スーパーGT 富士公式テスト
ミシュラン独壇場と思われた“ちょい濡れ路面”界にヨコハマが殴り込み? 富士テストで新パターンのタイヤが効果発揮か「方向性は間違っていない」
雨の中行なわれたスーパーGT富士テスト初日では、午後のセッションでヨコハマタイヤユーザーが上位につけたが、これは新しいトレッドパターンを導入したことが功を奏しているようだ。
戎井健一郎
編集: 2023/03/25 12:11
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT公式テストの初日は、終始ウエットコンディション。そのため各タイヤメーカーにとってはウエットタイヤを試す絶好の機会となったが、多くのメーカーがそのトレッドパターンを変えてきていた。
GT500クラスでは19号車WedsSport ADVAN GR Supraと24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zにタイヤを供給するヨコハマもそのひとつ。彼らは従来の曲線的で長い溝が入ったウエットタイヤに加えて、3本の縦溝に短い横溝が入ったウエットタイヤを持ち込んできた。このトレッドパターンはいわゆる“インターミディエイトタイヤ”的なデザインであり、昨年雨で圧倒的な強さを誇ったミシュランのそれとも似たアプローチに見える。
ヨコハマタイヤの新トレッドパターン(左)と従来のパターン(右)
Photo by: Motorsport.com / Japan
ヨコハマでスーパーGTのタイヤ開発を率いる白石貴之氏によると、このトレッドパターンはそのデザインからも推察できるように、比較的雨量の少ないコンディションにフォーカスしたものだという。
実際のレースでは、雨量の多い状態が長く続くことは稀であり、仮に雨脚が強くなってもレースが進んでいく中で収まっていくケースがほとんど。そもそも激しい雨が続けばレースは続行されず、赤旗中断となるはずだ。そういう意味でも、雨量の少ないコンディションに狙いを定めた方が得策というのがヨコハマの考えだ。
「どういうコンディションに的を絞るかと考えた時に、レースでは比較的水量が少ない状態が長く続くことが多いことを考えると、ああいったパターンで行く方が“取り分”があるんじゃないかと考えました」
白石氏はそう語る。
#19 WedsSport ADVAN GR Supra
Photo by: Masahide Kamio
「そこで接地面積をなるべく確保しつつ、排水性を犠牲にしないものを意識しました。市販用で使っているパターンに近いものがあるので、そこからのフィードバックも踏まえて、あのパターンを持ってきました」
実際、今回のテスト初日はヨコハマの狙い通りと言えるような結果となった。雨量の多い午前セッションはブリヂストン勢とミシュラン勢が上位を分け合ったが、比較的雨量の落ち着いた午後のセッションは19号車WedsSportが2番手、24号車リアライズが4番手に入り、1、3番手だったミシュラン勢の間に割って入る形となった。
ただ白石氏は、2台が14番手、15番手に終わった午前セッションについても「タイヤがあの雨量で機能しなかったというよりは、パターン、ゴム、構造を含めて開発途上な中で、課題がうまく見つかった」と語り、ポジティブなセッションであったことを伺わせた。
従来のパターンと比較をしながらテストを進めたヨコハマだが、ユーザーからも上々の評価を得られている様子。「ドライバーさんやチームさんのコメントを聞いても、方向性としては間違っていないということで、これをベースに進めていけば良いものができるのではないかというフィードバックをいただけているので、前向きに捉えています」と白石氏は言う。
昨年唯一のウエットレースとなった第6戦SUGOでは、ミシュラン勢がワンツーフィニッシュを飾り、3番手以下には46秒の差をつけて5番手以下を周回遅れにするなど、圧倒的な強さを見せた一方、ヨコハマ勢は14番手、15番手と最下位に沈んだ。今季は、その勢力図は大きく変わっているかもしれない。
関連ニュース:
- 【スーパーGT】雨のテストで圧巻の速さ! ミシュランタイヤの“奇抜”なトレッドパターンの秘密を探る
- GT富士テスト初日でクラッシュのHOPPYスープラ。昨年鈴鹿に続く2度目の事故もチームが前向きな理由「今回は“後戻り”せずに済む」
- 雨がタイヤメーカーの明暗分けたGT500。ライバルに「やられた」ブリヂストンと、総合力の差痛感したヨコハマ
- 4戦中3PP&フロントロウ独占2回。予選“敵なし”のヨコハマ、久々の優勝に向けて「開発の成果が少しずつ出ている」
- スーパーGT富士公式テスト、初日午後は3号車Niterra MOTUL Zがトップ。ミシュラン、ヨコハマ勢が上位に
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 GT富士テスト初日でクラッシュのHOPPYスープラ。昨年鈴鹿に続く2度目の事故もチームが前向きな理由「今回は“後戻り”せずに済む」
次の記事 スーパーGT富士公式テスト:セッション3タイム結果
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
戎井健一郎

絶対王者au TOM’Sの牙城崩れる。STANLEY山本尚貴、牧野任祐組が6年ぶり王座。ホンダのプレリュード元年を飾る|スーパーGT最終戦
スーパーGT
スーパーGT
第3戦・第8戦もてぎ
53 分前
絶対王者au TOM’Sの牙城崩れる。STANLEY山本尚貴、牧野任祐組が6年ぶり王座。ホンダのプレリュード元年を飾る|スーパーGT最終戦

STANLEY vs au TOM’S、王座争う2台がフロントロウでがっぷり四つ! 牧野任祐が意地のポール獲得|スーパーGT最終戦
スーパーGT
スーパーGT
第3戦・第8戦もてぎ
6 時間前
STANLEY vs au TOM’S、王座争う2台がフロントロウでがっぷり四つ! 牧野任祐が意地のポール獲得|スーパーGT最終戦

「そんなはずじゃなかったんだけど……」引退発表の新田守男、2連勝でなんとGT300チャンピオンも見える状況に! 本人も戸惑い
スーパーGT
スーパーGT
第3戦・第8戦もてぎ
20 時間前
「そんなはずじゃなかったんだけど……」引退発表の新田守男、2連勝でなんとGT300チャンピオンも見える状況に! 本人も戸惑い
最新ニュース

アルデゲル、バニャイヤとの接触について謝罪。一方で「無謀な動きではなかった」とも釈明
MotoGP
MGP MotoGP
カタールGP
23 分前
アルデゲル、バニャイヤとの接触について謝罪。一方で「無謀な動きではなかった」とも釈明

絶対王者au TOM’Sの牙城崩れる。STANLEY山本尚貴、牧野任祐組が6年ぶり王座。ホンダのプレリュード元年を飾る|スーパーGT最終戦
スーパーGT
SGT スーパーGT
第3戦・第8戦もてぎ
53 分前
絶対王者au TOM’Sの牙城崩れる。STANLEY山本尚貴、牧野任祐組が6年ぶり王座。ホンダのプレリュード元年を飾る|スーパーGT最終戦

F1からWECへ。平川亮「クルマの限界で走らせるのは一緒」モンツァ決勝は苦戦予想も攻めの姿勢
WEC
WEC WEC
Monza
1 時間前
F1からWECへ。平川亮「クルマの限界で走らせるのは一緒」モンツァ決勝は苦戦予想も攻めの姿勢

ハースF1、サンパウロGPのドライバーにカマラを選んだ理由。小松礼雄代表が説明「チームにとって最善の利益となるよう決断した」
F1
F1 F1
サンパウロGP
1 時間前
ハースF1、サンパウロGPのドライバーにカマラを選んだ理由。小松礼雄代表が説明「チームにとって最善の利益となるよう決断した」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録