スーパーGT、もてぎでカーボンニュートラル燃料のテストを実施。最終戦走ったばかりのマシンにすんなり適応も、ネックは“臭い”?
スーパーGT第8戦もてぎの決勝日翌日に、カーボンニュートラルフューエルのテストが同じモビリティリゾートもてぎ実施され、各車が精力的に走行を重ねた。
写真:: Motorsport.com / Japan
2022年シーズンのスーパーGTが閉幕したばかりの11月7日、最終戦が行なわれたモビリティリゾートもてぎにて、2023年に導入予定のカーボンニュートラルフューエル(CNF)のテストが実施された。
スーパーGTが使用する予定のCNFは、ハルターマン・カーレス社が供給する非可食のバイオマスを原料とした、化石燃料を一切使わない燃料。その性状は市販のハイオクガソリンとほとんど変わらず、ハイオクの品質を示したJIS規格にも限りなく近いものと言われている。
テストに参加したのは、GT500クラスのTEAM IMPULとKONDO RACINGを除いた13チームと、GT300クラスの10チーム。ただ前日のレースで車両にダメージを負った25号車HOPPY Schatz GR Supraは走行しなかった。
セッションは10時〜12時、14時〜16時の計4時間行なわれた。ただ供給されたCNFの量にも限りがあったため、多くのチームは通常のガソリンを搭載してセットアップ等の確認をする時間を設けたり、GT300の一部のチームは午前中のセッションで走行を切り上げた。
通常のガソリンからCNFに切り替えるにあたり大掛かりな調整などは必要なく、各チームはさながら通常のテストかのように時間を過ごすことができたようだ。前日に決勝レースを戦ったばかりのマシンたちは快調にCNFで周回を重ねており、ドライバビリティに関しても、ガソリンとCNFで違いは感じられないというドライバーのコメントも聞こえてきた。
ハルターマン・カーレス製のカーボンニュートラルフューエル
Photo by: Motorsport.com / Japan
パフォーマンスに与える影響は小さく、前日までハイオクガソリンで走っていたマシンがすんなり適応できるCNF。来季の導入に向けて進捗は順調に見えるが、ひとつ気になるのは、多くの関係者から臭いのキツさについて指摘されている点だ。
HRC(ホンダ・レーシング)の佐伯昌浩ラージ・プロジェクトリーダー(LPL)も、スーパーフォーミュラの開発テストで様々なCNFをテストする中で、その臭いは気になっていたという。ただその辺りも改善の余地があるようだ。
「(JIS)規格の範囲内に全ての項目が入っているのですが、(ハイオクガソリンとは)原料が違うからか、臭いがきつめなのかなと思います」
「色々なバイオ原料の中から抽出したものを混ぜてハイオクの規格に合うようにしているのだと思いますが、燃料メーカーに聞くと、原料を変えることで臭いは変えられるという話もあります。ただコストの話もあるので、その辺をどうコントロールしていくかですね」
「またきっちり燃焼させることができれば、臭いは消えるはずです。完全燃焼すれば何も残らないのでね」
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