「もう少し乗っていたかった」高木真一と、安定した体制目指した新田守男率いるK-tunes。相思相愛コンビが再び伝説創るか
12年ぶりにスーパーGTでコンビを組む新田守男と高木真一。ふたりは改めて、コンビ復活の経緯を話した。
Morio Nitta, Shinichi Takagi, #96 K-tunes RC F GT3
皆越 和也
レクサスRC F GT3でスーパーGT・GT300クラスを戦う岡山トヨペットのレーシングチームであるK-tunes Racingは、今季、新田守男(55歳)と高木真一(51歳)というベテランコンビとなった。このふたりは1999〜2010年にコンビを組んでいたが、12年ぶりにそのコンビがまさかの復活となった。
新田は1980年代に鈴木恵一と組みグループAにデビューし、1990年にはディビジョン3でタイトルを獲得。GTには1994年にデビューし1999年と2002年にはGT300のタイトルを獲得した大ベテラン。また高木はワンメイクレースから渡英武者修行を経て97年のフォーミュラ・トヨタ・ウェストでタイトルを獲得し、GTでは2002年と2019年にGT300のタイトルを獲得している。
コンビ復活はどういう経緯があったのか? 新田は次のように語る。
「真一とは毎年シーズンオフに話をしていて、このオフにはもしかするとARTAでは乗れないって話が出ていたんですね。K-tunesはまだ今季のドライバーについては決まっていない時で、去年は(阪口)晴南が前半にGT500に乗ることになって、ドライバーが年間通してK-tunesで走ることができず、チームも不安定になっていたんです」
「チームとしてはタイヤの開発もあるし、安定した状況を作りたいよねって話をしていたところに真一から『本当にARTAに乗れなくなるんだったら乗せてくれる?』と連絡が来て、じゃあおいでよって感じでしたね」
実際にコンビが復活しテストが始まった。以前と比べて何か変化はあったのか? そう尋ねると、新田は百戦錬磨のベテランらしく次のようにまとめた。
#96 K-tunes RC F GT3
Photo by: Masahide Kamio
「(以前と)何にも変わらないですね。それと真一がダンロップのGT用タイヤを履いたことがないので、タイヤの感じをつかんでもらうテストになりました」
「目標はまず1勝。岡山のテストで2番手タイムを出したりしたけど、あくまでもテストはテストだし。開幕戦はチームの地元の岡山だからもちろん勝ちたいけど、GTはそんなにうまくいかないもの。シーズンを通して勝てるチャンスのある場所をちゃんと走れるような状況にしたいですね。僕らがレースに向けて安定したところを走れるようにするということが先決なので、そこに集中したいと思っています」
一方、高木はARTAを離れることに悩んだようだ。
「(鈴木)亜久里さんが(ARTA GT300のアドバイザーという)僕の居場所を用意してくれたんです。年齢的にも自分の子どもと組んでレースをしていたような状況でしたし。ただ指導者になると自分の手が出せないというのがあったし、もう少し乗っていたかった。走っていることが楽しいし」
高木は今年、メルセデスAMGでスーパー耐久ST-Xクラスにも参戦するタフガイだが、30代後半のころ20代の心臓と言われるほど心肺機能が非常に若いというデータも持っていた。「今でも心拍数はデータを取っていて、夏場は180(拍/分)いくときもあります」と笑う。新たなチームに加入しての手応えについても、前向きに語ってくれた。
「ダンロップのレーシングタイヤをちゃんと履いたことがなかったので、タイヤの構造やコンパウンドなど特徴やこれまでの開発の仕方みたいなものを教えてもらいながらテストしている状況です。全部が新鮮で、変わっていないのは新田さんだけ(笑)」
「クルマも実績あるRC Fだし、優勝はもちろんチャンピオン争いできるんじゃないかなという手応えは感じています。雰囲気の良いチームだしクルマは乗りやすいです。夏場に向けてつらくなるかもしれませんが、新田さんと一緒にアイディアを絞り出していい結果につながるよう頑張りたいです」
ふたりの年齢を合わせるとオーバー100となるベテランコンビの活躍に期待したいものだ。
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