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ダンロップVSブリヂストン、明暗分けたウエットタイヤ交換後のペース差は何が要因だったのか?

雨が降ったり止んだりという難しいコンディションとなったスーパーGT第6戦SUGO。ウエットタイヤ交換後、ジャンプアップを果たすミシュラン勢やダンロップ勢とは対照的にブリヂストン勢はペースに苦しんだが、その要因は何だったのか?

#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT battling with #8 ARTA NSX-GT

写真:: Masahide Kamio

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーGT第6戦は、気まぐれな天候により展開が二転三転し、チームやドライバーはもとより、観ている者も状況を整理するのに苦労するようなレースだった。

 その中で特にレース展開を左右したのが、雨が強く降り出した15周前後から各車がウエットタイヤに交換した後の第2スティント。ドライコンディションでのレース序盤は38号車ZENT CERUMO GR Supra、100号車STANLEY NSX-GTといったブリヂストンタイヤユーザーがワンツーを形成していたものの、彼らは第2スティントでペースが上がらず、ミシュランユーザーの23号車MOTUL AUTECH Zや3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z、そして16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTや64号車Modulo NSX-GTといったダンロップ勢に次々オーバーテイクを許した。

#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraとバトルを繰り広げる#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT

#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraとバトルを繰り広げる#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT

Photo by: Masahide Kamio

 その差は25周目頃には顕著で、上位を走るブリヂストン勢が1分27秒〜1分28秒のラップタイムで走行していたところ、ミシュラン勢は1分20秒〜1分22秒、ダンロップ勢も1分23秒あたりのラップタイムで追い上げ、上位のオーダーが瞬く間に“ミシュラン→ダンロップ→ブリヂストン”と綺麗に分かれる格好となった。

 関係者のコメントを総合すると、ブリヂストン勢はウエットタイヤ交換直後の雨量の少ない路面でタイヤが酷く摩耗してしまい、その後のペースダウンに繋がったケースが多かったようだ。

 HRC(ホンダ・レーシング)のスーパーGT・ラージ・プロジェクトリーダーである佐伯昌浩氏は、会見で100号車のペースダウンについて質問され、次のように答えている。

「たらればにはなりますが、100号車はもう少し後でピットインすれば、タイヤを傷めずに済んだのかなと思っています」

「早めにタイヤを替えたチームは、乾いた路面でタイヤを壊しちゃって、その後雨が(強く)降ってきてからレースペースが落ちたというところが敗因かなと思います。そこがうまくいっていれば、もう少し成績は良かったかもしれません」

Tadasuke Makino, #100 STANLEY NSX-GT

Tadasuke Makino, #100 STANLEY NSX-GT

Photo by: Masahide Kamio

 同じくブリヂストンユーザーで、ピット作業のロスで下位に沈んでいた8号車ARTA NSX-GTも、担当の伊与木仁エンジニアによると100号車と同じようなタイヤ摩耗の傾向だったという。38号車の立川祐路もプレスリリースの中でレースを振り返り、「完全に濡れたときにはまだ良かったものの、水が減ってきたら厳しくなってしまった」とコメントしている。

 一方でレースを通してペースが良かったミシュラン勢は、春先のテストから圧巻のパフォーマンスを見せていたウエットタイヤがある意味“予想通り”の力を発揮した形。ちょい濡れから大雨まで対応できる作動レンジの広さが武器だと語っていたが、今回のレースは雨が降ったり止んだりと、まさにミシュランが切望していたようなコンディションとなったのだ。

 そして第2スティントでブリヂストン勢を出し抜いた形のダンロップ勢に関しては、当時の路面状況と、持ち込んだタイヤとのマッチングがブリヂストン勢よりも良かったようだ。

 中でも16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは、第2スティントでミシュラン勢2台に次ぐ3番手にジャンプアップ。新しいウエットタイヤに履き替えた第3スティントでは38号車にオーバーテイクを許したものの、終盤に各車スリックタイヤに交換するタイミングで逆転し、3位表彰台を手にした。

 そんな16号車でタイヤエンジニアを務める一瀬俊浩氏も、追い上げを見せた第2スティントについて「タイヤ的にちょうどグリップが良いところ、つまり使いやすいレンジに入っていて、それが他社に対して優位性があったところだと思います」と分析していた。

 16号車が履いたウエットタイヤは、持ち込んだ中で最も硬いコンパウンドだったという。雨が降ったり止んだりという中で、路面が乾いてより高温・高負荷となった際にも機能するハードをチョイスしたという訳だ。ただ、100号車の牧野任祐がチームのリリースで語ったところによると、彼らが第2スティントでチョイスしたのも一番硬いコンパウンドのウエットタイヤ。つまり2チームのタイヤ選択自体としては同じであるため、あとはそれぞれの“一番硬い”タイヤの作動レンジに違いがあった可能性が考えられる。

 タイヤが明暗を分けた今回のレース。今週末に控える第7戦オートポリスは週末を通じて雨の可能性は低いと見られるが、今季残りレースで再度同じようなウエットレースがあった場合、今回と同じような展開になるのかどうか興味深いところだ。

 
 
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