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スーパーGTがセパン大会の順延と今季7大会への減少について経緯を説明。中東情勢の余波は国内でも影響大きく、代替開催なしを決断

スーパーGTは、第3戦として開催予定だったセパン戦を翌年以降に延期して今季は全7大会で開催することを決断したが、その経緯についてGTA坂東正明代表が公の場で語った。

Final corner

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)は、開幕戦岡山の決勝日に定例記者会見を実施。先日発表されたセパン・インターナショナル・サーキットでのマレーシア大会の延期とそれに伴う年間大会数の減少について、坂東正明代表が説明した。

 昨年久々の復活を果たしたセパンでの海外ラウンド。しかし今年2月にアメリカとイスラエルがイランに軍事攻撃を行なったことに端を発し、中東情勢が悪化。これは原油の価格高騰や不足を引き起こし、中東の当該地域のみならず、世界的にも大きな影響が生じている。

 坂東代表は、これらの情勢を鑑みて、現地プロモーターのHAROと共に2026年はマレーシア大会を行なわないと決断したと改めて説明。2027年までという3年間の開催契約を1年後ろ倒しして、残り2年の開催を2027年、2028年に“延期”するという形をとった。

 また、坂東代表は一部報道であった「政府の要請」による延期を否定し、あくまで現在の情勢を鑑みてHAROら関係各所と協議をした結果であると語った。

「現在は中東情勢に端を発し、各国で規制がされている状態ですが、マレーシアの第3戦に関しては、現地のプロモーターと話し合った結果の自主規制であります。マレーシア政府からの規制、抑制ではありません」

「実際のところ、マレーシアでは補助対象(燃料)の上限が設定されています。聞くところによると、向こう(東南アジア)のガソリンスタンドでは1回あたりの給油量を20Lに制限したりしているようです。ただ、マレーシア政府としては何か規則を定めているわけではありません。(延期は)我々が現在の東南アジア、マレーシアの情勢を鑑みて、HAROと話をしながら決定したものです」

「また、昨年は輸送のコンテナを53本運びましたが、輸送にかかる期間が想定の6週間から8週間になったり、コストの問題も大きく出ています。また約700名(の関係者)を運び飛行機代、燃油サーチャージ代、ホテル代などは現地プロモーターのHAROに集約してやってもらっていますが、これらも見直しをかけなければいけない、昨年と同じような状況ではできないというものが我々の中でもありました」

「それらを踏まえて、マレーシアで大きなイベントをやること自体がどうなのかとHAROと一緒に考えました」

 そしてマレーシア大会が今年行なわれないことで、年内に国内で代替戦が実施されるかどうかも注目されたが、実施はなく、1大会減って全7大会のシーズンとなることが決まった。大会数減少に伴うレース距離の変更などもない。これについて坂東代表は、日本でも中東情勢の余波が大きい中では代替開催ができる状態ではないと判断したと説明した。

 自身は釣りが趣味であり、海に繰り出し大物を釣り上げることでも知られる坂東代表。港によっては軽油の購入上限を自主的に設けているところもあるといい、日本にも広がるエネルギー不安を肌で実感している。

「そういった自粛・規制が行なわれている今の状況下で、マレーシアが中止だからといって国内で8戦やるというのは、『日本のモータースポーツ界は一体何をやっているんだ』と言われかねません。燃料の問題、物価高騰などを考えても、7戦を8戦に……と言える状況ではありません。だからこそ、我々はこれ以上プラスアルファの燃料やコストをかけず、7戦を粛々とやり切ろうということです」

「タイトルスポンサーや、支援をくださるスポンサーの皆さんとも話をして、この形でやると伝えてあります」

 また国内で代替開催を行なわないという意思決定に関しても、何かしらの要請を受けての決定ではないとのこと。関係者一同で協議し、納得を得た上で、やむを得ない形ではあるものの「7戦のシーズンをやり切る」方向にしたという。

 レース数が1戦減るということになれば、各チームにとってはスポンサーからのスポンサーフィー支払いにも影響があると考えられる。そのため坂東代表としては、現在の情勢を鑑みてやむを得ない大会数削減であることをしっかりと説明し、チームがスポンサーに理解をしてもらえる状態にしなければいけないと述べた。

「年間8戦が7戦になると、チームとしては7戦分のスポンサー料しかもらえないところもあると思います。契約書上での文言は色々あると思いますが、その中でコミュニケーションを取って、もし今の状況で『8戦やれば満額を出す』というスポンサーがいれば、チームが『今のこの状態で8戦やれということですか』と問うてほしいです。そのためにも、我々はチームの立場に立って、スポンサーに理解をしてもらえるようなものを公表するという形でフォローをしていく必要があると思います」

 セパン戦の延期でもうひとつ気になるのが、昨年のセパン戦で構想が明らかにされていたGT500クラスのワイルドカード。当時は2026年の参戦に向けて協議が行なわれているとされていた。

 これに関しては、どうやら世界的な有名選手を擁して参戦するというプランが浮上していたようだが、現状では諸々の調整がつかず、「中東情勢とは別個で、GT500ワイルドカードはなかなか厳しい方向に行っている(坂東代表)」という。

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