ラルフ・シューマッハーも”ホンダF1参戦終了”にがっかり「驚くべきことだった」
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーが、ホンダのF1活動終了発表に際してコメント。「レッドブルという素晴らしいパートナーがいるのに」と落胆した。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
10月2日(金)に、ホンダが2021年限りでF1活動を終了させることを発表した。この突然の発表には、日本のみならず世界中から様々な反響が寄せられた。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーも、ホンダのF1参戦終了発表に驚いたひとり。彼はドイツのスカイスポーツ・ニュースに、今回の件について語った。
「少し驚くべきことだった。戦略的にも、あまり賢いことではないと思う」
シューマッハーはそう語った。
「彼らには、レッドブルという素晴らしいパートナーがいる。そしてホンダは、あまり大きくはない自動車ブランドだ。問題はそこにあると思う。彼らは業績があまり良くなく、そしてF1は非常に高価で、とても複雑だ。それが、彼らが参戦を取り止めることを決めた理由だろう」
「レッドブルは今や、新たなパートナーを探す必要がある。メルセデスは難しいだろう。少なくともまだ、そういう関係にはない。ルノーとも、同様の問題がある。彼らは共に、かつて組んだ時には満足しなかった。そして(シリル)アブテブールがアルピーヌのCEOになり、同社のモータースポーツ・プログラムを完全に管理することになる……だから難しいだろう。まだまだ2021年が終わるまで、時間があるがね」
シューマッハーは、レッドブルのひとつの選択肢は、ホンダのパワーユニット(PU)とその施設を引き継ぎ、自社のパワーユニットを使うことだと考えているようだ。
「選択肢のひとつは、レッドブルが自社のエンジン(PU)を造るということだ。レッドブルには力と能力がある。そうなった場合はホンダがパートナーとなり、そこから全てのモノを引き継ぎ、続けていくことができる」
「2021年以降は、パワーユニットの開発は大部分が凍結されるはずだ。ホンダはそれまでも、全力で開発を続けるだろう。来年は、チャンピオンを獲りたいからね。そういう観点では、それが代替案になる可能性がある」
その一方で、2021年シーズンは、チャンピオン獲得を目指すマックス・フェルスタッペンにとってまたとないチャンスになるかもしれないと、シューマッハーは考えている。
「ホンダは参戦を終了するまで開発を全開で推し進める。なので(フェルスタッペンは)それを完全に利用したいと思うだろう」
そうシューマッハーは語る。
「ホンダが悪い仕事をしたとは思わない。確かに最近、いくつかの小さな問題が発生した。しかし今回のことにより、彼らの開発は今後全力になり、それがマックスにチャンスを与えると思う」
「(レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート)マルコ博士は今年の初めに、レッドブルとホンダの契約が破棄されたならば、マックスにはチームを去る可能性が出てくるだろうと語っていた。でもそれは、2021年まで起きることはないだろう。その時までは全てのことが安定し、良いPUがレッドブルのマシンに搭載されているはずだ」
シューマッハーは、他の3つのメーカーがF1を離れることはないだろうと語る。
「一部のメーカーがF1を去るのではないかという噂は、今のところ数多くある。でも、完全なモノはない」
「メルセデスは、近い将来チームとしてはF1を去るのではないかという話もまだある。しかし、PUメーカーとしては残るだろう」
「彼らは何があってもF1の一部であり続け、カスタマー用のPUも用意する。誰もがそれを望んでいるし、すでにマクラーレンは、来季からそれを使うことになっている」
「ルノーは、自らF1を継続することを発表した。現時点では、撤退する可能性はほぼないだろう」
「しかも認めなければならないのは、ルノーは素晴らしい仕事をしてきたということだ。彼らは常にカスタマープログラムを実施してきたのだ」
「フェラーリが撤退する可能性はない。来年はPUを改良し、再び競争力を手にすることを願うだけだ」
「そのため、メーカーが足りなくなってしまうという危険性はないと思う。そしてある時点、2025年か2026年には、フォルクスワーゲン・グループとポルシェが、F1に戻ってくるかもしれない。その噂はまだある。そうなれば、それは素晴らしいことだ」
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