MotoGP

250cc王者の青山博一、MotoEでチーム立ち上げを検討中「アジアの若手ライダーが世界で戦う場を作りたい」

現在Moto2クラスとMoto3クラスでHonda Team Asiaを率いる青山博一監督は、アジアの若手ライダーが世界で戦うチャンスを増やすために、個人として電動バイクレースのMotoEへチームを立ち上げることを考えていると明かした。

西村 章

公開日時: 2021/09/29 11:07

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Hiroshi Aoyama, Honda Team Asia

 MotoGP世界選手権のMoto2クラスとMoto3クラスでHonda Team Asiaを率いる青山博一監督が、新たなプロジェクトの立ち上げを検討している。電動バイクを使用するMotoEへの参入で、Moto2やMoto3のチームとは別個に、あくまでも個人的な企画として検討を進めているのだという。

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 MotoEは2019年に始まったレースで、2019年は4大会で6戦、2020年は5大会7戦が行われた。FIM公認の競技でドルナの運営によりMotoGPに併催される形で行なわれるが、カテゴリーとしては世界選手権に準ずるワールドカップ、という位置づけだ。

 2021年は6大会7戦で、先日のサンマリノGPで行った2レースがシーズン最終戦になり、チャンピオンが決定した。今年は大久保光がこのクラスにフル参戦したこともあって、日本のファンからの注目度も高くなった。

 青山が監督を務めているHonda Team Asiaは、組織名称にもあるとおり、ホンダがチームを支える大きな柱になっている。しかし、MotoEの場合は使用する車輌がEnergica製の電動バイクということもあり、ホンダが主体的に関わることは難しい、という判断になったようだ。

「でも、それで諦めてしまうのももったいないので、スポンサーが集まれば、たとえば〈青山レーシング〉といったような形で、個人的なチームとして参戦することができないかなあ、と考えています」

 青山がMotoE参戦をこのように真剣に検討している理由は、アジア人選手たちが世界の舞台で戦えるチャンスをすこしでも増やしたい、と考えているからだ。

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「いま、アジアの選手たちはどんどんヨーロッパに来はじめているんですが、その一方で受け皿は限られています。戦う場所がないためにあっさり諦めてアジアに戻ってしまうよりは、もしも例えば、MotoEで彼らが世界の舞台で競う場所を作れるのであれば、能力とチャンスを有効に活かすことができるじゃないですか。それが、MotoEへの参戦を検討するに至った大きな理由です」

 現在は、様々な人々に相談をしながら、2022年、もしくは2023年からの新チーム立ち上げと参戦開始を模索している最中だ。

「いずれにしても容易にできることではありません。せっかく始めるのであれば、自転車創業のような危うい形にはしたくないので、しっかりと見通しがついて準備が整ったうえで開始をしたい、と思っています。MotoEも、1チーム2台の参戦ができるのですが、なにぶん青山博一個人で始めようと思っているチームなので、2台のチーム体制にするのは難しいだろうから、1台でも参戦できればいいなあ、というのが正直なところですね」

 高い志と目標はあれども、やはり世の中で先だつモノは金、である。欧州を中心に世界規模のチームを立ち上げて運営していくためには、大きな資金が必要になる。個人のポケットマネーでどうこうできる程度の規模でないことは、いうまでもない。

「たとえば予算が100必要だとして、70や80しか集まらないのであれば、チームを始動させるには、さすがに少し心もとないですよね。でも、90や95程度集まるのであれば、あとの5から10は僕が捻出することも可能かもしれませんけれども。だから、どれくらいの可能性でいつごろ開始できそうか、ということについては、一日でガラリと変わってしまう可能性もあるので、正直なところ、いまはまだなんとも言えないんですよ」

「でも、来年になるか再来年になるかはともかくとしても、将来に向けてMotoEのチームを起こしたい、という意欲を持っていることに変わりはありません。そうはいっても、自分ひとりの力でスポンサーを集めるのは、なかなか難しいので、広告代理店なども含めていろんなところにいまは相談をしています。僕が持っているノウハウや経験を活かしてチームを起こし、アジアの選手がヨーロッパで活躍できる場を提供してきたいので、世界の舞台で戦うアジア人選手たちの活動を応援しようと思ってくれる人たちがいるのであれば、ぜひ一緒にやっていきたいと思っています」

 今後は二輪車の世界でも、四輪車同様にEV市場は活況を呈していくだろう。二輪EV分野の技術開発に先鞭をつけるMotoEという競技も、その意味では登場すべくして登場したジャンルといえる。また、世界的な環境政策の趨勢に伴って、今後はさらに大きく飛躍し発展することも期待される。

 その先進的な競技で、アジアから世界へ挑む戦いの橋頭堡を作ろうとしている青山博一の試みもまた、進取の気性に富む挑戦、といっていい。日本国内に限らず、アジア諸地域や欧州、あるいは米国等のチャレンジ精神に溢れたパートナーたちと青山が手を携え、新たな戦いに踏み出すであろう日を、いまは心待ちにしたい。

 

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