来季のル・マン勝利に向け、性能調整の”駆け引き”可能性あり? コンウェイ「タイトルを考えると無茶はできない」
トヨタのマイク・コンウェイは、来季WECのハイパーカークラスに参戦するマニュファクチャラーが、ル・マン24時間レースで勝つために、あえてパフォーマンスを抑えるようなことはできないと考えている。
FIA世界耐久選手権(WEC)は来季、フェラーリやポルシェ、キャデラックといったマニュファクチャラーがハイパーカークラスに参入。既に参戦しているトヨタやプジョーと激突することになる。
さらに、今季途中まで参戦していたグリッケンハウスや、今季はエントリーが受け入れられなかったバイコレス/ヴァンウォール、先日参戦を突如発表したイソッタ・フラスキーニなどもこれに加わる可能性がある。
LMH車両は今季開幕時にはトヨタとグリッケンハウスのみだったが、来季からポルシェとキャデラックがLMDh規定に基づくマシンを走らせることもあり、少なくとも11台がハイパーカークラスを走ることになる。WECは一気に増えた車種間で、競争力をキープできるようBoP(性能調整)を決めるという大きな課題に直面することになる。
トヨタのマイク・コンウェイは、2023年はル・マン24時間レースで優位に立つために、シーズン序盤のパフォーマンスを抑えるチームが現れる可能性を認めている。
一方でコンウェイは、タイトル争いに残るためにシーズン序盤のポイントを失うことは許されないとも考えている。
来季もトヨタに残留することが確実視されているコンウェイは、2023年シーズンがどのようなものになるか想像してほしいという質問に対して、motorsport.comに次のように答えた。
「開幕戦は少し差がつくことがあるかもしれない。でもシーズンが進むにつれて、それは均等になっていくと思う」
「誰が好スタートを切っても、BoPをどうするかによって、状況が左右されるだろう。大変なことになりそうだ。7ラウンドとはいえ、短いチャンピオンシップだから常に良い結果を残さなくてはいけない」
2023年のWECは全7戦。2022年と比べると、開幕戦セブリング1000マイルとスパ6時間の間に、ポルトガルのアルガルヴェ・サーキットでポルティマオ6時間レースが追加される形となった。
つまり、ル・マン24時間レースの”前哨戦”が1戦増えた形だ。そのためコンウェイは、ル・マンでの勝利だけに集中しているチームは、シーズンの大部分を犠牲にすることになると指摘する。
「そういう(あえて手を抜く)ことをする可能性はあると思うけど、その前がチャンピオンシップの半分近くを占めているので、あまりめちゃくちゃにするわけにはいかない」
「少なくともチャンピオンシップを勝ち取るためには、ル・マンにすべてを賭けるわけにはいかないんだ。でも、ル・マンではもちろん多くのポイントが与えられるから、多少の駆け引きはあるだろうね」
コンウェイは、すでにLMH車両のGR010ハイブリッドで2シーズンを戦っているトヨタがライバルたちよりも「いくつかの点で有利になる」ことを期待している。
「みんなが(ハイパーカークラスを戦って)いる状態で、チャンピオンシップを勝ち取りたい。それが僕の本当のゴールであり、目標なんだ。待ちきれないよ」
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