トヨタWECチーム、ポルティマオ8時間レース終盤の”チームオーダー”を説明
TOYOTA GAZOO RacingのWECチームは、ポルティマオ8時間レースで7号車と8号車のポジションを2度にわたって入れ替えた理由を説明した。
6月13日に行なわれた2021年のWEC(世界耐久選手権)第2戦ポルティマオ8時間レースで、TOYOTA GAZOO Racingが1-2フィニッシュを果たした。同じLMHクラスの36号車アルピーヌが終始好ペースを発揮していたが、燃費の面ではトヨタ勢の方が優れており、これが勝敗を分ける結果となった。
レース終盤、首位を走っていた7号車トヨタは、少し燃料が足りないこととなり、FCY(フルコース・イエロー)が宣言された際にピットイン。これで8号車が首位、7号車トヨタが2番手という隊列になった。しかし7号車の方がペースが良く、チームは7号車を8号車よりも先行させることを選択し、両車に指示を出した。ただポジションを入れ替えた後も8号車は遅れることなく7号車を追走し、チームは結局再び8号車を先行させ、チェッカーを迎えた。
TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、2回ポジションを入れ替えたことについて、次のように語った。
「これは我々が変えたモノだ」
バセロンはそう語った。
「我々は常に、ドライバーたちと取り決めについて話し、改良を重ねている。ドライバーたちは皆、レース終了までレースをすることを望んでいた」
トヨタ勢はかつて、最後のピットストップ後の段階で、順位を確定させていたことがあった。
「最後のピットストップで、レース結果を確定させていたことがあった。しかし、マシンの状況が同じではない時は難しいこともあった。結局のところは、あまり変わらないのだ」
今回の状況を改めて振り返ってみよう。
8時間レースの残り25分というところで、FCYが宣言された。燃料残量に懸念があった首位走行中の7号車トヨタはこのタイミングでピットインし、最後の給油を実施。これにより、セバスチャン・ブエミが駆る8号車トヨタが首位に立った。ただFCY中の給油だったためロスタイムが少なく、ホセ・マリア・ロペスが駆る7号車は、8号車のすぐ後ろ、3秒ほどの遅れでコースに復帰することができた。
FCY解除後、マリア・ロペスがブエミとの差を一気に詰め、チームはブエミに対してポジションを譲るように指示を出した。
これでマリア・ロペスの7号車が首位に立ったが、8号車のブエミも離れずに食らい付いていき、結局3周後にはマリア・ロペスに対してポジションを戻すよう指示が出された。
これは2台のマシンがコース上を一緒に走っている時、より速いマシンを前に出すというトヨタ陣営内部の取り決めに沿ったモノだったようだ。
「我々はトラフィックのないセクターだけを見ている」
バセロンはそう説明する。
「(FCY後の)スティントの最初の部分では、ホセ・マリアの方が速かったから彼を前に行かせた。だが、前に出た後の彼は速くなかったので、我々はポジションを元に戻した」
「これは、ドライバーたちがポジションを入れ替えることに賛同する上での、必要なルールだ」
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