スーパーGTデビュー戦でいきなり優勝争いに放り込まれるも好走。GT300で3位のaprブルツ「一番神経使ったのはドライバー交代だったよ!」
富士でスーパーGTデビューを飾ったチャーリー・ブルツ。いきなり優勝争いの中に放り込まれる形となったが、自らのスティントには満足している。
写真:: Masahide Kamio
スーパーGT第2戦富士で、2戦連続でGT300クラスの3位となった31号車apr LC500h GT。3スティントを走る3時間レースで、小山美姫、チャーリー・ブルツ、小高一斗の3人が代わる代わる乗り込み、表彰台までマシンを運んだ。
特に今季から日本を拠点に活動するブルツにとっては、これがスーパーGT初レースだった。しかも出番が回ってきたのは、小山が56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとトップ争いを繰り広げていた最中。いきなり優勝争いの中に放り込まれたのだ。
56号車リアライズはaprの8周後にピットインし、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラから木村偉織にドライバーチェンジしてブルツの前に立ちはだかった。ブルツは木村を捉えることはできなかったものの、終始安定したペースで周回を重ねて木村の2〜3秒後方でついていき、小高にバトンタッチした。
デビュー戦としてはこれ以上ない仕事をしたと言えるブルツ。自らのパフォーマンスにも納得がいっているようだ。彼は次のように語る。
「僕としてもレース経験自体はたくさんあるし、チームメイトがマシンや手順の理解において色々とサポートをしてくれたから、コースに出たら自分の直感とチームの指示に従うだけだと思っていた」
「レースの途中で乗るというのも初めての経験だったし、これまでで一番長いスティントだったと思う。でも最終的には前のマシンには近付けたと思うし、自分のスティントにも満足している。さらに経験を積めば、間違いなくもっと速く走れると思っている」
#31 apr LC500h GT
写真: Masahide Kamio
「少しハイブリッドに違和感があったから、そこはチェックする必要がある。トップについていくために必死でプッシュしたけど簡単ではなかった。でも、ここのドライバーのレベルが本当に高い中で、2.5秒差くらいでついていくことができた」
「チームメイトたちは予選で素晴らしい仕事をしてくれたし、ミキの最初のスティントも素晴らしかった。自分たちは全体的にすごく良い仕事ができたと思うし、初めてスーパーGTで表彰台に上がれたのは夢のようで、チームメイトに感謝してもしきれない。本当に嬉しいよ」
またいきなりの優勝争いにプレッシャーがあったのではないかと尋ねると、ブルツは「ドライバーチェンジをするのはこれが初めてだったので少し緊張した。一番神経を使ったのはドライバー交代だったね!」と笑う。ブルツは身長190cmとレーシングドライバーとしてはかなりの大柄。レース中にスピーディにコクピットに乗り込むのも一苦労だ。
2年前にこのLC500h GTで好成績を残した小高がチームに復帰し、セットアップ等を先導した事もあり、復活を遂げたaprの31号車。とはいえドライバーが3人いるため、それぞれの好みやドライビングスタイルがあることを考えるとセットアップの調整も簡単ではないだろう。ただブルツは、「僕とカズトのフィードバックはかなり似ていて、ミキは少し違う時もある」ものの、「全体的にはみんなの目指す方向性が一致している」として、良いクルマづくりができていると語った。
「最初は少しアンダーステアだったんだけど、そこが改善した」とブルツ。
「オーバーステア寄りなら(ドライバー側で)どうにかすることができるからね。アンダーステアはとにかく曲がらないからそれが難しい。今はマシンが良いウインドウに入っていて、全員が納得できるバランスに持っていけたので良かったと思っている」
小山美姫「あとは自分がどれだけ成長できるか」
こうしたチームの好調は、ブルツと同じくトヨタの育成プログラムに属する小山にとっても大きなチャンスだ。
小山は昨年、このapr 31号車のドライバーとして初のフル参戦を経験したが、厳しいシーズンとなってしまった。一方でマシンのパフォーマンスが上がった今季は、開幕戦、第2戦共に担当スティントでは上位で好走を見せている。
スーパーGT/全日本GT選手権の歴史上で初めて、複数回の表彰台に乗った女性ドライバーとなった小山。彼女本人はこういった記録を気に留めてはいないだろうが、高いパフォーマンスを見せて次のチャンスに繋げたいところだろう。
小山は、何より自分の“成長”を見せられるかどうかがリザルト以上に重要になってくると述べた。
#31 apr LC500h GT
写真: Masahide Kamio
「自分が良くても悪くても、結果が伴う時、伴わない時がありますからね」
「もちろんチャンピオンを獲れたらベストですが、それだけではなく、今与えてもらっている環境の中でパフォーマンスを示し続けることが大事だと思うので、今年はやれるだけやるしかないです」
「クルマも良いし、小高選手は経験もあって学べる事もあるので、あとは自分がどれだけ成長できるか、実力を示せるかですね」
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