

WECに参戦するトヨタはLMH規定の新車両を投入するが、LMP1車両を使うアルピーヌと勝負できるかどうかは、性能調整次第だと考えられているようだ。
FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦するトヨタは、2021年シーズンから導入されるLMH規定のニューマシンを1月15日に発表する予定だ。
一方、5シーズンに渡ってLMP2クラスを戦っていたアルピーヌは、2020年9月に最高峰クラスにステップアップすることを発表。マシンは、レベリオンが使用していたLMP1車両をベースにしたものを使用するとしている。これまでのところ、2021年シーズンのWECにLMP1規定の車両を使用して参戦することが決まっているのは、アルピーヌのみだ。
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LMH規定の車両はLMP1車両よりも大幅に遅くなることが予想されており、トヨタとアルピーヌの戦いには、ふたつのレギュレーション間の性能調整が大きな影響を与える可能性がある。
トヨタと共にル・マン24時間レースを3連覇した中嶋一貴は、理論上性能面でアドバンテージを持つLMP1マシンとトヨタの新車がフェアに戦えるかどうかは、WECやル・マン24時間を運営するACO(フランス西部自動車クラブ)が行なう性能調整次第だと話した。
「ル・マンはかなり違うものになると思います」と中嶋はmotorsport.comに語った。
「彼らは24時間を問題なく走れるクルマを持っていますし、信頼性も高い。あとは、僕らと彼らの間の性能調整にかかっています」
「僕たちのスピードには限界がありますが、彼らのスピードは性能調整次第です。本当に”政治”次第です。僕たちからすればとてもアンフェアですが、当然ACOは良い競争にしたいと思っているでしょう。2021年のレースは面白くなるはずですし、彼らは強力なライバルになるでしょう」
2019-20年シーズンのWEC王者である小林可夢偉は、トヨタ勢を過度に抑え込むことでLMH規定への参入を減らしてしまうようなことにならないよう、ACOは慎重になるべきだと語った。
「ACOが性能調整をどうするかはわかりません」
「彼らはとにかくかなり速いです。僕たちは(LMP1時代と比べ)大幅にラップタイムが落ちてしまったので、何が起こるかは分かりません」
「アルピーヌが僕たちより速かったら、誰もハイパーカークラスには来なくなりますから、楽しくはないでしょう」
「僕たちは新車ですし、アルピーヌは経験豊富なチームで、すでに確立されたマシンです。それでもまだ性能調整は発表されていないので、ACOが何をしたいかは分かりません」
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この記事について
シリーズ | Le Mans , WEC |
ドライバー | 小林 可夢偉 , 中嶋 一貴 |
チーム | Toyota Gazoo Racing WEC |
執筆者 | Jamie Klein |