ポルシェ、来季WEC&IMSAデビューのLMDhマシン『963』をフル公開。ドライバーにはロッテラーの名も
ポルシェは、2023年からWECとIMSAに挑戦するLMDhマシン『963』をフル公開。ドライバーには、ル・マン24時間レースで3度の優勝経験を持つアンドレ・ロッテラーらが名を連ねた。
ポルシェは6月24日(金)、グッドウッドで行なわれている「フェスティバル・オブ・スピード」で2023年シーズンの世界耐久選手権(WEC)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)に挑戦するLMDhマシン『963』をフル公開した。
【ギャラリー】ポルシェ、2023年デビューのLMDhマシン『963』を発表。デザインはかつての名車をトリビュート
合わせてポルシェ・ペンスキー・モータースポーツチーム(PPM)として挑むファクトリー参戦体制やマシンカラーリング、スペック、そして今年のWEC最終戦バーレーンラウンドへの参加を目指すなど、多岐に渡る内容が発表された。
6名のドライバーには、アンドレ・ロッテラーを始め、ケビン・エストレ、ミカエル・クリステンセン、ローレンス・バンスール、マット・キャンベル、マシュー・ジャミネとポルシェのワークスドライバーの面々が名を連ねている。
昨年末に既に発表されているフェリペ・ナッセとデイン・キャメロンに続き、8名のドライバーがPPMのプログラムへ参加したことになる。
PPMでマネージングディレクターを務めるジョナサン・ディウグイドは以前、WECプログラムに6名、IMSAに4名(計10名)のドライバーを揃える計画を明かしているため、今後さらに2名のドライバーが発表されるだろう。
ポルシェはドライバーをどちらのプログラムに配分するかは明かしていないものの、声明には「ル・マン、セブリング、デイトナ、ロード・アトランタでの耐久レースでは、ポルシェ陣営から経験豊富な他のドライバーをラインナップに加える予定だ」という一節が含まれている。
現在公表されているラインナップの中でも、ロッテラーは3度のル・マン24時間レース優勝経験を誇るドライバー。日本で経験を積んだ後、アウディで2011年、2012年、2014年にル・マン制覇した。2017年にポルシェへ移籍するも、同年で『919 Hybrid』LMP1プログラムは終了。2018/19年のWECスーパーシーズンは、レベリオン・レーシングからWECへ参戦した。
WEC外では、ロッテラーは2017年にテチータからフォーミュラEに参戦。テチータで2シーズンを戦った後、ポルシェに移籍。ワークスドライバーとして今季3シーズン目を迎えている。
ロッテラーがポルシェでWECに再参戦
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
ロッテラーがPPMプログラムへの参加が決定したことで、新世代マシン『Gen3』が導入されるフォーミュラEの2022-23年シーズンへの参加は不透明だが、ポルシェは「まだ決定を下していない」としている。
PPMプログラムに今回加わった他の5名は、ポルシェのGTプログラムのメンバー。エストレとクリステンセンは、終了したWECのGTE Proプログラムから転向することとなる。
963は、ポルシェがLMP2コンストラクターの「マルチマチック・モータースポーツ」と共同で開発したプロトタイプマシン。1980年代から1990年代初頭にかけて活躍したポルシェのグループCカー『962』に倣ってその名が付けられた。
962は1986年と翌1987年のル・マンを制覇。1994年にはダウアー『962LM』としてGT1クラスに出場し優勝を飾っている。
その962やその前身である『956』と同様に、ポルシェはカスタマーチームに963を供給することを念頭に置いている。ポルシェのモータースポーツ責任者、トーマス・ローデンバッハは以前にも各シリーズに2台分ずつサービスを提供可能だと語っていた。
ポルシェは今後数日中に、最初の963カスタマーチームにプログラムが伝えられると明かしている。
963に搭載されるエンジンは、プラグインハイブリッドの市販車である『918』に搭載されている自然吸気の4.6リッターV型8気筒エンジンをベースにしたツインターボV8。因みにこのエンジンのルーツは、2006年〜2008年にかけてペンスキーがアメリカン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスでハットトリックを挙げたポルシェ『RSSスパイダー』用に開発された3.4リッターV8エンジンだ。
今回グッドウッドで初公開された赤と白を基調としたカラーリングは、WECとIMSAの両プログラムで使用される予定。声明によると「ポルシェとして成功を収めたレーシングカーへ敬意を示す」デザインとのことだ。
【動画】ポルシェの新LMDhマシン『963』がグッドウッドを駆け抜ける!
963のエンジンは市販車の918に搭載されている4.6リッターV8由来
Photo by: Porsche
ポルシェは今季のWECバーレーン8時間耐久レースに「非競技的に」参戦することを目指しているが、参加の決定は来月から北米で展開するテストプログラムの結果をもって下すとしている。
なお今回は、ディウグイドとコンペティション・ディレクターであるトラビス・ロウの下で働くPPMの主要メンバーも発表された。
ドイツ・マンハイムを拠点とするWECのプログラムではベルンハルト・デマーがゼネラルマネージャー、フランシス・シャンモがチームマネージャーを務める。アメリカ・ノースカロライナ州モーズビルを拠点とするIMSAプログラムでは、ジョエル・スベンソンがそれらの役目を担う。
Be part of Motorsport community
Join the conversation記事をシェアもしくは保存
関連動画
Top Comments
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。