BMWは2020年のGT500参戦を検討していた……Team Studie鈴木代表が現状を語る
2020年からスーパーGTでもClass1規定が導入されたことで、ドイツツーリングカー選手権(DTM)で活躍するBMWがGT500クラスへの参入を本格的に検討しているようだ。
写真:: Masahide Kamio
今シーズン、スーパーGT(GT300)に復帰を果たすBMW Team Studieの鈴木康昭代表は、昨年の夏の段階ではClass1規定で製作されたBMWの車両でGT500クラスに参戦する可能性があることを明かしていた。
昨年と一昨年は日本のシリーズを離れ、GTワールドチャレンジアジア(旧ブランパンGTアジア)のGT4クラスに参戦していたBMW Team Studie。今季はスーパーGTでは大ベテランとなる荒聖治と、ポルシェカレラカップジャパンで活躍する山口智英の提案を受け、M6 GT3を使って再びGT300で戦うことになった。
鈴木代表によると、現体制の話が始まったのは2019年秋頃とのことだったが、実はその前には2020シーズンに向けて“もうひとつのオプション”があったという。それがBMW車両でのGT500クラス参戦というものだ。
3月に行なわれた岡山公式テストのパドックでも、鈴木代表はこのように語った。
「(2020年に)Class1規定になるGT500に出るという話を水面下で進めてきていました。ただ、昨年の夏ぐらいにBMW側から“2020シーズンのGT500参戦は見送り”という通達を受けました。そこから何をしようかというのを考え出した時に、今の体制に関する話が出てきたので、M6 GT3でスーパーGTを戦い、M4 GT4でスーパー耐久に出ることになりました」
10年ほど前から話し合いが始まっていたスーパーGTとドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)の共通車両規則の制定。試行錯誤を繰り返し、ようやく2018年に統一規則が完成。DTMでは昨年から同規則に準拠した車両が登場した。そしてスーパーGTでも新型車両に入れ替わる2020シーズンから導入。これにより、DTM車両がスーパーGTのGT500クラスに参戦することも可能となったのだ。
Team Studieはここ数年でBMWモータースポーツとの関わりを強めており「将来的にBMWのGT500クラス参戦もあり得るのではないか?」という噂は、以前から囁かれていた。
鈴木代表によるとBMW本社側もスーパーGTへの参画に対して非常に大きな興味を示しているそうだが、規則が統一されたからと言って簡単に参画できるという事でもないようだ。
「本国のBMWは不思議なほど(GT500を)やりたがっているんですよ。しかしレギュレーションは統一されましたが、そこに対する解釈が日本側とドイツ側であまりにも異なっていて……難しいものだなと感じています。そこの足並みが揃わないと(GT500に)出ていけないなという感じです」
「またDTMの車両がスーパーGTに出るという話だけ先に進められない部分もあります。(同じように)スーパーGTの車両がDTMに出るという話も並行して進めていかなければいけないと考えています。その辺の足並みを揃えるのが難航している状況ですね」
「今のところは(GT500参入の)可能性はゼロではないですが、それが2021年になるのか、2022年になるのか……まだ分からない状態です」
そう語った鈴木代表。特にスーパーGTの場合は複数のタイヤメーカーが参入していることもあり、もし参戦するとなれば、タイヤメーカーの選定や開発テストも進めていかなければならない。そうすると、かなり前の段階から準備をしていく必要があるというのも難点のひとつだと挙げた。
さらに先日、DTMでBMW勢のライバルであるアウディが今季限りで同シリーズから撤退することを発表した。3月の時点ではBMW側もGT500への参入に対して前向きな意見をもっていたのだが、今後はどのような動きになっていくのか……しばらく状況を見守る必要がありそうだ。
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