WEC、2024年からLMP2クラス廃止の可能性高まる。ハイパーカーのエントリー増で両立は不可能か
ル・マン24時間レースを除いて、LMP2クラスを除外してWECを再編成する計画が、FIA世界モータースポーツ評議会に提出される予定のようだ。
#31 WRT Oreca 07 - Gibson LMP2: Sean Gelael, Robin Frijns, Rene Rast
JEP / Motorsport Images
motorsport.comの調べによると、12月9日(金)のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)に、WEC(世界耐久選手権)からLMP2クラスを除外して再編成する計画が提出されるようだ。
これは、2023年からWECハイパーカークラスにLMDh車両が参戦できるようになり、エントリーが増加する可能性が高いことを反映したものだ。
来季はトヨタ、フェラーリ、プジョー、ポルシェ、キャデラックから最低11台がハイパーカークラスにエントリー。グリッケンハウスとヴァンウォールがそれぞれ2台ずつエントリーを加えれば、15台まで拡大する可能性がある。
2024年にはBMW、アルピーヌ、ランボルギーニもファクトリー体制でWECにエントリーする可能性が高く、さらにプライベーターも合わせると計20台以上になる可能性がある。
また、2024年からGT3車両をベースとしたGTLM(仮称)がスタートし、より多くのメーカーに門戸が開かれることを考えると、最大62台の参戦が可能なル・マン24時間レース以外は、LMP2マシンが入る余地はほとんどなくなってしまうのだ。
WECのプロモーターであるACO(フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長は、次のように語っている。
「WECは年々、露出度と質の面で向上している」
「しかし台数の面では、36台や38台以上収容できるサーキットが少ないため、増やすことは難しいだろう」
「WECの将来的な形は、もちろんハイパーカーの成功に左右される。もし、メーカーがトップクラスのマシンを20台、25台と増やしていったら、他のマシンのためのスペースはあまり残らないだろう」
「LM-GTE Proは来年、GTE Amが2024年に段階的に廃止される。そうしたGTの変化も(グリッドに)影響するだろう」
しかし、フィヨンはLMP2クラスの重要性を強調。「我々の分野全体にとって重要なクラス」だと評価した。
LMP2クラスは、ACOが運営するヨーロピアン・ル・マン・シリーズとアジアン・ル・マン・シリーズにおけるトップカテゴリーであり、2026年に新世代車両への切り替えが予定されていることから「今後も耐久レースのピラミッドの中で強くフィーチャーされていく」と彼は主張した。
WECのCEOであるフレデリック・ルキアンは、「LMP2はプロトタイプにおける真のプライベーターのホームであるため、我々にとって重要である」は付け加えた。
ル・マン24時間レースのエントリーの一部は、ヨーロッパ、アジア、北米で戦うLMP2トップコンテンダーのために確保されることになると理解されている。
2022年は、各ル・マン・シリーズでの成績によって5チームが自動的にル・マンのエントリーを確約されていたが、今後はその数が大幅に増えることになりそうだ。
LMP2クラスの強豪チームであるユナイテッド・オートスポーツのチーム代表であるリチャード・ディーンは、LMP2クラスを世界選手権から外すという決定は批判できないと語った。
「LMP2はWECで素晴らしかったが、ハイパーカーがどうなるか、その成功は我々全員が望んでいることだ」
「グリッドにプレッシャーがかかるのは明らかだが、20台のハイパーカーとLMP2クラスで多くのマシンが健全に走るという両立は不可能なんだ」
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