写真:: Austral / Hyundai Motorsport
WRCの第9戦イープル・ラリー・ベルギーが行なわれ、ヒョンデのオット・タナクが総合優勝を果たした。
ベルギー西部イープルを中心に開催されている今回のラリーは、今季2戦目のフルターマックイベント。ステージは道幅の狭い農道が大部分を占めている。
今季8戦5勝と圧倒的な強さを示しているカッレ・ロバンペラ(トヨタ)だが、SS2でデイリタイアを喫するという波乱の幕開け。SS1で最速タイムをマークしたものの、SS2の左コーナーで膨らみ、側溝で跳ね上げられたロバンペラのマシンは激しく回転。ロバンペラとコ・コライバーのヨンネ・ハルットゥネンに怪我はなかったが、いきなり上位戦線から離脱することになった。
代わって首位に立ったエルフィン・エバンス(トヨタ)はタイヤにスローパンクチャーが発生。スペアのレインタイヤでSS7とSS8を走ることになった上、タイムコントロール到着が遅れたことで10秒のタイムペナルティを受けた。
トヨタ勢にトラブルが相次いだことで、ヒョンデのティエリー・ヌービルが総合首位でデイ1を終えるが、そのヌービルにもトラブルが発生する。チームメイトのタナクに対してギャップを広げていったが、デイ2終盤のSS15で痛恨のコースオフ。観客の助けで側溝から脱出したものの、母国で無念のデイリタイアとなっている。
タナクもデイ2午前にトランスミッションに不具合を抱えたが、SS15とSS16でベストタイムをマーク。エバンスに8.2秒差で最終デイ3を迎えた。
エバンスはデイ3最初のSS17、SS18で最速タイムをマーク。その差を6.7秒に縮めるが、タナクもSS19で最速タイムをお返しし一進一退。パワーステージの最終SS20にはタナクの7.2秒リードで突入した。
エバンスは逆転を目指して攻めたが、縮めることができたのは2.2秒。タナクが5秒差で逃げ切り前戦フィンランドからの連勝、今季3勝目を飾った。
総合3位は、このふたりから1分半以上離されたエサペッカ・ラッピ(トヨタ)。4位はWRC自己ベストリザルトを更新したオリバー・ソルベルグ(ヒョンデ)となっている。
勝田貴元(TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム)はギヤボックストラブルにも見舞われたが、クラッシュが相次いだ波乱のラリーを生き残って総合5位となっている。
なおボーナスポイントが与えられるパワーステージは、ロバンペラがトップタイムをマークし、5ポイントを獲得。2番手のエバンス以下、ヌービル、タナク、勝田までがボーナスポイントを獲得している。
ドライバーズチャンピオンシップは、ロバンペラのリードは変わらず。ランキング2番手タナクとのポイント差は72点となっている。
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