エスパルガロ兄、アプリリアの進化に“幸せ”感じる。残る課題は信頼性?
アプリリアのアレイシ・エスパルガロは、チームが開発した2020年用の新型マシンについて表彰台を争えるペースがあるとしつつも、信頼性の面ではまだ十分ではないと語った。
Aleix Espargaro, Aprilia Racing Team Gresini
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPに参戦するアプリリアは、2月初旬に行なわれたオフィシャルテストに、前年から大きく変更が施されたマシンを投入した。
エースライダーのアレイシ・エスパルガロはこのマシンで総合10番手タイムを記録。トップタイムとなったファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)からは0.345秒差と、大きく改善している様子が見えた。
テスト3日目にはロングランも行なっていたが、エスパルガロは力強いペースを刻めたことから、この状態ならアプリリアは表彰台争いの1角だ、とも主張していた。
しかし、そのロングラン自体は排気系のトラブルによって途中で切り上げざるを得なかった。エスパルガロはこうした信頼性の問題は依然としてアプリリアにとっての“アキレス腱”であると語った。
「僕はエンジニアにロングランでエンジンを試すようにプッシュしていた。彼らは確信が持てていなかったようだけど、僕にとってはそれが非常に重要だった」と、エスパルガロは言う。
「レースシミュレーションでは残り7周になる13周目まで本当に良かったんだ。(そのタイミングで)パワーが落ち始めるのを感じた。排気系に問題があってバイクを止めなくちゃならなかった」
「とても競争力があると感じていたし、20周に渡って1分59秒台のタイムを維持できると感じられていたから、(トラブルは)残念だよ。でもこのマシンはまだとても“若い”からね」
「この後すぐにレースがあったなら、表彰台を争えると思う。でも今はまだその時じゃない」
「僕らは違うトラックへ行って、何が起こるかを確かめる必要がある。レースを完走できるのかを確かめないといけないんだ。なぜならバイクに10周以上負荷を掛けるとハプニングが起こるからだ。僕としては今の最優先事項は信頼性なんだ」
ただ、エスパルガロはクアルタラロや、ドゥカティといったライバルよりも良いレースペースを示せたことにかなり興奮したとも語っている。
「多分僕は今、モチベーションがあふれすぎているし、幸せで興奮しすぎているんだろうね」
「セパンのような難しいサーキットで速いラップを刻んだんだ。最初の走行ではドゥカティ勢に対して毎周コンマ2、3は失っていたけど、こうして12〜14周のレースシミュレーションではものすごく強いラップで走ることが出来たんだからね」
「ドゥカティよりも、そしてクアルタラロが以前行なっていた(ロングラン)よりも優れているんだ」
新型マシンでの走りについてそう語るエスパルガロ。マシンの進化を絶賛する彼だが、残る弱点としてはライバルと比べて加速の部分だと話している。
「このマシンは4〜6速ギヤでは強いと思う。でも低速ギヤでは苦戦しているんだ」
「2日目に、アレックス・マルケス(レプソル・ホンダ)と一緒に2周走った。そこで僕は彼をオーバーテイクする方法が無かった。そのせいで殆どぶつかりそうだったんだ」
「純粋な加速のパフォーマンスでは同じだろう。加速と、エンジンのコントロールは僕たちの方が簡単なのかもしれない。でも回転数が低い時のエンジンパフォーマンスが足りないんだ」
なお今回行なわれたセパンテストには、アプリリアのレギュラーライダーであるアンドレア・イアンノーネが不参加だった。イアンノーネはドーピングの疑いにより、暫定資格停止処分を受けているためだ。
結果、アプリリアはテストライダーのブラッドリー・スミスと、ロレンツォ・サバドーリをセパンテストに参加させたが、両者ともエスパルガロのタイムに迫ることはできなかった。
イアンノーネが今後のテストやレースに出場できるかは不透明な状況だが、エスパルガロとしてはイアンノーネに復帰してほしいと考えているようだ。
「言うまでもなく、アンドレアはとても強いライダーだ。彼がいればより多くのマテリアルと問題が強調されるだろう」とエスパルガロは認めた。
「アンドレアの状況は分かっている。僕は彼が問題をどうにかしてカタールに居てくれることを願っている」
Additional reporting by Lewis Duncan
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