SFが“寒さ対策”で規則を一部改定、予選時間の変更に加え次戦からタイヤの事前加熱も許可
スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションは、寒い時期に開催される今季後半戦に向けて、タイヤの事前加熱やフォーメーションラップの周回数変更など、安全上の理由で規定を一部改定することを明らかにした。
写真:: Masahide Kamio
2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦が行なわれているオートポリスで、シリーズをプロモートする日本レースプロモーション(JRP)がメディア向けにオンラインで「サタデーミーティング」を行ない、これから始まる寒い時期でのレース開催にあたって、その対策として一部の規則を改定することを明らかにした。
通常ならば10月の下旬にシーズンが終了しているスーパーフォーミュラだが、今年は新型コロナウイルスの影響で8月末に開幕し、12月20日(日)に富士スピードウェイで最終戦を迎えるという変則日程となっている。
しかし12月に入ると、どのコースも気温・路面温度ともに10度を下回る可能性も出てくるなど、通常とはかなりコンディションが異なるため、JRPは安全性を考慮して、シリーズの統一規則を一部改定することを決定。先日、日本自動車連盟(JAF)の承認を受け、その詳細が公示された。
主な変更はタイヤのウォームアップに関わる部分だ。そのなかで、今回のオートポリス大会からは予選セッションの時間が変更される。これまでQ2とQ3のセッション時間は7分となっていたのだが、それではタイヤを十分にウォームアップできないままタイムアタックを行なわなければいけなくなる可能性がある。その対策として、Q2・Q3ともに最大20分間のセッション時間を設けられるような規定に改定された。なお、今大会についてはQ2・Q3ともに10分間で行なわれることが公式通知No.6で発表されている。
また決勝時のフォーメーションラップもタイヤを十分に温める時間を確保するために、2周行なうことに変更。これによりオートポリス大会の決勝レースは当初予定されていた42周から、1周減算した41周で争われることになった。
そして次回の鈴鹿大会からは、タイヤの事前加熱についても条件付きで許されることとなる。従来の規定ではタイヤに対する走行前の意図的な加熱(タイヤウォーマーの使用など)は一切禁止されていたが、これが改定された規定では「当該競技会特別規則もしくは公式通知で示される方法以外での、タイヤに対する走行前の意図的な加熱は一切禁止される」に変更された。
これについてJRPは、F1などで使用されているブランケット式のタイヤウォーマーではなく、タイヤが積まれた空間の内部をジェットヒーターで温める“ハウス型”や“ボックス型”と呼ばれる方式を採用予定とのこと。タイヤの内圧管理など具体的な運用方法は、現在調整中だという。
シーズン中にここまで規則が変更されることは異例ではあるが、JRP取締役の上野禎久氏は安全性を担保することが変更の一番の目的であることを強調し、来季の規則については状況を見て柔軟に対応していきたいと語った。
「今年のコロナ禍で、カレンダーが随分と(年の)後半に移動して、寒い時期に公式戦を開催することになりますので、安全性の目的でこのような施策を導入しました。基本的に、このようなルールは今年(2020年)に限定したものということで考えていますが、来年についてはどういった状況でレースを迎えられることになるのか、まだ分からない部分もありますので、来季の規則についてはJAFとも協議をして、柔軟性を持った規則にしたいなと考えています」
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