環境に配慮できないからレース中止? Jujuら参戦のユーロフォーミュラ・オープン、伝統のポーGPキャンセルを発表「主催者の望む燃料に適合できない」
ユーロフォーミュラ・オープンは、2023年の第2ラウンドとして予定していたポーGP開催を「技術的な理由」により辞退せざるを得なくなったと発表した。
ユーロフォーミュラ・オープン(EFO)は5月5日、翌週に開催予定となっていた第2戦ポーGPの開催見送りを発表した。
F3カテゴリーに分類されるユーロフォーミュラ・オープンは、かつては角田裕毅らも参戦し、今季はJuju(野田樹潤)がエントリーしているジュニアカテゴリーのひとつ。その開催カレンダーの中には、F1(ノンタイトル戦)、F2、F3000、F3などのレースとして開催されてきた伝統の“ポーGP”がシリーズ2戦目に組み込まれていた。
近年はFIA eツーリングカー世界選手権(ETCR)なども開催していたポーGPでは、燃料メーカーのスポンサードを得たこともあり、より環境に優しい、二酸化炭素排出量を抑えたイベントの開催を目指していた。そして記念すべき第80回大会となる今回のイベントにおいては「ヨーロッパにおける、持続可能なモビリティ社会に向けての革新や挑戦の見本市として、これまで以上にその存在をアピールしたい」と公式サイトにも記していた。
ただETCRは事実上のシリーズ崩壊状態にあり、その他のシングルシーター選手権の関心も得られなかった。そのため引き続きEFOのレースが行なわれることになり、ETCRの代替としてTCRヨーロッパが組み込まれた。
2023年のポーGPにおいて主催者はバイオ燃料を使用することを必須要件として求めていたようだが、EFOは燃料に適合することができないことを理由に、レースのキャンセルを決断した。またEFOによると、彼らがポーGPへの参加に同意した際、燃料の要件は契約に含まれていなかったという。
EFOが発表した声明には、こう記されている。
「技術的な理由により、ユーロフォーミュラ・オープンの現行エンジンでは、グランプリの主催者やスポンサー、ポー市が求める、“環境に優しい”燃料での二酸化炭素排出量の少ないイベントに適合することはできないことが分かった」
「こういった要件は、ポーGP側と交わした契約には含まれていなかった」
「検証の結果、エンジンを(バイオ燃料に)安全かつ効果的に適合させるためにはさらなるエンジニアリング作業やコストのかかる修正、テストが必要だと判明した。このため、今ラウンドを別の開催地と日程にすることを余儀なくされた。日程は決まり次第すぐに発表する」
またEFOは、タイヤメーカーのハンコックが大規模な工場火災に見舞われたことにより、タイヤが供給されるのかどうかという問題にも直面している。ちなみに開幕戦ポルティマオの際には少なくとも序盤2ラウンド分のタイヤの用意があることが確認されていたようで、ポーGPの中止に伴って5月末のスパラウンドは問題なく開催できそうだ。
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