スーパーGT

『12』か『1』か……来季のカーナンバーで揺れたTEAM IMPUL。御大を説得した星野一樹が思いを語る「“1”はたまらないステータス」

今季のスーパーGTでタイトルを獲得し、来季はカーナンバー1を付ける見込みのTEAM IMPUL。星野一義監督はカーナンバー12の継続使用を主張したが、息子である一樹が直談判したことで、チャンピオンナンバーを付ける流れになったようだ。

戎井健一郎

公開日時: 2022/12/17 3:21

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Kazuki Hiramine, Bertrand Baguette, Kazuyoshi Hoshino, Kazuki Hoshino, #12 カルソニック IMPUL Z

 2022年のスーパーGTでシリーズタイトルを獲得したのは、12号車カルソニック IMPUL Zの平峰一貴とベルトラン・バゲット。TEAM IMPULにとっては、前身の全日本GT選手権まで遡って実に27年ぶりの王座獲得であり、チーム、そしてファンが歓喜に包まれた。

 そんな中、オフシーズンに話題となっていたのが、彼らの来季のカーナンバー。今月初めに開催された『NISMO FESTIVAL 2022』のフィナーレでは、星野一義監督がドライバーふたりの隣に立ち、次のように挨拶していた。

「ゼッケン番号は1番も与えられますが、僕の気持ちは12番でやりたいんです。できれば12番で……いいかな? じゃあ12番で、2連覇に向けて頑張りたいと思います!」

 これに待ったをかけたのが、監督の息子であり、現在はテクニカルアドバイザー的な立場で広くチームをサポートしている星野一樹だった。彼曰く、チーム全体が来季からチャンピオンナンバーの1番を使用する機運となっていたため、監督の発言には驚かされたという。

「みんな1番だと思ってたんですよ。ドライバーも『やったね、1番だね』なんて言って。もちろん、大前提として12番も好きですけどね」

「でもいきなりニスモフェスティバルの最後に(監督が)『12で行きます』なんて言うから、え〜!?って。待て待てと。その場で監督を捕まえて撤回してほしいと言ったら、『俺は12で行きたいんだ』と。僕も『いや絶対1ですよ。負けないですよ』と言いましたが、その日はそれで終わっちゃいました」

 やはり納得できず、後日監督に電話をかけたという一樹。御大に対し、次のように訴えかけたという。

「社長、お願いしますよ。1のためだけに戦っている訳ではないけど、チャンピオンを目指して戦った結果として次の年に1を付けられるというのは、ドライバーやメカニックにとってたまらないステータスです。それを取り上げるのはせめて話し合ってからにして欲しかったですよ。お願いだから1を付けさせてください」

 

Photo by: Masahide Kamio

 その時点ではカーナンバーに関する論争は完全には決着していなかったというが、その後YouTubeチャンネル『ホシノインパル 全開魂』の生放送に親子で出演した際、改めてカーナンバーの話題に。ここで改めて、カーナンバー1を使用することをファンの前で確認した。

 その際、星野監督は「チャンピオンは自分が現役の時から何十回も獲ってるから、あえてそのままでもいいんじゃないかなって(思っていた)。なんだろう……チャンピオン慣れしてるのかもしれないけど(笑)」と話していた。“チャンピオン慣れ”という、世界中のほとんどのレーシングドライバーが口にできないであろう表現に「すごい次元の話ですけど……」と一樹も苦笑するが、改めて自分は1番を付けたいという思いが強かったと強調した。

 

Photo by: Motorsport.com / Japan

「カルソニックの1番なんか、なかなかないですから。後世にも『2023年に1番だったね。2022年にチャンピオンとったんだよね』という話にもなるし、ずっと残っていくじゃないですか」

「僕なんかGT300でしかチャンピオンを獲ってないし、(チャンピオンナンバーは)付けたくても付けられなかった。僕は純粋に1が見たかったです」

 近年は国内外の様々なモータースポーツで、ディフェンディングチャンピオンが1番などのチャンピオンナンバーを付けずに、馴染みのある番号でシーズンを戦うのが一種のトレンドになりつつある。しかし来季のスーパーGTに関しては、誇り高き“ゼッケン1”が見られることになりそうだ。

 

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