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いろんな夢・目標が現実のモノになった……今年忘れられないモータースポーツの”一瞬”は何?|読者が選ぶベストモーメント2025

2025年のモータースポーツは、実に様々な出来事が起きた。その中から、読者の皆様にいただいた投票数トップ5を選出。あなたの最も思い出に残っている出来事は、この中に入っていますか?

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

写真:: Mario Renzi - Formula 1 - Getty Images

 読者の皆さんからお寄せいただいた2025年のモータースポーツ”ベスト・モーメント”5選を発表いたします。2025年も様々なシーンがありましたが、皆さんの”ベスト・モーメント”はここに含まれておりますでしょうか?

 それではまいりましょう。

5位:ニコ・ヒュルケンベルグが初表彰台獲得

Nico Hulkenberg, Sauber

Nico Hulkenberg, Sauber

写真: Andy Hone / LAT Images via Getty Images

 F1界の三大不思議のひとつだと言っては、言い過ぎであろうか? あれほどの才能の持ち主がここまで表彰台を獲得できなかったのは、まさに不思議でしかない。

 ヒュルケンベルグがデビューしたのは、2010年のことだった。前年のGP2チャンピオンという肩書きを引っ提げ、ウイリアムズのシートを掴んだのだ。その年の第18戦ブラジルGPでは、雨が絡む難しいコンディションの中でポールポジションを獲得。非力なマシンながら、その才能の一端を垣間見せた。

 その後フォースインディア→ザウバー→フォースインディア→ルノー→レーシングポイント→アストンマーティン→ハース→ザウバーと渡り歩いた。確かにトップチームのマシンに乗るチャンスはなかったが、一度も表彰台を手にしたことはなかった。これだけ出ていれば、1回くらいと思ってしまうところだが……それほどF1での表彰台獲得は難しいということを、具現化した事例といえよう。

 F1参戦239戦目のことであった。イギリスGPである。

 このレースは雨がらみだったが、ヒュルケンベルグがドライタイヤに交換するタイミングが、まさにインターミディエイトタイヤ向けからドライタイヤ向けにコンディションが変わる絶妙なタイミングであった。その一瞬を読み切り、そしてタイヤ交換後の1周を優れたペースで走ったことが、3位表彰台を手繰り寄せた。執念の1ラップと言えた。

 ちなみにヒュルケンベルグは、2015年にはル・マン24時間レースに出走している。結果は優勝。世界3大レースのひとつに数えられるル・マンに突如出て、いきなり優勝とは……まさに運命の悪戯を感じさせずにはいられない。

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4位:ランド・ノリスが2025年のF1チャンピオンに輝く

Lando Norris, McLaren

Lando Norris, McLaren

写真: Sam Bagnall / Sutton Images via Getty Images

 2025年のF1王者は、マクラーレンのランド・ノリスである。

 ノリスはシーズン序盤、チームメイトのオスカー・ピアストリに圧倒され、サポートに回るのは時間の問題であるかのようにも見えた。しかしピアストリは後半失速。代わって最大のライバルとなったのは、夏休み明け以降急激な追い上げを見せたレッドブルのマックス・フェルスタッペンであった。

 しかしノリスはこのフェルスタッペンの猛攻撃を凌ぎ切り、最終的には2ポイント差で初のドライバーズタイトルに輝いた。

 これほどまでに僅差の戦いになったのは、マクラーレンがふたりのドライバーを対等に扱ったこと……いわゆるパパイヤルールの存在があったからだと言われることが多い。しかしこのパパイヤルールがあったから、ノリスはタイトルを獲れたとも言えるのではないか。

 もしパパイヤルールがなければ、チームは選手権をリードしていたピアストリを優先し、ノリスにサポート役を務めさせたはずだ。前述の通りシーズン後半が始まった段階では、ピアストリが圧倒的優位に立っていたわけだから。

 ノリスにとってはパパイヤルールの存在は、実は”ありがたいもの”であったのかもしれない。

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3位:マルク・マルケスがドゥカティでチャンピオンに

Worldchampion Marc Marquez, Ducati Team

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写真: Ducati Corse

 ホンダ時代には圧倒的なパフォーマンスを見せ、次々にMotoGPタイトルを獲得したマルク・マルケス。しかしホンダの低迷、そして自身の怪我もあり、長くタイトル争いからは遠ざかっていた。

 そんなマルケスは2024年にドゥカティ陣営に移籍し、2025年はファクトリーチームのシートを射止めた。すると前年王者のフランチェスコ・バニャイヤを圧倒。まさに連戦連勝で、他の追随を許さなかった。

 そして第17戦日本GPで今シーズンのタイトル獲得を決定。この時点ではまだ5戦が残っているという、圧倒的な強さであった。

 しかしここでチャンピオンを決めておいてよかった。続くインドネシアGPの決勝でマルケスは、アプリリアのマルコ・ベッツェッキに追突される形で転倒。骨折してしまい、残りのレースを全て欠場することになった。だから日本GPでしっかりフィニッシュしてタイトルを決められたことは、不幸中の幸いだったとも言える。

 マルケスは既に復活に向け、バイクにもまたがるなど準備を始めている。2026年、再び強いマルケスを見られることだろう。その勢いを止めるライバルは現れるのだろうか?

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2位:岩佐歩夢、スーパーフォーミュラのチャンピオン獲得

Ayumu Iwasa, TEAM MUGEN

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 まさに劇的な最終”3連戦”であった。

 今季のスーパーフォーミュラは、富士スピードウェイでの開催が悪天候に見舞われたため、最終鈴鹿ラウンドは、なんと3レースを行なう異例のスケジュールとなった。

 この時点でランキング首位に立っていたのが前年王者の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)と太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がこれを追っていたが、ポイント差は14.5もあり、坪井の圧倒的有利という状況は揺るがなかった。

 しかし予選では岩佐が圧倒的速さを見せ、2戦でポールポジションを獲得(3連戦のうち1戦は、富士スピードウェイでの予選結果が採用されていた)。猛烈にプレッシャーをかけた。

 しかしPPからスタートした3連戦の初戦、岩佐の加速は優れず、S字で防戦一方に。そこでイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)と接触してリタイア。これで万事休すかと思われた。しかしランキング首位の坪井が優れなかったこと、3連戦中2戦目では岩佐が4位に入ったことで、混沌とした状況下で最終戦を迎えた。

 岩佐はここもポールポジションからスタートしながら、行き足が鈍る。しかしチームメイトの野尻智紀がサポートして後続を抑えると、岩佐が首位をキープした。最終的にはSF初優勝を目指す佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)との激しい神経戦となったが、岩佐が逃げ切り優勝。大逆転でのチャンピオン獲得となった。

 岩佐は今季、SFに参戦しつつも、F1のリザーブドライバーやシミュレータドライバーを務め、まさに世界中を飛び回った。その中でのチャンピオン獲得は、多いに価値のある結果だったといえよう。

 ちなみにF1最終戦のアブダビGPではFP1ではレーシングブルズのマシンで走り、グランプリ後のテストではレッドブルのマシンを走らせた。その後踵を返して日本に戻り、スーパーフォーミュラのテストに参加。少しでも長くステアリングを握るために、羽田空港から鈴鹿サーキットまでヘリを飛ばしたというのは、後々語り継がれる伝説となろう。

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1位:角田裕毅のレッドブル昇格

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing

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写真: Red Bull Content Pool

 突然の知らせだった。第3戦日本GPから、突如レッドブルのマシンに角田裕毅が乗ることが発表されたのだ。これは角田がレーシングブルズでの2戦で素晴らしい走りを披露したこと(戦略ミスでビッグポイントには繋がらなかったが)、そして今季のレッドブルのシートを射止めたリアム・ローソンが、開幕2戦で大不振に陥ってしまったことが原因だ。

 日本人ドライバーが紛れもないトップチーム……チャンピオンを争えるパッケージのチームに加わるのは史上初。このことに、日本のファンは大いに湧き立った。

 レッドブル加入から順調にチームに馴染み、パフォーマンスを上げていたように見えた角田。しかしシーズン中盤にはクラッシュによって最新パーツを壊してしまい、そのパーツが届くまでは苦戦を強いられた。最新パーツを手にすると、今度はチームとのコミュニケーションミスや戦略ミスなどが相次ぎ、ポイントを獲得できないレースが続く……終盤には何度か入賞したものの、チームメイトであるマックス・フェルスタッペンとのポイント差はあまりにも大きく、今シーズン限りでレギュラーシートを失うことになってしまった。

 ただスプリント予選でフェルスタッペンを上回るなど、光るところも見せた。2026年はひとまずレギュラーシートを失うが、いつかまたF1の世界で輝く日が来ることを願う。

 この角田のレッドブル昇格が、読者の皆さんから寄せられた今季のベストモーメントで最多の得票数となった。中には「いい夢を見させてもらった」とコメント付きで投票してくれた人もいた。

 いや「夢」ではなく、「現実」として角田が、日本人ドライバーがF1のトップを争う、そういう日が来ることを願う。

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