
また決勝日にはトヨタ、マツダ、スバル、そしてマツダのバイオ燃料を製造するユーグレナ社によるカーボンニュートラル燃料についての共同記者会見が行なわれた。会見ではカーボンニュートラル燃料についての説明が行なわれ、ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptは共に、化石燃料を含まない、バイオマスと大気から回収したCO2由来の炭素を使用した合成燃料を既存のエンジンで使っていることも明らかにした。
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA Bio conceptは、ユーグレナ社の化石燃料を含まない次世代バイオディーゼル燃料を使用しているが、かつては1リットルあたり1万円程度していた価格が、2025年には大量(2000倍)に製造できるプラントが完成予定で、それが完成すると1リッター200円台(約250円)まで価格を引き下げられるという。
さらに日産も現地で、日産自動車のアシュワ二・グプタCOOと日産モータースポーツ&カスタマイズ片桐隆夫社長が、今回デビューのNissan Z Racing Conceptを発表。244号車についてはガソリン燃料を使用するが、230号車はドイツのP1パフォーマンスフューエル社の第2世代バイオ燃料をベースとした燃料を使用することも明らかにした。ただし230号車の今後のレース参戦については、今のところ予定はないようだ。
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