最後まで読めなかった優勝争い。SCも味方につけた12号車インパルZが大逆転勝利|スーパーGT第5戦鈴鹿:GT500決勝
スーパーGT第5戦の決勝レースが鈴鹿サーキットで行なわれた。GT500クラスの優勝は12号車カルソニック IMPUL Zだった。
2022年スーパーGTの第5戦が8月28日、鈴鹿サーキットで行なわれた。今季3度目の450kmレースで優勝を飾ったのは、クラス最後尾の15番手からスタートした12号車カルソニック IMPUL Zだった。
8戦で競われる今季のスーパーGTも、前半の4レースを消化したことで折り返し地点に突入。後半最初のレースとなる第5戦の舞台は、5月末の第3戦と同じ鈴鹿サーキットだ。
予選はQ1で全15台のギャップが1.041秒差となるなど僅差の戦いとなり、ランキング上位につけるチームはサクセスウエイトと燃料流量リストリクターの影響もあってか軒並みQ1で敗退した。そんな中でポールポジションを獲得したのはミシュランタイヤを履く23号車MOTUL AUTECH Zで、2番手以下には17号車Astemo NSX-GT(ブリヂストン)、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(ダンロップ)、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(ヨコハマ)が続くという、全タイヤメーカーが入り乱れる上位グリッドとなった。
決勝を前にしたウォームアップ走行では、今季ここまでトラブルが続発している38号車ZENT CERUMO GR Supraがガレージから出ることができず心配されたが、チームによると「壊れた」箇所があったものの修復は完了したようで、無事決勝の5番グリッドにつくことができた。
計77周という長丁場のレースは気温28℃、路面温度39℃というコンディションで、14時30分に交通機動隊による1周のパレードラップからスタート。その後フォーメーションラップが1周行なわれ、ホームストレートに帰ってきた23号車のロニー・クインタレッリが先陣争いでトップをキープしたまま1コーナーを抜けていった。
上位陣には順位変動がないまま周回が進んでいったが、9番手スタートの3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zがコース上で次々とオーバーテイクを決めていく。3号車は10周目までに6番手に順位を上げた。
今回のレースはこれまでの450kmレースと同様、給油を含むピットストップを2回行なうことが義務付けられている。第4戦富士では各スティントを3等分したような戦略を採ったチームが多かったものの、今回は8号車ARTA NSX-GTなど後方を走っていたマシンが10周も満たない段階で給油のみのピットストップを行なうなど、序盤からピットは慌ただしかった。トップを走る23号車も17周を走ってピットに入り、ドライバー交代なし、給油とリヤタイヤ2輪交換という作業内容でピットイン組の最上位でコースに戻った。
そしてレース距離3分の1となる26周を消化したあたりからピットに入っていく車両が増えていき、33周を終えた段階で全車が1回目のピットストップを消化。ペースの上がらない23号車をコース上で抜いた16号車がトップに立ち、23号車、38号車、17号車が続くというオーダーとなった。
23号車がペースに苦しみ後退する中、2番手に上がった38号車の石浦宏明が16号車の大湯都史樹に迫る。17号車の塚越広大も追いついて3台によるトップ争いとなったが、大湯はなんとか石浦を抑えたまま周回を重ねていった。
そんな中、50周目にGT300クラスの244号車HACHI-ICHI GR Supra GTが130Rでクラッシュしたことにより、セーフティカー出動が宣言された。これによりピットレーン入口は閉鎖となり、各車のギャップはほぼゼロになった。
この時点で2回目のピットストップを行なっていなかった16号車、38号車は一気に不利な状況に立たされた。一方で、48周目に2度目のピットを済ませていた17号車が給油義務2回消化組のトップに立ち(5番手)、セーフティカー出動直前にピットインした39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(6番手)、12号車(8番手)もかなり得をした格好となった。
55周目にレースが再開すると、2番手の38号車はそのままピットに駆け込み、トップの16号車はステイアウトを選択した。59周目に16号車がピットインして全車が2回の給油義務を消化したことで、上位のオーダーは17号車、23号車、12号車に変わった。
レースも残り20周を切り終盤に差し掛かっていたが、まだ波乱が待ち受けていた。2番手を走る23号車にドライブスルーペナルティが科されたのだ。23号車を駆る松田次生は12号車の平峰一貴とのバトル中、立体交差を過ぎたところでで平峰をコース外に押しやるような形となってしまい、これが危険な幅寄せと判定されたのだ。これで23号車は6番手まで後退した。
2番手に上がった12号車の平峰は勢いそのままに、首位を走る17号車の塚越広大にも迫る。そして残り3周のヘアピンで鮮やかにオーバーテイク。首位に立った平峰はそのままトップでチェッカーを受け、12号車は最後尾スタートからの大逆転勝利を飾った。またTEAM IMPULにとっては、1週間前に行なわれたスーパーフォーミュラ第8戦でのワンツーに続き、2週連続で歓喜に包まれた。
17号車の塚越は後続の追撃を振り切って2位でチェッカー。3位は39号車、4位は3号車、そしてチェッカー直前の100号車STANLEY NSX-GTのクラッシュにより、ポールシッターの23号車が5位、レース中盤までトップを快走していた16号車が6位に入った。
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