スーパーGT 第3戦:鈴鹿

チーム初優勝も見えた? タイヤ無交換のTEAM MACHが3度目の2位表彰台を獲得。運命を分けた“スタートタイヤ抽選”

スーパーGT第3戦でタイヤ無交換作戦を駆使し2位に入った5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号。いくつかの幸運にも後押しされ、優勝まであと少しというレースを見せた。

皆越 和也

公開日時: 2022/05/30 23:45

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#5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号

 5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)が、6番手スタートから3年ぶりの表彰台となる2位でフィニッシュした。このコンビになって3戦目での表彰台で、両者とも初となるうれしい表彰台だった。

 昨年8月の第3戦ではレース中盤までは得意な鈴鹿でタイヤ無交換作戦も当たりトップを守っていたものの、クールスーツのトラブルで平木玲次が熱中症にかかり5位フィニッシュとなった。しかし2019年には坂口夏月と平木湧也(玲次の兄)のコンビでチーム2回目の2位(2003年第3戦SUGO 玉中哲二/三船剛の2位表彰台以来)を獲得しており、今回も上位入賞のチャンスだった。

 28日朝の公式練習ではいつものように満タンで走るため、トップから2.119秒落ちの22番手だったが、「予選モードでは上位に行けるという手応えがあった」と冨林。そしてその言葉通りQ1では冨林が4位通過で今季初めてのQ2進出を果たした。

「いつも予選は頑張りすぎる癖があるので、玉中監督から『8割の力でいいから』と言ってもらい初めてQ2につなげることができました」(冨林)。

 冨林はeスポーツでの世界チャンピオンからリアルモータスポーツへ飛び込んだドライバー。バーチャルとリアルの二刀流ドライバーでもあり、2年連続S耐ST-3クラスチャンピオンを獲得し、今年GTデビューを果たしたドライバーでもある。一方玲次は、ひとつ違いの兄・湧也とカートやFIA F4で切磋琢磨して来たドライバー。昨年は兄弟でコンビを組んでGTを1年フルに戦ったが、悔しいことに鈴鹿では優勝と表彰台獲得を逃している。

 Q2では玲次が「タイヤの内圧が上げきれないままアタックをかけて、もう1周続けてアタックしたのですがフロントタイヤの摩耗が進んでしまって130Rでコースオフ。何とかリカバリーできたのですが」と8番手のタイムとなったが、上位陣の再車検不合格や四輪脱輪によるベストタイム抹消もあり、6番グリッドと上位進出の可能性がある位置につけた。

 それでも130Rでのコースオフでタイヤにダメージを負わせてしまっていたため、決勝タイヤの抽選がどちらになるか不安な気持ちで迎えたが、結果は好都合なQ1で使用したタイヤとなった。

「運があったと思います。これでQ1で使ったタイヤでスタートしてタイヤ無交換作戦ができると。そして決勝前のウォームアップで、ガス漏れ症状が出て1周でピットインしたのですが、アクシデントで10分ディレイとなり対応ができました」と冨林。

 決勝レースは冨林がスタートを担当しミニマムの周回数でピットインして、タイヤ無交換で残りを玲次が走りきる作戦。「すべて予定どおりに進みました。でも予定外だったのは思ったより周囲も苦戦していたこと。1周目で後続に飲み込まれてしまうかなとも思ったのですが後続は離れてくれて、タイヤマネジメントをしながら前について行くことができました」(冨林)。

 予定どおり序番の16周でピットインして玲次に交代し給油を済ませ再びコースへ。チャンスだったのは優勝した7号車BMW M4のアウトラップ。ここで7号車を抜けていれば優勝のチャンスもあったかもしれないが、7号車のタイヤに熱が入るまでにこれをかわすことができなかった。

 その後は52号車スープラにかわされ実質的な3番手となったが、すぐ後ろで走行を続けることができた。36周目にFCYからセーフティカーランとなりトップとの差は一気に詰まったが、後続からも迫られることになった。しかし41周目のリスタート直前に2番手52号車スープラがシケインを直進し、この隙に2番手へ浮上。後続の56号車GT-Rにも迫られたが、どの車両もタイヤは摩耗が激しく順位が入れ替わることはなかった。玲次は2番手のポジションを守り切りフィニッシュ。昨年逃した表彰台を初めて獲得した。冨林もGT参戦3戦目でのうれしい表彰台となった。

「もう1回鈴鹿で距離の長いレースがありますし、その前には富士もある。しっかり準備してひとつ上に行けるようにしたい。2位ばかりはいらないので、早く玉中さんに優勝を届けたいです」と玲次。「良いクルマを用意してもらって、ヨコハマタイヤと玲次のおかげで初めての表彰台。これでより優勝にこだわっていけます。今年はまだ5戦あるのでどこかで優勝したいです」と冨林も目を輝かせた。

 

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