バイコレス、『ヴァンウォールLMH』をドイツでロールアウト。2023年のWEC参戦を目指す
バイコレスは、2023年のFIA世界耐久選手権への参戦に向け、ヴァンウォールLMHのロールアウトをドイツで実施した。

コリン・コレス率いるバイコレス・レーシングは3月31日、ドイツの某飛行場で『ヴァンウォール・バンダーベルLMH』と名付けられた新型ハイパーカーをロールアウトした。
チームは、この車両の画像を2月25日に初公開したばかりだが、ドイツの飛行場で非公開ながら最初の一歩を踏み出した。ステアリングを握ったのは、1993年にプジョーでル・マン総合優勝を飾った経験を持ち、バイコレスとの関わりも深いクリストフ・ブシューだったようだ。
ヴァンウォール・バンダーベルLMHのトラックテストは4月に開始される予定となっている。おそらくチェコのモスト・サーキットで、バイコレスのテストドライバーであるトム・ディルマンとエステバン・グエリエリがドライブを担当することになるだろう。
バイコレスは当初、2022年にFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する予定だったが、このエントリーは選考委員会から却下されてしまった。
その理由について、WEC側は「エントリーを受け入れるために必要な基準を満たしていないと判断した」と発表。以後、それ以上詳細な説明はされていないが、チーム代表であるコレスは、”歓迎されるなら”来年レースを戦う準備はできていると語った。
バイコレスが2022年のエントリーを確保していた場合、車両のホモロゲーション取得を前にしたテストに時間が必要なため、開幕戦セブリングをスキップし、第2戦のスパからデビューする予定だった。
バイコレスのニューマシンの名称を見て、ピンと来るモータースポーツファンも多いだろう。トニー・バンダーベルによって設立された英国のコンストラクターであるヴァンウォールは、1954年からF1に参戦。スターリング・モスやトニー・ブルックスらが活躍し、1958年から制定されたコンストラクターズ・チャンピオンシップの初代王者にも輝いた。
バイコレスのプロジェクトを包括しているPMC GmbHは、商標のひとつとして『ヴァンウォール』を保持しており、新しいマシンにその伝統的なブランドを名付け、モータースポーツの世界に復活させようとしているのだ。
バイコレスのWEC参戦が実現すれば、WECのハイパーカークラスはさらに拡大することになる。すでに参戦しているトヨタやグリッケンハウス、2022年中のデビューが予定されるプジョーに加え、フェラーリやバイコレスのLMH車両、ポルシェなどのLMDh車両が参戦することになるからだ。
他にもアキュラやBMWといったメーカーがLMDh車両の開発を進めているが、こちらは主に北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権をプログラムの中心に据えている。ただ、これらのメーカーも伝統的なル・マン24時間レースの参戦は検討していると見られている。
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