2026年のF1勢力図が見えてきた!? テストのベストタイム&周回数データ総覧。メルセデスとフェラーリが主役か……アストン・ホンダ大苦戦
2026年のF1プレシーズンテストは全日程が終了。正確な勢力図は開幕まで分からないが、周回数とベストタイムを見れば、順調なチームがどこか、そうでないチームがどこなのかが見えてくる。
写真:: Guido De Bortoli / LAT Images via Getty Images
レギュレーションの大幅変更のあった2026年シーズンのF1は、バルセロナとバーレーンで計3回、計11日間のプレシーズンテストが実施された。近年でこれほどの日数でテスト日程が組まれるのは異例であり、バルセロナでの最初のテストは非公開のシェイクダウンテストと銘打たれ、各チームは5日間の内最大3日間を活用して、新世代F1マシンの初期チェックに充てた。
これだけ多く周回を重ねたとはいえ、あくまでテストはテスト。本当の勢力図はシーズンが開幕してみないと分からないのが常だ。ただそれでも、テストで各車が記録したベストタイムや周回数のデータを見ていくと、順調にテストを進めたチームとそうでないチームが浮かび上がってくる。今回はそういった各種データを通して、各陣営の仕上がりを確認していく。
フェラーリ速し
写真: Giuseppe Cacace - AFP - Getty Images
もし、テストのタイム通りの勢力図になるのだとしたら、フェラーリは復活を果たすことになる。2024年にはコンストラクターズチャンピオンまであと一歩というところに迫ったフェラーリだが、昨年は未勝利でランキング4位。ただ今回のテストは、バルセロナテストでルイス・ハミルトンが、バーレーンテストでシャルル・ルクレールが総合トップタイムをマークした。しかもルクレールのタイムは、2番手以下にコンマ8秒もの差をつけている。
ただ前述の通り、各チームが本気を見せているかどうかは神のみぞ知る状況。フェラーリもおちおち喜んでいられない。
また昨年のバーレーンテスト最速タイムは、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.の1分29秒348であるのに対し、今年のルクレールのタイムは1分31秒992で約2.5秒も速かった。これが新旧F1マシンの絶対的な性能差なのか、エネルギーマネジメントの理解が深まれば縮まる差なのかも興味深いところ。ピレリによると、バーレーンGPは昨年と同水準のラップタイムになるという分析結果も出ているという。
バルセロナシェイクダウンテスト
| 順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ハミルトン | フェラーリ | 209 | 1'16"348 |
| 2 | ラッセル | メルセデス | 265 | 1'16"445 |
| 3 | ノリス | マクラーレン | 163 | 1'16"594 |
| 4 | ルクレール | フェラーリ | 231 | 1'16"653 |
| 5 | アントネッリ | メルセデス | 237 | 1'17"081 |
| 6 | ピアストリ | マクラーレン | 128 | 1'17"446 |
| 7 | フェルスタッペン | レッドブル | 145 | 1'17"586 |
| 8 | ガスリー | アルピーヌ | 231 | 1'17"707 |
| 9 | ハジャー | レッドブル | 158 | 1'18"159 |
| 10 | オコン | ハース | 243 | 1'18"393 |
| 11 | ベアマン | ハース | 148 | 1'18"423 |
| 12 | リンドブラッド | レーシングブルズ | 167 | 1'18"451 |
| 13 | ローソン | レーシングブルズ | 152 | 1'18"840 |
| 14 | コラピント | アルピーヌ | 118 | 1'19"150 |
| 15 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 145 | 1'19"870 |
| 16 | ボルトレト | アウディ | 90 | 1'20"179 |
| 17 | アロンソ | アストンマーティン | 61 | 1'20"795 |
| 18 | ボッタス | キャデラック | 87 | 1'20"920 |
| 19 | ペレス | キャデラック | 77 | 1'21"024 |
| 20 | ストロール | アストンマーティン | 5 | 1'46"404 |
バーレーンテスト1回目
| 順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | タイヤ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アントネッリ | メルセデス | 94 | 1'33"669 | C3 |
| 2 | ラッセル | メルセデス | 188 | 1'33"918 | C3 |
| 3 | ハミルトン | フェラーリ | 202 | 1'34"209 | C3 |
| 4 | ルクレール | フェラーリ | 219 | 1'34"273 | C3 |
| 5 | ピアストリ | マクラーレン | 215 | 1'34"549 | C3 |
| 6 | ノリス | マクラーレン | 207 | 1'34"669 | C2 |
| 7 | フェルスタッペン | レッドブル | 197 | 1'34"798 | C3 |
| 8 | ベアマン | ハース | 200 | 1'35"394 | C3 |
| 9 | ハジャー | レッドブル | 146 | 1'35"561 | C3 |
| 10 | オコン | ハース | 190 | 1'35"578 | C3 |
| 11 | コラピント | アルピーヌ | 172 | 1'35"806 | C3 |
| 12 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 178 | 1'36"291 | C3 |
| 13 | ボルトレト | アウディ | 176 | 1'36"670 | C3 |
| 14 | ガスリー | アルピーヌ | 146 | 1'36"723 | C3 |
| 15 | アルボン | ウイリアムズ | 208 | 1'36"793 | C3 |
| 16 | ローソン | レーシングブルズ | 169 | 1'36"808 | C3 |
| 17 | ボッタス | キャデラック | 153 | 1'36"824 | C3 |
| 18 | サインツ | ウイリアムズ | 214 | 1'37"186 | C2 |
| 19 | ペレス | キャデラック | 167 | 1'37"365 | C3 |
| 20 | リンドブラッド | レーシングブルズ | 158 | 1'37"470 | C3 |
| 21 | ストロール | アストンマーティン | 108 | 1'38"165 | C3 |
| 22 | アロンソ | アストンマーティン | 98 | 1'38"248 | C3 |
バーレーンテスト2回目
| 順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | タイヤ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ルクレール | フェラーリ | 202 | 1'31"992 | C4 |
| 2 | アントネッリ | メルセデス | 197 | 1'32"803 | C3 |
| 3 | ピアストリ | マクラーレン | 222 | 1'32"861 | C3 |
| 4 | ノリス | マクラーレン | 173 | 1'32"871 | C3 |
| 5 | フェルスタッペン | レッドブル | 204 | 1'33"109 | C3 |
| 6 | ラッセル | メルセデス | 235 | 1'33"197 | C3 |
| 7 | ハミルトン | フェラーリ | 122 | 1'33"408 | C3 |
| 8 | ガスリー | アルピーヌ | 179 | 1'33"421 | C5 |
| 9 | ベアマン | ハース | 199 | 1'33"487 | C4 |
| 10 | ボルトレト | アウディ | 171 | 1'33"755 | C4 |
| 11 | コラピント | アルピーヌ | 180 | 1'33"818 | C5 |
| 12 | ヒュルケンベルグ | アウディ | 186 | 1'33"987 | C4 |
| 13 | リンドブラッド | レーシングブルズ | 240 | 1'34"149 | C4 |
| 14 | オコン | ハース | 205 | 1'34"201 | C4 |
| 15 | ハジャー | レッドブル | 125 | 1'34"260 | C4 |
| 16 | サインツ | ウイリアムズ | 196 | 1'34"342 | C5 |
| 17 | ローソン | レーシングブルズ | 167 | 1'34"532 | C4 |
| 18 | アルボン | ウイリアムズ | 172 | 1'34"555 | C5 |
| 19 | ボッタス | キャデラック | 131 | 1'35"290 | C3 |
| 20 | ペレス | キャデラック | 135 | 1'35"369 | C5 |
| 21 | ストロール | アストンマーティン | 32 | 1'35"974 | C3 |
| 22 | アロンソ | アストンマーティン | 96 | 1'36"536 | C3 |
メルセデス、ハース、フェラーリが6,000km超え
写真: Guido De Bortoli / LAT Images via Getty Images
テストでは、速いタイムを出すことが優先事項というわけではない。むしろできるだけ多くの周回を重ねることが何より求められる。その点では、走行距離でトップ3に入ったメルセデス、ハース、フェラーリは順調だと言える。
上記3チームは、いずれも合計6,000kmを走破。メルセデスとフェラーリは長年のトップチームであるため驚きではないが、ハースがここに食い込んできたことは印象的だ。もちろん、周回数がそのまま速さに直結するわけではなく、ハースは引き続き中団グループに属すると予想されているが。
マクラーレンもバルセロナでは出遅れたが、バーレーンでかなりのマイレージを稼いだ結果、5,777kmで4番手につけた。レーシングブルズ、アルピーヌ、レッドブル、アウディはいずれも5000km前後でまずまずの距離。レッドブルとレーシングブルズ、そしてアウディは今季から自社製パワーユニットを投入していることを考えると、特筆すべき数字と言える。またウイリアムズも4,276kmで9番手に終わったが、バルセロナテストで不参加だったことを考えると十分すぎる周回数だ。
一方で新規参戦キャデラックとアストンマーティンは、ほぼ毎日のようにトラブルに見舞われたことで走行距離ランキングで下位に。特にアストンマーティンはかなり厳しい状況であり、バルセロナテストは1日強しか走れなかった上に、バーレーンテスト最終日はホンダ製パワーユニットに関する問題でわずか6周するのみに終わった。走行距離はメルセデスに対してほぼ3倍の差をつけられており、ブービーのキャデラックにさえもダブルスコア近い差をつけられてしまっている。
ドライバー別走行距離(単位はkm)
| ドライバー | チーム | バルセロナ | バーレーン | バーレーン2 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| ラッセル | メルセデス | 1234 | 1018 | 1271 | 3523 |
| ルクレール | フェラーリ | 1076 | 1185 | 1093 | 3354 |
| オコン | ハース | 1138 | 1028 | 1110 | 3269 |
| ピアストリ | マクラーレン | 596 | 1164 | 1202 | 2961 |
| リンドブラッド | レーシングブルズ | 778 | 855 | 1299 | 2932 |
| ベアマン | ハース | 689 | 1082 | 1077 | 2849 |
| フェルスタッペン | レッドブル | 675 | 1066 | 1104 | 2846 |
| ガスリー | アルピーヌ | 1076 | 790 | 969 | 2835 |
| ノリス | マクラーレン | 759 | 1120 | 936 | 2816 |
| ハミルトン | フェラーリ | 973 | 1093 | 660 | 2727 |
| アントネッリ | メルセデス | 1103 | 509 | 1066 | 2679 |
| ヒュルケンベルグ | アウディ | 675 | 963 | 1007 | 2645 |
| ローソン | レーシングブルズ | 708 | 915 | 904 | 2526 |
| コラピント | アルピーヌ | 550 | 931 | 974 | 2455 |
| ボルトレト | アウディ | 419 | 953 | 926 | 2297 |
| サインツ | ウイリアムズ | 0 | 1158 | 1061 | 2219 |
| ハジャー | レッドブル | 736 | 790 | 677 | 2203 |
| アルボン | ウイリアムズ | 0 | 1126 | 931 | 2057 |
| ペレス | キャデラック | 359 | 904 | 731 | 1993 |
| ボッタス | キャデラック | 405 | 828 | 709 | 1942 |
| アロンソ | アストンマーティン | 284 | 815 | 520 | 1334 |
| ストロール | アストンマーティン | 23 | 608 | 173 | 781 |
チーム別走行距離
| チーム | パワーユニット | バルセロナ |
バーレーン |
バーレーン2 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| メルセデス | メルセデス | 2338 | 1526 | 2338 | 6202 |
| ハース | フェラーリ | 1821 | 2111 | 2186 | 6118 |
| フェラーリ | フェラーリ | 2049 | 2279 | 1753 | 6081 |
| マクラーレン | メルセデス | 1355 | 2284 | 2138 | 5777 |
| レーシングブルズ | レッドブル・フォード | 1486 | 1770 | 2203 | 5458 |
| アルピーヌ | メルセデス | 1625 | 1721 | 1943 | 5289 |
| レッドブル | レッドブル・フォード | 1411 | 1856 | 1781 | 5048 |
| アウディ | アウディ | 1094 | 1916 | 1932 | 4942 |
| ウイリアムズ | メルセデス | 0 | 2284 | 1992 | 4276 |
| キャデラック | フェラーリ | 764 | 1732 | 1440 | 3935 |
| アストンマーティン | ホンダ | 307 | 1115 | 693 | 2115 |
メルセデスPUが地球を半周
写真: Steven Tee / LAT Images via Getty Images
パワーユニットメーカー別の走行距離では、最多の4チームに供給しているメルセデスがトップに立つのはある意味当然だ。メルセデスPU搭載車は合計で20,000km以上を走ったことになり、地球半周分の距離を走ったことになる。
ただ1チーム平均の走行距離で見てみると、メルセデス、3チーム供給のフェラーリ、2チーム供給のレッドブル・フォード・パワートレインズの3社に大差はない。アウディも4,942kmと、ライバルと遜色ない水準の数字を残している。
そして前述の通りテストで大苦戦したアストンマーティンに今季からPUをワークス供給しているホンダは、このリストの最下位に。ホンダにとって、F1正式復帰初年度は厳しすぎる船出となっている。
PUメーカー別走行距離
| パワーユニット | バルセロナ |
バーレーン |
バーレーン2 | 合計 | 1チーム平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| メルセデス | 5318 | 7815 | 8410 | 21544 | 5386 |
| フェラーリ | 4615 | 6121 | 5380 | 16116 | 5372 |
| レッドブル・フォード | 2897 | 3626 | 3983 | 10506 | 5253 |
| アウディ | 1094 | 1916 | 1932 | 4942 | 4942 |
| ホンダ | 307 | 1115 | 693 | 2115 | 2115 |
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