スーパーGT

岡山テストはタイム下位に終わったGT500プレリュード、HRC開発陣は伸びしろに期待「かなりのレベルアップできるはず」

スーパーGT・GT500クラスでプレリュードGTを走らせるHRCの開発陣は、開幕戦からポールポジションや優勝を狙うのは簡単ではないとの見解を示しつつも、新型ベース車両が持つ伸びしろに期待していると語った。

戎井健一郎

公開日時: 2026/03/14 10:57

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#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

写真:: Masahide Kamio

 2026年のスーパーGTの開幕前最後のテストである富士公式テストが3月15日からスタートする。それに先駆け、ホンダ・レーシング(HRC)がメディアセッションを実施し、今季からGT500クラスに投入するHRC PRELUDE-GTの開発進捗などについて語った。

 2024年から2シーズン使用したシビック・タイプR-GTに代わって、新たに新型プレリュードベースの車両をGT500にデビューさせるホンダ陣営。その期待感は非常に大きいが、先日行なわれた岡山公式テストでは、2日間総合のタイムで17号車Astemoが8番手、100号車STANLEYが9番手、16号車ARTA MUGENが11番手、8号車ARTA MUGENが12番手、64号車Moduloが14番手と、タイムシートの下半分に固まる形となった。

 昨年まで車体開発を統括するLPL(ラージ・プロジェクトリーダー)を務め、今季からは開発全体を指揮することになる徃西友宏LPLは、ここまでのオフシーズンでは、E10燃料の採用と年間のエンジン使用数が1基に制限されることに伴ってエンジンの冷却系を変更し、さらにベース車の変更と空力開発の凍結を受けて車両の性能開発を行なってきたと説明。空力の仕様に関しては3月をもって再度凍結となるため、現在はスペック確定に向けた最終フェーズにあるという。

 また岡山テストを踏まえての現状の戦闘力に対する評価について、徃西LPLは次のように語った。

「ライバル勢が非常に強力なので、ライバルを確実に上回れるというレベルにはまだ到達できていないと認識しています」

「ただ現在も、ホモロゲーション登録をする最終スペックの確定に向けて取り組み中のものもありますし、新しいクルマであるプレリュードのポテンシャルを引き出す作業に関しては、まだ伸びしろがあるとも考えていますので、レース本番でしっかり活躍できるマシンになるよう、引き続き開発を進めていきます」

 プレリュードの“伸びしろ”について言及した徃西LPL。逆にシリーズを3連覇中のライバルであるau TOM'S GR Supraの吉武聡エンジニアからは、2020年から投入され7年目を迎えるGRスープラはあまり伸びしろが残されておらず、セットアップの方向性も既に収束しているのだとして、プレリュードのポテンシャルを警戒する声も聞かれている。

 それを踏まえ、プレリュードにどれほどの伸びしろを感じているのか徃西LPLに尋ねた。

#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

写真: Masahide Kamio

「期待値の話になってしまうので(苦笑)、具体的にお答えするのは難しいとは思っていますが、取り組んでいる内容やプレリュードの素性を考えると、かなりレベルアップできるはずだと思って持ってきています」

「それが今実際に発揮されているかというとそうではないというのも事実ですが、かなり伸びしろはあるなと。もう少し速く走れるはずだと思っています」

 HRCは今季、新たにテクニカルディレクター職を設置。同職を務める長谷川彰大氏がドライバーからのフィードバックを吸い上げて開発メンバーへと共有し、陣営内のコミュニケーションのスピードアップを図っている。また“Team HRC ARTA MUGEN”というチーム名になったARTAの8号車は、HRCのエンジニアが加わって共闘する形となる。

 体制を強化して2026年シーズンに臨むホンダ陣営だが、徃西LPLはライバルが手強いため、プレリュードのデビューウインは簡単ではないとの見解を示した。

「開幕戦でポールは狙いたいところですが、現実はそこまで簡単ではありません。相当仕上がっているライバルがいるのが現実ですので」

「もちろん開幕戦からポールポジション、優勝を目指していきますが、先ほども申し上げたようにどうしても伸びしろに期待する方向になってしまっています。スーパーGTではサクセスウエイトも絡むのでシーズンをどう戦うかも重要になりますので、着実にステップを踏んで性能を引き出す作業をしていくというのが現実的なところかと思います。できるだけ努力して、食らいついていきます」

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