確かな実力を持つ”苦労人”、元F1ドライバーのロベルト・メルヒがスーパーGTデビューへ
スーパーGT第2戦のエントリーリストが発表され、元F1ドライバーのロベルト・メリ・ムンタンがスーパーGTデビューを飾ることになった。
写真:: Sutton Images
スーパーGTの第2戦富士450kmレースのエントリーリストが公開され、元F1ドライバーのロベルト・メリ・ムンタンがGT300クラスの6号車Team LeMans Audi R8 LMSのドライバーに加わった。
メルヒがどんなドライバーなのか、スーパーGTファンには馴染みがないかもしれないので、本稿では改めてメルヒについて紹介していこうと思う。
31歳のスペイン人ドライバーであるメルヒは、計13戦を戦った元F1ドライバーだ。
F1を目指し、フォーミュラ・ルノーやフォーミュラ3・ユーロシリーズで活躍したメルヒは、2011年に名門プレマに所属。フォーミュラ3・ユーロシリーズのチャンピオンに輝いている。
2012年には、メルセデス・ベンツ・ジュニアチームの一員としてDTMに参戦。ミハエル・シューマッハーの指導も受けたが、DTMでは良い結果を残せなかった。
その後、再びシングルシーターに参戦すると、2014年にケータハムからイタリアGPの金曜フリー走行に出走するチャンスを掴み、これがF1”レースウィーク”デビューとなった。
この時、ケータハムのレギュラーシートに座っていたのは小林可夢偉。ケータハムは身売りするほど資金難に悩まされ、シーズン後半のドライバーラインアップ変更を検討。その当時、メルヒはレッドブル育成のカルロス・サインツJr.と並んで、代替ドライバーの候補に挙がっていた。
結局メルヒは2015年に新興チーム、マノー・マルシャからF1に参戦。開幕戦オーストラリアGPにはチームが参加できなかったため、第2戦マレーシアGPが正式なF1デビューとなった。これだけ聞くと、彼が資金を持ち込んでシートを獲得したペイドライバーのようにも思えるが、彼はスポンサーも持ち込み資金も無いことを公言していた。
ケータハムと同様に資金難に陥ったマノー・マルシャは、第13戦シンガポールGPの開催直前でメルヒに代わり、アレクサンダー・ロッシをレギュラードライバーとして起用する事を発表。メルヒはシーズン残り7戦のうち、2戦しか走れなかった。そのため、彼のF1キャリアは13戦で終わってしまったのだ。
当時のF1は、予算制限を前提に新チームを招き入れたものの、結局は予算制限が導入されなかったため、そのすべて(ケータハム、マノー・マルシャ/ヴァージン、HRT)がF1に定着できずに撤退するという厳しい時代だった。そんな中で、資金がないにも関わらずシートを獲得したメルヒは、間違いなくその実力を高く評価されていたドライバーのひとりだったと言えよう。
F1のシートを失った後は、F2やWECのLMP2クラス、GTワールドチャレンジなどで”仕事人”的な起用をされ、速さを見せているメルヒ。彼が日本でどんな走りを見せるのか注目だ。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments