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【2023年F1開幕】全10チームの仕上がりを徹底評価。レッドブルの盤石ぶり、アストンマーチンの充実度に注目……さて、勢力図はどうなる?

2023年のシーズン開幕を前に、現状の各チームの状況を評価。やっぱり強そうなのはレッドブル?? テスト好調のアストンマーチンにも注目。

Sergio Perez, Red Bull Racing RB19, Valtteri Bottas, Alfa Romeo C43

Sergio Perez, Red Bull Racing RB19, Valtteri Bottas, Alfa Romeo C43

Mark Sutton / Motorsport Images

 2023年のF1がついに開幕する。

 今季も10チーム20台のマシンが世界各国を転戦し、覇権を巡って競い合う。開幕前のテストはわずか3日だけだったが、その中で全てではないとはいえ、分かってきたこともある。

 本稿では今季参戦する全チームの状況をまとめよう。

■レッドブル

Max Verstappen, Red Bull Racing RB19

Max Verstappen, Red Bull Racing RB19

Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images

 昨年、圧倒的な強さでシーズンを席巻したレッドブル。今季も2年連続タイトル獲得中のマックス・フェルスタッペンと、セルジオ・ペレスという盤石な布陣で挑む。

 マシンは昨年型の正常進化版ながらも、完成度抜群。テストでは一発の速さはもちろんのこと、ロングランでも圧倒的な速さと安定感を発揮した。特に初日にフェルスタッペンが見せた1分35秒台の連続走行は、昨年開幕戦の勝者、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のレース終盤のペースを凌ぐモノだった……走行初日にしてこの完成度とは驚き。しかも3日間通してデグラデーション(タイヤの性能劣化)も小さかった。

 現時点では、2023年シーズンを制する、最有力候補の座は揺るがないだろう。チームやドライバーからも、ポジティブなコメントばかり聞こえてくる。

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■フェラーリ

Charles Leclerc, Ferrari SF-23

Charles Leclerc, Ferrari SF-23

Photo by: Ferrari

 昨年はシーズン序盤こそレッドブルと互角に渡り合ったフェラーリだが、中盤以降は低迷。今年こそ巻き返しを図りたいところだ。

 新車SF-23は、発表会当日にフィオラノ・サーキットで走行を披露するという、ド派手なデビュー。今季に向けた期待感を高めた。

 しかし、テストでは心配な部分もある。アタックラップの速さはまずまずながら、ロングランではレッドブルと比較してデグラデーションが大きく、走れば走るほどタイムが落ちていく状態なのだ。

 フェラーリは昨シーズンも、タイヤのデグラデーションがよろしくないという問題に見舞われた。最終戦アブダビGPでは解消されたように見えたが、テストを見る限り再発してしまっている様子。この問題への対処ができなければ、レッドブルを打ち負かすことはできないだろう。また、直線スピードは速くなっているが、コーナリングスピードが犠牲になっているという声も聞かれる点も懸念に輪をかける。

 また、新たにチーム代表に就任したフレデリック・バスール(昨年までのアルファロメオのチーム代表)の手腕にも注目だ。

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■メルセデス

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 昨年は大変厳しいシーズンを過ごしたメルセデス。後半には巻き返し、サンパウロGPではジョージ・ラッセルが優勝したが、この1勝止まり。ルイス・ハミルトンは、F1デビュー以来初の未勝利のシーズンとなった。

 そのメルセデスが2023年シーズン用に開発してきたマシンW14は、サイドポンツーンが非常に細くなった、昨年の”ゼロポッド”を踏襲するようなデザイン。しかしエンジンカウルに極端な段差をつけてきたり、サイドポンツーンの膨らみを前後に長くしたりと、変更も加えてきた。

 テスト初日には、レッドブルに次ぐロングランの安定性を見せ、対抗馬最有力候補とも見られた。しかし2日目以降チームは「バランスが変わってしまった」と困惑し、実際ペースが下落。デグラデーションも大きくなった。3日目にはさらに大きなデグラデーションが生じていたというデータもある。

 この2日目以降の低迷が、開幕へ向けた”弱点”の洗い出しとなったのか、それとも本当に苦労しているだけなのか……。

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■アルピーヌ

Pierre Gasly, Alpine A523

Pierre Gasly, Alpine A523

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

 アルファタウリからピエール・ガスリーが移籍し、エステバン・オコンとフランス人同士のコンビを組むことになったアルピーヌ。ただふたりは犬猿の仲と言われることもあり、それが最大の注目点ともなった。

 しかしパフォーマンス自体はちょっと心配な部分がある。昨シーズンはランキング4位だったが、テストではペースが低迷。デグラデーションも大きい印象が拭えない。チームは「マシンの限界に挑戦したからペースが出なかった」と説明しているが、果たして?

 また開幕戦で早くもアップデートパーツを投入する予定だと言う。

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■マクラーレン

Lando Norris, McLaren MCL60

Lando Norris, McLaren MCL60

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 アルピーヌよりも心配なのがマクラーレンだ。

 昨年はトップ3チーム以外で唯一となる表彰台を、ランド・ノリスにより手にしたマクラーレンは、そのチームメイトに新人のオスカー・ピアストリを起用。ドライバーの陣容としては申し分ない。

 しかしテスト初日の段階で、ザク・ブラウンCEOが「開発目標を達成できなかった部分がある」と発言するなど、ネガティブなトーンであることは否めない。空気抵抗も大きいという。

 テスト中には、補強のためにマシンに手を加えるシーンが目立ったり、ガレージ内で長い時間を過ごす場面も見られたというところも不安要素。ロングラン時のデグラデーションも大きかった。

 シーズン開幕後、どれだけマシンにアップデートが投入され、パフォーマンスが引き上げられていくのかというところに、今季の成績の全てが懸かっていると言えるだろう。

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■アルファロメオ

Valtteri Bottas, Alfa Romeo C43

Valtteri Bottas, Alfa Romeo C43

Photo by: Alfa Romeo

 バルテリ・ボッタスと周冠宇のコンビで2年目のシーズンを迎えるアルファロメオ。昨シーズンも前半は好調な走りを見せたが、今年もその可能性は高そうだ。

 テスト最終日、ボッタスは持ち込まれた中で最も柔らかいC5タイヤを履いてパフォーマンスランを行ない、3番手タイムを記録。同じタイヤを履いたメルセデスのハミルトンから0.1秒差という、印象的なペースを刻んだ。ロングランでもデグラデーションは小さそうで、レースでも大いに期待が持てるだろう。

 ただ昨年はシーズン前半に51ポイントを獲得しながら、後半は4ポイントしか獲得できないという1年になった。つまり、ライバルに比べてシーズン中のアップデートの効果が劣っていたということ。これを改善できるかがランクアップの鍵となるはずだ。

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■アストンマーチン

Fernando Alonso, Aston Martin AMR23

Fernando Alonso, Aston Martin AMR23

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 昨年限りでF1を引退したセバスチャン・ベッテルの後任として、フェルナンド・アロンソが加入。チャンピオン経験者の後任がまたもチャンピオン経験者という、実に豪華なリレーとなった。

 そのアストンマーチンは充実期を迎えようとしているのかもしれない。テストでは一発の速さもさることながら、ロングランでも高値安定。最終日にはアロンソがレースシミュレーションを完遂し、同じタイミングでレースシミュレーションを行なっていたハースをいとも簡単に周回遅れにしてしまうだろうという脅威的なペースを見せた。デグラデーションも一切見られず、走れば走るほどタイムが上がっていくという状況も、ライバルにとっては軽視できない相手に映るだろう。実際、多くのチームが「アストンは速い」と警戒感を顕にしている。

 テスト最終日の午後、各チームがパフォーマンスランを行なっているのには目もくれず、淡々と周回を重ねていたというところにも、自信の表れを感じさせる。

 心配なのは、アロンソのチームメイトを務めるランス・ストロールが、自転車でのトレーニング中に落車したことで負傷し、テストをまったく走れなかったこと。幸い開幕戦には出場できることになったが、準備が不足しているのは明らかだ。

 とはいえ、今季の台風の目となりそうなチーム筆頭なのが、このアストンマーチンである。

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■ハース

Kevin Magnussen, Haas VF-23, exits the garage

Kevin Magnussen, Haas VF-23, exits the garage

Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images

 ハースのマシンVF-23は、レッドブルと似たコンセプトのマシンに見える。サイドポンツーンは、トレンドとも言えるダウンウォッシュを採用せず、腰高と言ってもいい作りだ。

 近年はルーキードライバーをふたり起用することもあるなど、若手にチャンスを与えてきた印象のある同チームだが、今季は残留のケビン・マグヌッセンと、新加入のニコ・ヒュルケンベルグを組ませるという”ベテランコンビ”を選んだ。これはチーム飛躍の大きな鍵となるだろう。

 ただアストンマーチンの項目でも述べたように、レースシミュレーションのペースを見ると、少なくともアストンマーチンには大きく差をつけられているようだ。あとはその他のライバルチームとの力関係がどうなのか……というところだろう。

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■アルファタウリ

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT04

Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT04

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

 PKNオーレンがスポンサーに加わったことで、赤いカラーが加わり、昨年までとはイメージが異なる装いとなったアルファタウリ。F1での3シーズン目を迎える角田裕毅にとっては、実に重要な1年となる。そして新たにチームメイトとなるのは、フル参戦1年目のニック・デ・フリーズ。しかしフル参戦1年目とはいえ、フォーミュラEでは世界チャンピオンとなり、F2でもタイトルを獲得、急遽のF1デビューとなった2022年のイタリアGPでは、代役ながら入賞するという離業を演じた経験豊富なドライバーである。

 このアルファタウリのマシンは、順調な仕上がりを見せている。最終日の午後になるまでは、積極的にロングランを実施。タイムシートでは上位に顔を出さなかったものの、着実に周回数を重ねた。結果、3日間のテストで最も多くの距離を走ったチームとなった。

 そして最終日の午後終盤には、角田がC4タイヤでフェラーリ勢に次ぐ6番手というタイムを記録。一発の速さも併せ持っていることを証明してみせた。

 マシンはフロントサスペンションに、昨年のレッドブルが採り入れた手法を採用するなど、確実に進歩しているはず。さて、どんな活躍を見せるのか?

関連ニュース:

■ウイリアムズ

Alex Albon, Williams FW45

Alex Albon, Williams FW45

Photo by: Williams F1

 ここ数年は厳しいシーズンを過ごしているウイリアムズも、今季前進する可能性の高いチームだと言われている。

 マシンは昨年型の正常進化ながらも各所に工夫の跡が見て取れ、サイドポンツーンのショルダー部分は盛り上がって、マシン後方へ向けた気流をガイドしている。

 連日タイムシートの中段に並んだだけでなく、周回数でもアルファタウリに次ぐ439周を走破し、信頼性の高さを証明すると同時に、たくさんのデータを集めた。

 ランキング最下位からの脱出なるか? また昨年FIA F2を走っていた唯一のルーキードライバーであるローガン・サージェントにも注目である。

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