スーパーGT 第5戦:鈴鹿

佐藤蓮、国内トップカテゴリーで掴んだ待望の初優勝「自分の実力、速さを証明できた。ここがスタートライン」

スーパーGT第5戦鈴鹿でシリーズ初優勝を遂げた佐藤蓮は、この1勝をきっかけにさらなる飛躍を狙っており、「ここがスタートラインだと思っている」と語った。

戎井健一郎

編集: 2026/08/23 11:20

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Tomoki Nojiri, Ren Sato, #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

写真:: Masahide Kamio

 鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦鈴鹿でトップチェッカーを受けたのは、16号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTの野尻智紀、佐藤蓮組。佐藤にとっては、スーパーGT初優勝であり、国内トップカテゴリーでの初勝利ともなった。

 カート、そしてジュニアフォーミュラで輝きを放ってきた佐藤は、2022年にスーパーフォーミュラに、2024年にスーパーGT・GT500にステップアップしたが(2021年にはGT300に参戦)、その才能は随所で見せながらも勝利には届かない期間が続いた。本人としても昨年ごろから、「勝ちが欲しい」という意識を強く持っていたという。

 予選ではQ2を担当し、前半セクターで目の覚めるような速さを見せるも、スプーンでアンダーステアを出し4輪脱輪。当該ラップが抹消されたことで4番手に終わった。ポール獲得にかなりの手応えがあっただけに、佐藤としても非常に悔しい思いをしていた。

 しかし決勝では2番手で野尻からバトンを受け取ると、好ペースで17号車Astemo HRC PRELUDE-GTの塚越広大を攻め立てた。36周目のシケインではアグレッシブに飛び込み塚越の前に出るも、クロスラインを取られてストレートで抜き返された。「シケインのブレーキングでアドバンテージがあると数周前から感じていて、ちょっと距離はありましたけど、とりあえず行ってみてチャンスを作りたいと思っていました」と佐藤は振り返る。

 チャンスは翌周に再びやってくる。130RでGT300車両を処理する際、トラフィックに引っかかった塚越がアウト側にはみ出しながら抜かざるを得なくなったところ、佐藤はイン側からズバッと塚越ごと抜き去り、トップに立った。佐藤は言う。

「あれはGT500で抜いていく中でよくあるパターンなので、チャンスだと思っていました。全開でイン側から抜くつもりで入っていって、それがうまくいきました。完璧な抜き方ができたなと思います」

#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT

写真: Masahide Kamio

 自らの走りで勝利を手繰り寄せ、トップチェッカーを飾った佐藤。自らの速さを証明する機会になったと感じているだけでなく、これを機にさらに飛躍していきたい構えだ。

「まずは安心したというところです。SFも含めるとトップカテゴリー5年目になりますが、なかなか優勝できませんでした。昨日の予選は自分が失敗してしまいましたが、今日は野尻選手も良い走りをしてくれましたし、自分も(前日のミスを)取り返す走りができたので、すごく良いレースができたなと思います」

「自分の実力というか、速さを証明できたレースかなと思います。ここがスタートラインだと思っているので、これからさらに良いレースができるように進めていきたいです」

「みんな『1回勝つと変わる』と言いますが、ちゃんとレースをして勝つというのは自分の中でも大事だと思っていました。今回ようやくそれを成し遂げられてよかったなと思います」

ホンダ陣営のライバルから手荒に祝福される佐藤

ホンダ陣営のライバルから手荒に祝福される佐藤

写真: Masahide Kamio

 開幕からレースペースの良さを活かしてポイントを積み重ねていた野尻、佐藤組は、今回の優勝でランキング2番手に浮上。トップの坪井翔、山下健太組(36号車au TOM’S GR Supra)とは依然として17点の差があるが、次戦SUGOではその差を少しでも縮めたいと佐藤は意気込む。

 また佐藤にとっては、次はスーパーフォーミュラでも初勝利が欲しいところだろう。今季はチームメイトのイゴール・オオムラ・フラガの活躍に押され、開幕戦での3位以降は目立った活躍ができていない。

 7月の富士ラウンドでは日曜のレースでギヤボックスの破損に見舞われたが、破損前からフィーリングに違和感があり、週末を通してパフォーマンスを発揮できなかった。ギヤボックスを新調した8月のSUGO戦でも「別の問題」が起きたことで10位に終わったが、「65号車のポテンシャルが(トップから)遠いとは全然思わない」と話しており、終盤戦の巻き返しにも意欲を見せている。

 スーパーGTでの1勝が大きなブーストとなるだろうか。

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