過酷なスノーラリーでハイブリッドにトラブル続発。トヨタのエバンス「リタイアせざるを得なかった」

ラリー・スウェーデンで2番手につけていたトヨタのエルフィン・エバンスは、SS16でクラッシュした後にリタイアしたが、原因はハイブリッドシステムのトラブルだったという。

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 トヨタのカッレ・ロバンペラが優勝し、幕を閉じたWRC第2戦ラリー・スウェーデン。今季のカレンダー唯一のフルスノーイベントだったからかは分からないが、特に今季から導入されたハイブリッドシステムのトラブルが多く発生した。

 競技最終日に入って2番手につけていたエルフィン・エバンス(トヨタ)も、ハイブリッド・システムにトラブルを抱えたひとりだ。

 彼は最終日最初のステージであるSS16でスピン。雪壁に接触し、マシンのフロント部分にダメージを負った。エバンスはそれでも走行を続け、その後修復のためにマシンを止め、リタイアとなった。

 当初はマシンのダメージがリタイアの理由だと考えられていたが、ハイブリッドシステムの警告ライトが点灯。リタイアせざるを得なかったと本人が認めた。

「順調だったが、長い左コーナーでリヤエンド(のグリップ)を失ってしまい、スナップした。残念ながら立て直すことができなかった」と、エバンスは振り返った。

「走り続けることはできたけど、修復のために停止することになった。残念ながらハイブリッドの警告ライトをアクティブにすることができず、ストップせざるを得なかった」

 警告ライトが点灯した場合、FIAのレギュレーションでは、安全上の理由からハイブリッド・サプライヤーのコンパクト・ダイナミクス社とFIAから許可が出るまで、クルーとチームはクルマに触れることができず、ラリー続行不可能となる。

 競技初日には、同様の理由でヒョンデのオット・タナクがリタイアを余儀なくされている。こちらはクラッシュによるダメージもなかったため、副チームディレクターであるジュリアン・モンセは、もどかしい思いを吐露していた。

「我々にとっても、彼(タナク)にとっても非常に悔しいことだ」とモンセは語った。

「彼はこの時点まで素晴らしい走りをし、リードしていたかもしれない。彼のせいではない」

「もちろん、レギュレーションと安全対策から、彼を止めることにした」

「レッドシグナルが点灯した場合、マシンを隔離し、コンパクト・ダイナミクスとFIAがマシンの安全性を確認した上で、実際にマシンに触れるというルールがあるんだ」

「これは新しいプロセスで、残念ながら私たちが最初にそれを体験することになった。コンパクトダイナミクスとFIAと協力し、何が起こったのかを調査していく」

 スウェーデンでは他に、ヒョンデのティエリー・ヌービルや、優勝したロバンペラにもハイブリッドシステムにトラブルが出ている。幸い、この2台はリタイアを回避することができた。

 ロバンペラは競技最終日、ハイブリッドシステムを使わずに走行していたが、ラリー・スウェーデンが高速スノーラリーだったことから、ブレーキングでエネルギーを回生し、加速をアシストするハイブリッドシステムを失った影響は少なく済んでいる。

 これらのトラブルの原因が分かるまでにはもう少し時間がかかるだろう。だがWRCのハイブリッドユニットは共通パーツである以上、いかにトラブルを出さずに運用していけるかは、今季の重要な要素のひとつになってくるのかもしれない。

 
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