アルピーヌのル・マン参戦は今年で最後。しかしチームとしての継続を模索中「様々なメーカーと協議をしている」
アルピーヌは、今週末に開催されるル・マン24時間レースが、当面最後の参戦となる。しかし他の自動車メーカーが引き継ぐことで、来季以降も参戦することを目指しているという。
アルピーヌにとって今年のル・マン24時間レースは、特別な意味を持つ。今シーズン限りで世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスへの参戦を終了させることを決めているため、ル・マンへの参戦もこれが最後になるからだ。
しかしチームを率いるフィリップ・シノーは、来季以降の参戦も諦めているわけではない。
アルピーヌのWECチームは、そもそもシグナテックである。当初はレベリオンR13を引き継ぎ、2021年シーズンからシグナテック・アルピーヌとして参戦をスタートした格好だ。マシンが現在のA424(LMDh)になってからもシグナテックがチーム運営の母体となっている。
ただ今季限りでアルピーヌはWECハイパーカークラスからの撤退を決定。ただシグナテックを率いるシノー氏としては、プロジェクトの将来を確保すべく、懸命に活動しているという。
「私が言えるのは、全員がプロジェクトの将来を確保するために全力を尽くしているということだ」
シノー氏はmotorsport.comに対してそう語った。
「ここで言う『全員』とは、我々と共に活動するアルピーヌも含む。我々は共に未来を築いていくための解決策を模索している。運営の面では我々が、そして耐久レース用のパワートレイン開発・マネジメントの能力を持つヴィリー・シャティヨン(ルノー・グループのレース用パワートレイン開発組織。F1用のパワーユニットもここで作っていた)も、共に力を合わせていく必要がある」
「我々全員の願いは継続することであり、それは明白だ。そして私個人としての目標も、同じチームで活動を続けることだ。現在そのために尽力しており、多くの時間を費やしている」
「今はその活動を一旦保留にしているけど、ル・マン後には解決策を見つけるために、あらゆる努力を続けていく」
ただシノー氏は、WECに参戦し続けるのが非常に難しい状況であることも理解しており、安易に約束することはない。
「私は元々慎重な性格だ。ずっとそうだ」とシノー氏は言う。
「いずれにしても、物事が確実に前進すると断言できるほど、楽観的ではない」
シノー氏は、WEC参戦を続けていくには、他のいずれかのメーカーと関係を構築する必要があると認識。そしてそのためには、シグナテックがアルピーヌと共に築き上げてきたものが、その後押しになると考えている。
「関心が寄せられていて、それは喜ばしいことだ。一時的には少し不安もあったけどね」
「しかし今では、事業を継続できるシナリオを提示できる可能性が出てきた」
「ハイパーカー部門では、どのメーカーであれ、メーカーの支援を受けることが必要だ」
「ACO(フランス西部自動車クラブ)とは定期的に連絡を取っており、彼らも我々を支援してくれている。互いに情報を共有しているよ」
彼らの目標は明確だ。今季のマシンアルピーヌA424を引き継ぎ、プログラムの基盤として活用してくれるメーカーを見つけることだ。もちろん、アルピーヌのロゴを形どったテールライトをはじめ、外観上はいくつかの変更は必要になるだろうが。
「規定通りにレギュレーションの対象となるのなら、車両のホモロゲーションを再度取り直す必要がある」
シノー氏はそう語った。
「それが本当の課題だ」
「チームには人材面での強みがある。チームを構築し、常に質の高い成果を上げ、競争力を維持するために必要な全てを提供できるだけの成熟度に達した。そして長年にわたって開発してきた設備もある。だからこそ我々は、今のツールを使って共に活動を続けたいという、強い思いを発信しているのだ」
最近では、アジアからの注目が高まっていると言われる。しかし現時点でWECはアジアに依存しているわけではなく、有力候補として名前が挙がっている企業もない。
ただ最近では、中国の電気自動車メーカーであるBYDが、F1をはじめ世界規模のレースへの参戦に興味を持っていると言われている。BYDでは電気自動車だけでなく、ハイブリッド車の市場へも参入を開始している。
BYDと交渉をしているのかと尋ねられたシノー氏は、こう語った。
「我々は複数の企業と接触している」
「BYDだけでなく、他にも複数の企業と協議を進めているよ」
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