WECプロローグ:トヨタ勢の総合ワンツーでテスト閉幕。注目のフェラーリLMHは2日目午前にクラッシュ喫する
WECのシーズン開幕に向けてセブリングで行なわれたプロローグ。セッション最終日と総合タイムで共にトヨタ勢がワンツーを記録した。
2023年のFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦に先立ち、セブリング・インターナショナル・レースウェイで行なわれた2日間のプロローグテストで総合トップタイムを記録したのはToyota Gazoo Racingの7号車『GR010ハイブリッド』。僚機8号車が総合2番手タイムで続き、トヨタがワンツーでテストを終えた。
テスト2日目の午前セッションでは、7号車のマイク・コンウェイが1分48秒473をマークしてタイムシート首位に。8号車のセバスチャン・ブエミが1分48秒481で2番手に続いた。
3番手にはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車『963』。ミカエル・クリステンセンが1分48秒957でセッション3番手につけ、LMDh勢としては最速となった。
このセッションでは、今季からWECハイパーカークラスにル・マン・ハイパーカー(LMH)を投入するフェラーリがセブリングの洗礼を受けた。ジェームス・カラドがドライブする51号車『499P』が、高速域ながらもバンピーなターン1でクラッシュ。赤旗原因となった他、51号車の499Pは右フロントとノーズにダメージを負った。
クラッシュを受けてフェラーリのメカニックがカーボン製モノコックを綿密に調査している姿が目撃されており、51号車は続けて行なわれる午後のセッションを欠場することとなった。なお、その欠場の詳細な原因をフェラーリ側は明かさなかった。
そのようなフェラーリとは裏腹に午後セッションでもトヨタ勢の快進撃は続き、8号車のブレンドン・ハートレーがセッション最速となる1分48秒216をマーク。8号車は2番手の7号車に対して0.117秒差をつけ、2台で145周を走破した。
セッション3番手には1台体制のキャデラック・レーシング。リチャード・ウェストブルックが2号車『Vシリーズ.R』を駆り1分48秒890を記録。土曜日午後にはチームメイトのアール・バンバーがセッション最速タイムを記録しており、トヨタ勢追撃の一翼を担っている。
#50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen
Photo by: JEP / Motorsport Images
セッション4番手には午前にクラッシュを喫した51号車フェラーリの僚機50号車で、ポルシェ勢2台を上回った。
LMP2クラスのセッション最速は、ルイ・アンドラーデ、ロバート・クビサ、ルイ・デレトラ組のTEAM WRT41号車。総合順位でも7番手の94号車プジョー『9X8』から0.690秒落ちの8番手につけ、4周しか走行できなかったプジョー93号車の前で最後のセッションを終えた。
なお、今年からLMH『バンダーベル680』を投入するヴァンウォールはLMP2クラスに埋もれセッション総合15番手。グリッケンハウスは22番手となった。
テスト2日間を通しての最速タイムは、7号車のホセ・マリア・ロペスが初日午前に記録した1分48秒208。2日目午後にトップタイムを出した8号車が0.008秒差で続き、総合タイムでもトヨタ勢がワンツーとなった。
トヨタはテストを通して2台で3,500km以上となる587周をトラブルフリーで走りきった。
キャデラックは総合タイムでも3番手、ポルシェ6号車が4番手とデイトナ24時間レースを経験済みのLMDh勢がトヨタ勢の後ろに並ぶ形となった。
プロローグが終了し、現地時間3月15日(水)にはいよいよWEC 2023年シーズンの開幕戦セブリング1000マイルを迎える。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のセブリング12時間レースとの併催によって、WECは水曜日からフリー走行が開始。決勝レースは金曜日に行なわれる。
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