スーパーGT富士戦から導入のFCYではペナルティが続出する? 予行演習を終えたドライバーの所感
17号車Astemo NSX-GTのベルトラン・バゲットは、今回のスーパーGT第2戦から導入されるFCY(フルコースイエロー)が発令された場合、ペナルティを受けるドライバーが多く出る可能性があると語った。
写真:: Masahide Kamio
富士スピードウェイで行なわれる2021年スーパーGT第2戦の注目ポイントのひとつとなりそうなのが、今回から導入されるFCY(フルコースイエロー)だ。
これは決勝レース中に車両が危険な位置で停止した際、マーシャルがコース付近で作業できるようにするために宣言されるもので、宣言後は追い越しが禁止されるだけでなく、各車の速度は上限80km/hに制限されることになる。
スーパーGTの今季開幕戦までは、コース上に危険な状況が発生した場合には一律でセーフティカーが出動していた。ただセーフティカーランの場合はそのタイミング如何でレース展開に大きな影響を与えてしまうため、FCY導入に向けて準備が進められてきたのだ。なお、今回はマーシャルポストで振られるフラッグとボードで各車両にFCY発令が伝達され、各車に搭載されたデバイスに無線を介しての伝達なども補助的に行なわれる模様だ。
FCYの実戦投入に先駆け、予選日の午前中にはテストが実施された。そこでFCYを初体験した23号車MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは、「FCY(発令)のタイミングにはかなり集中しないといけません」と語っていた。
スーパーGT競技規則の付則-4『FCY(フルコースイエロー)運用規定』によると、FCYが宣言されてFCYボードが提示された後に追い越し禁止と車両のディスプレイ上でのカウントダウンが始まり、その約10秒後に全ポストでのイエローフラッグ振動と80km/hの車速制限がスタートするようだ。これに関して17号車Astemo NSX-GTのベルトラン・バゲットは、カウントダウン終了時点で80km/hまで減速できていなかったドライバーにはペナルティが科されるだろうと語り、どのドライバーもまだ不慣れなため決勝ではペナルティが続出する可能性があると予想している。
「今回は新たにFCYのルールが始まるけど、これがどうなるかも見てみないといけない」
バゲットはmotorsport.comに対してそう語った。
「どうやら彼らは厳格に監視するようだ。カウントダウンがゼロになった時点で80km/hまで減速していないと、ペナルティをとられるだろう。ヨーロッパではもう少し緩かったと思うけど、ここでは厳しく取ると言っていた。明日はペナルティが続出するかもしれない……どうなるだろうね」
また14号車ENEOS X PRIME GR Supraの山下健太は、初導入のFCYは少し危険な部分もはらんでいるのではないかとしつつも、セーフティカーのみの運用よりはずっと公平であると考えているようだ。
「色んなドライバーが色んなタイミングでアクセルを緩めることになります。早めに緩めるドライバーもいれば、ギリギリまでペースを落とさない人もいるでしょう。そうすると(車両同士の間隔が)少しバラバラになるでしょうから、ちょっと危ないなと思います」と山下は言う。
「ドライバー同士のギャップが変わる可能性があるので、運の要素も少しは必要になります。でもセーフティカーよりはマシです。2年前のようなことはできないので(編注:山下は2019年の富士戦でセーフティカー出動直前にピットインしたことが奏功して優勝を飾っている)、ロングランのペースが大事になってくると思います」
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