フェラーリ、『499P』をテストカー2台体制で開発。パフォーマンスと信頼性を同時に追求
フェラーリが2023年からWECに投入するハイパーカー『499P』は、開発プログラムの初期段階から、2台体制でテストを行なってきたことを明らかにした。
フェラーリは、10月29日にハイパーカー『499P』を発表した。このマシンは、来季の世界耐久選手権(WEC)で相対するライバルたちに追いつくため、1台は信頼性重視、もう1台はパフォーマンスを重視するというテスト戦略で開発が進められてきたという。
499Pの設計・開発を率いてきたフェルディナンド・カニッツォは、8月にムジェロで行なわれたとされる499Pの2回目のサーキットテストでは、”シャーシ2”が使用されたことを明らかにした。
「1台はパフォーマンス重視で、そのクルマは信頼性を気にしなかったんだ」と、カニッツォは説明した。
「もう1台は、全てのパーツの走行距離を記録して、解決しなければならない大きな問題がどこにあるのかを理解しようとしていた」
「これは、(2023年のWEC参戦に向けた開発の)小さなウインドウに対応するための唯一のチャンスだった」
→【フォトギャラリー】これこそフェラーリ! 2023年のWECに参戦する『499P』
フェラーリのテスト戦略は、今季途中からデビューしたプジョーや、WEC最終戦への参戦も噂された(結局はエントリーせず)ポルシェとは異なるものだった。
プジョーの9X8は7月のモンツァでデビューする前後に、1台でテストを重点的に行なった。一方ポルシェの963は、来年1月のIMSA開幕戦デイトナ24時間レースの1年前から開発を進めてきたが、2台目を投入したのは6ヵ月が経ってからだった。
フェラーリ499Pは、7月6日にフィオラノでシェイクダウン。3日間のシェイクダウンに続いて、バルセロナで初の本格的なサーキットテストが行なわれ、さらに今月初めにはムジェロ、ポルティマオ近くのアルガルヴェ・サーキット、モンツァでもテストが行なわれたことが知られている。
フェラーリは、テストプログラムの日程や場所の詳細を明らかにしていないが、2週間ごとにサーキットに出る意向を示し、499Pの発表の際には1万2000km以上を走破したことを明らかにした。
情報筋によると、フェラーリはすべてのテストで2台のクルマを走らせているわけではなく、レーストラックではなくリグで1台を走らせることを好むこともあるのだという。
カニッツォは、499Pがテスト中にトラブルに遭遇していることを隠さなかった。
「最初のシェイクダウンでは、2~3日問題なく走れたので驚いた」
「その後、言うまでもなく信頼性の問題がいくつか出てきたが、これは良いことだ。問題発覚は早いに越したことはないからね」
「我々はこれに迅速に対応することができた」
カニッツォは、近い将来499Pの耐久シミュレーションが行なわれると述べたが、その詳細は明かされなかった。ただ、これは36時間の耐久テストになると予想されている。
「我々は1万2000km以上走っており、すぐにシミュレーションを行なうことは間違いない」
「マシンのウィークポイントを理解するために我々は頑張っているところだ」
なおカニッツォは、499Pの発表イベントで正式カラーリングが施されたシャシーが、夏の間走り続けてきた2台の開発車両のうちの1台だと認めた。
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