”LMHとLMDhの統一”がスポーツカーの長期的な目標に? ポルシェ、ハイブリッドの将来も見据える
ポルシェのトーマス・ローデンバッハは、スポーツカーレースにとって長期的な次のステップは、プロトタイプクラスをひとつのルールに統一することだろうと語った。
ポルシェモータースポーツのトーマス・ローデンバッハ代表は、LMDh車両のデビューを前に、スポーツカーにおける長期的な目標は、LMHと統一しひとつのルールにすることだと語った。
1月28~29日に開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦デイトナ24時間レースで、LMDh車両がデビューする。この車両はFIA世界耐久選手権(WEC)にも参戦可能であり、ポルシェは両シリーズに参戦することができる。
WECではトヨタやフェラーリ、プジョーといったLMH車両と競い合うことになる。両ルールには様々な違いがあり、LMH車両はフロントアクスルにハイブリッドシステムを搭載できるが、LMDhではハイブリッドシステムは共通であり、リヤアクスルのみにパワーを供給できるといった車両特性上の違いもある。
当面はIMSAやFIA、ル・マン主催者のACO(フランス西部自動車クラブ)が性能調整によって両ルールのバランスをとるが、数年後に性能が収束してくれば、その必要も無くなってくると、ローデンバッハは考えている。
「長期的には、このふたつのクラスを再び統一することを考えるべきだろう」と彼はmotorsport.comに語った。
「IMSAとWECでレースができるように収束したのは素晴らしいことだ」
「とはいえ、少なくともWECではふたつのカテゴリーをバランスさせなければならないということだ。そうすると、みんなが同じルールでやるよりもずっと難しくなる。そういうものなのだ」
「このふたつのクラスが生まれた後に収束したのだから、誰も悪くない。長期的には、ふたつの異なるアプローチをなくしたいと思っている」
ローデンバッハは、LMDhのハイブリッドシステムのポテンシャルを高めることが賢明な方向性であるとしながらも、自動車業界のニーズによって将来的に完全な電動化が必要になる可能性があることを認識している。
「LMDhを出発点として、パワートレインの電気的な部分を増やしていくことは、いつでも可能だと思う」
「次のステップは、もっと自由度を高めて、パワートレインの電気部分をより重要視するために、出力やバッテリーシステムを拡張していくことかもしれない」
「いつか……明日とは言わないがバッテリーEVにするかしないかを決めなければならない状況にあるかもしれない。もちろん、最も重要なのはその航続距離だ。だから長距離レースが完全に電動化されるのは、おそらく最初ではないだろう」
「しかし今はハイブリッドがある。将来に向けて、そこから発展させることができる」
「長期的には、大きなステップを踏む必要があるかもしれない。このシステムでどこまで行けるか、見てみよう」
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