WEC Fuji
WEC富士大逆転勝利のトヨタ。アンカー平川亮、アルピーヌの猛攻凌ぐ「普通に走れば、抜かれないと思っていました」
トヨタ8号車のクルーとしてWEC富士を制した平川亮。最後のピットストップでの給油量で攻めたことが、勝利に向け最大の引き金となったが、SCが長引いたことでガス欠の心配はなかったという。
田中 健一
編集: 2026/09/27 22:53
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#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TR010: Sebastien Buemi, Brendon Hartley, Ryo Hirakawa
写真:: JEP
WEC富士6時間レースを勝利したのは、トヨタの8号車だった。最後ドライブを担当したのは平川亮。アルピーヌ36号車のヴィクトー・マルタンスの猛攻撃を凌いでの勝利だった。
残り1時間でセーフティカーが出動したタイミングでピットストップした時、燃料の給油量を少なめにしたことで、一気に首位に躍り出ることができたのは8号車にとって最大の勝因と言える。ただ決勝後の会見でセバスチャン・ブエミは、「最後燃料が足りなくなるリスクもあった」と明かしていた。
しかし平川曰く、セーフティカーランがかなり長かったため、最終的には燃料残量には余裕があったという。
「WECはVSC(バーチャル・セーフティカー)とかセーフティカーで、順位がコロコロ変わってしまいます。なので、ペース的に厳しい中でも常に良いところにいるのが大事でした。それができたのがまず良かったですし、最後のセーフティカーのタイミングで燃料を入れる量を攻めました。それをやれたチームにはあっぱれですし、最後はかなり痺れるコンディションでしたけど、なんとか耐えきれました」
決勝レースの感想を改めて尋ねられると、平川はそう語った。
「自分としてはチームに貢献できたことが一番嬉しかったですし、今シーズン8号車で2勝、7号車はル・マンで勝っていますし、前回のオースティンも勝つべきレースでした。だからこの新しいTR010の強さを、このホームレースである富士で見せられたのはすごく良かったです」
最後攻めた燃料搭載量について平川は、セーフティカー先導下で数周走った段階で、すでに余裕ができていたという。
「燃料は最後は大丈夫でした。セーフティカー中に何周かしたらもう大丈夫だったので、そこからタイヤを温めていました」
今回は週末を通してアルピーヌが速かった。トヨタとしてはペースの面では劣っていたが、それでも前に出ることができれば、簡単に抜かれることはないと自信を持っていたと平川は言う。
「アルピーヌは練習から速かったですし、キャデラックとアストンマーティンも、フリー走行同様に速かったです。でも、普通に走っている中では抜かれないなという自信は自分の中ではあったので、(最後プレッシャーをかけられた状況でも)ミスしなければ必ず抜かれずにゴールできるとは思っていました」
「ただ、トラフィックとか、遅いGT3のマシンに引っかかった時には、正しい判断が必要でした。でも、普通に走れば抜かれないと思っていましたね」
しかしBMW勢に助けられた面もあったと、平川は明かす。
「リスタートの時、前にGT3クラスのマシンがいて、それをスタート/フィニッシュラインまでは抜けないので、そこはうまくやらなきゃいけないなと思いました。それから、後ろにいたBMW(15号車)がすぐにアルピーヌに抜かれてしまい、アルピーヌがすぐに真後ろに来たら、ちょっとヤバいかなと思っていたんです」
「それに、前に周回遅れのBMW(20号車)がいたんですよね。そのクルマがどこでブレーキしているかというのを常に見ていました。それが目安になったのは、助かりましたね」
「セーフティカー中一番前で、しかも(雨が降りはじめる)このコンディションって一番嫌なんですよ。でも前にBMWがいてくれたのは、すごく助かりました」
ちなみに後ろから追いかけていたマルタンスは、「あと1〜2周あったら平川を抜けたんじゃないか」と悔やんでいた。それを平川に尋ねると……。
「まあそうだったんでしょうね」
「僕も逆の立場だった時を経験しているので気持ちは分かりますけど……最後ゴールで前に出ていればいいんで。それを計算してやっていました」
そう語ると、両脇に控えていた中嶋一貴、小林可夢偉の”両ベテラン”からツッコミが入った。
「平川さん、割と『あと1〜2周あったら抜けた!』って言うタイプよね」
中嶋がそう言うと、小林も。
「そういうタイプだよね」
これで今季のWECは残り2戦。平川の8号車のトリオは今回勝利したことで、ランキング首位に浮上した。タイトル獲得に向け、重要な2戦となる。
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