シューマッハーは努力家、ハミルトンは天才肌? かつての“戦友”マッサがふたりを分析
フェリペ・マッサは、ミハエル・シューマッハーを努力家だと評した一方で、才能という面ではルイス・ハミルトンの方が際立っていると語った。
写真:: Sutton Images
2020年のF1第12戦ポルトガルGPで、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はF1通算92勝目を挙げた。これはミハエル・シューマッハーの91勝を上回り、歴代単独トップの数字となった。
ハミルトンはこれで今季8勝目となり、ドライバーズタイトル獲得にも大きく前進した。彼が自身7度目のタイトルを獲得すれば、こちらもシューマッハーの持つ歴代最多記録に並ぶことになる。こういった背景もあって、シューマッハーとハミルトンというふたりの偉大なドライバーの比較が盛んに行なわれるようになった。
そんなふたりのどちらとも関係が深いのが、フェリペ・マッサだ。F1で通算11勝を挙げたマッサは、2006年にフェラーリでシューマッハーとチームメイトになっており、それ以前も同チームのテストドライバーとしてシューマッハーと関わっていた。また、ハミルトンとは2008年に最終戦までもつれる激しいタイトル争いを演じており、長きに渡ってトップコンテンダーとしてライバル関係にあった。
マッサはポッドキャスト番組『In the Fast Lane』の中で、シューマッハーとハミルトンを比較する上で、本来であれば両方とチームメイトの経験がある方が比較しやすいと認めたが、自分なりの見解を示した。彼曰く、シューマッハーは体力やセットアップ能力という面で彼の右に出る者はいないが、おそらく純粋な才能という面でハミルトンの方が上回っているという。
「比べるのはとても難しいよ」
マッサはそう語った。
「僕はルイスと同じチームでレースをしたわけじゃないんだ。ふたりとも同じマシンに乗って、データを理解した上で比較しないといけないんだ」
「でも、ふたりとも素晴らしいドライバーで、才能に溢れていて、多くの面で完璧だ。そしてそれぞれが異なっている」
「技術面ではミハエルの方が上だと思う。ルイスがエンジニアと仕事をしている中で、技術面を全て理解しているとは思えないし、彼は(マシンのことを)100%知ってるとは思えない。でも才能と速さはあるね……」
「フィジカル面でもミハエルはかなりトレーニングを積んでいたし、技術面でも優れていた。(ハミルトンの)トレーニングのことは正確には把握していないけど、技術面もそれほどだったと思うよ」
「でも、彼はあらゆることを完璧な形で成し遂げる。おそらく才能という面では(シューマッハーを)上回っているんだろう。それほど一生懸命でなくても、何でも完璧にこなしてしまうんだ」
またマッサは、ハミルトンの才能は2007年にF1デビューを果たした時から明らかだったと付け加えた。ハミルトンはマクラーレンからデビューし、チームメイトで2度のワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソ、そしてフェラーリのキミ・ライコネンとその年の最終戦までタイトルを争った。
「ルイスが非常に才能あるドライバーであることは、彼がF1にきた時から明らかだった」とマッサ。
「彼はいくつかミスがあって2007年に勝てなかった(タイトルを獲れなかった)。少しだけ経験が足りなかったのかもしれない」
「中国GPではピットに向かう際に、ランオフエリアに止まってしまったことを覚えている。最終的に彼はそういったミスのせいで、タイトルを獲得できなかった」
「でも彼は才能があることを示した。彼は自分が他のドライバーとは違うこと、どんなドライバーにも勝てることを示してくれた。彼は1年目にして、アロンソでさえも驚くような才能を持っていることを証明したんだ……1年目でアロンソを倒したんだからね」
「最終的には数字が彼の能力を表している。彼は勝利数でF1の記録を作って、タイトルの数も今年でミハエルに並ぶだろうし、F1のあらゆる記録を破ろうとしている。だから彼の信じられない記録の数々はこれからも彼の才能を示し続けるだろう」
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