【スーパーGT】富士公式テスト初日、36号車スープラがトップタイム。GT300は56号車GT-R首位
スーパーGTの富士公式テストの初日が富士スピードウェイで行なわれ、GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supraがトップタイムを記録。GT300クラスは56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rが首位となった。
写真:: Masahide Kamio
好天に恵まれた3月27日(土曜日)、富士スピードウェイでは2021年SUPER GT公式テスト富士が開幕した。約1か月後に迫った2021年SUPER GTシリーズの第2戦富士大会に向けてのタイヤ選択とセットアップの確認がメインメニューだったが、今回がシェイクダウンとなるチームもあり、2週間後に迫った岡山でのシーズン開幕に向けても重要なテストセッションとなった。
午前のセッションは予定通り10時にスタート。当初の予定では2時間の走行セッションとして行われることになっていたが、2日目は天候が下り坂、雨に加えて風も強くなるとの予報もあるため、初日午前のセッションと午後のセッションをそれぞれ30分ずつ延長するようタイムスケジュールが変更された。
GT500が15台、GT300が28台の計43台が参加し、ピットインを繰り返しながら精力的に走行を行なった。午前のセッション開始時点での気温と路面温度は、それぞれ12度と24度。その後路面温度は30℃まで上昇し、5月初旬に行われるシリーズ第2戦に向けては絶好のテストコンディションとなった。
その午前のセッションでは先行するHonda NSX-GT勢とToyota GR SUPRA勢を、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)のクインタレッリがセッション終盤に逆転してタイミングモニターの最上位につけ、結局これが午前のベストタイムとなった。これにNo.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)、No.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/坂口晴南)、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)が続き、Honda NSX-GT勢では5番手のNo.1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀)がベストリザルトだった。
セッション開始から45分ほど経ったところでセッション2度目の赤旗中断があった。これはヘアピンでNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)の平手とNo.6 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章)の片山が交錯したアクシデントによるものだった。片山は自力で再スタートできたが平手の方はトラックに乗せられてピットに戻ってこなければならないほどのマシンダメージだった。
幸いドライバーの平手に怪我はなかったが、クルマは左リヤ部分が大破。インターバルの間にサスペンションをアッセンブリーで交換したもののこれで完治とはいかず、午後のセッションも走行を見合わせることになった。「部品交換できるところはすべて交換してチェックします」と田中利和監督。最悪の場合、チームの本拠地に持ち帰って確認する必要が出てくることも危惧されるほどだった。なお、この接触は片山の危険な運転行為によるものと裁定が下されている。
午前のセッションは当初の予定通り午後2時から始まった。午前のセッションが30分間延長されたことで、インターバルは30分短くなった格好だ。午前のセッションと同様に先ずはNSX勢とGR SUPRA勢が好タイムをマーク。No.1 STANLEY NSX-GTの山本が1分28秒431でトップにつけ、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の宮田、No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の立川、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)のバゲットが28秒台後半で続いた。
セッションスタートから1時間ほど経ったところでNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)の中山が1分28秒243までタイムを縮めて、首位に浮上。タイムスケジュールが変更され午後のセッションも30分間延長されたが、その混走時間が終了しようかというタイミングで赤旗中断となった。
これにより、GT500の専有走行は5分遅れで始まった。専有走行はこのセッションにだけ設けられていたため、これが開幕前最後の予選シミュレーションということになるだろう。
全車が本番さながらのタイムアタックを見せ、タイミングモニターの順位は目まぐるしく入れ替わった。先ずは5番手にアップしたNo.36 au TOM'S GR Supraの坪井は次のラップで1分27秒台に入れると、ラストアタックでは1分27秒766まで削り、これが初日のトップタイムとなった。コンマ2秒遅れでNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)の山下が2番手につけ、No.17 Astemo NSX-GTのバゲットを挟んでNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの中山が4番手。GT-R勢の最上位は5番手につけたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリで、トップ5を3車種で分け合う格好となった。
GT300は激戦となった。午前のセッションではただ一人、1分36秒台前半に入れたNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)のデ・オリベイラがトップにつけるが、以下は大混戦。2番手から6番手までの5台が1分36秒台後半で続き、さらに1分37秒台には15台がひしめき合った。またトップから1秒以内にはなんと17台が並んだ。
午後のセッションではまずNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)の小林が1分37秒072をマーク。このセッションでもトップから1秒差以内に15~16台が並んでいたが、小林のタイムは更新されないままで推移していく。しかしセッションが中盤に入っていった頃、No.244 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)の堤が1分36秒台の好タイムをマークしてトップに立った。実質的に今回のテストがシェイクダウンだったNo.244 たかのこの湯 GR Supra GTとしては、ライバルを驚かせるに十分だった。
結果的に、午前のセッションでデ・オリベイラがマークした1分36秒476が、GT300クラスのこの日のベストタイムとなっていた。
トップタイムコメント
■GT500:坪井翔/No.36 au TOM'S GR Supra
「他のチームがどんな条件で走っているのか分からないので、このタイムが絶対的なものだとは思っていませんが、走行初日にトップタイムを出すことができたのは嬉しいですし、36号車としても記録に残るのでよかったです。GT500にステップアップして3シーズン目になりますが、まだ勝てていないんです。だから”まず1勝”が現実的な目標です」
■GT300:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R
「今回のテストが、開幕前最後のタイヤテストになるので、この結果にはとてもポジティブな気持ちになれますね。ベースとなるセットは選ぶことができたので、予想される温度レンジを考えながら、何種類かを用意してもらうことになると思います。ライバルがどんな条件で走っているか分からないので安心はできません。でもトップタイムを出せたことは、とても気持ちがいいです」
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