”ホンダ製”PU、2025年までF1を戦うことが決定! HRC、レッドブルの要請を受け技術サポート継続へ
ホンダはF1の2025年シーズンまで、HRC(ホンダ・レーシング)がレッドブル・パワートレインズへのパワーユニット技術サポート継続することを発表した。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
8月2日(月)、ホンダのモータスポーツ活動を統括するホンダ・レーシング(HRC)はレッドブル・グループの要請を受け、パワーユニット(PU)の技術サポートを2025年シーズン末まで継続することで合意したと発表した。
2021年シーズン末をもってF1から撤退したホンダF1。今シーズンからレッドブル・グループの傘下にあるレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリは、レッドブル・パワートレインズ(RBPT)のPUを搭載し、レースを戦っている。ただ名称はRBPTとなったものの、そのPU自体は”ホンダ製”であり、今年もHRCがPUに関する支援を行なっている。
レッドブル・グループは次世代PUレギュレーションが導入される2026年シーズンから、ポルシェと提携を結ぶことが確実視されており、モロッコの反カルテル機構が公開した文書でも、それが明らかになっている。しかもポルシェは、レッドブルが持つF1事業の50%を取得することも視野に入れていると言われる。
ただそれは2026年からの話であり、それまでは現行のPUレギュレーションが継続され、開発も凍結されている。これまではHRCがRBPTに対するPU技術の支援を行なうのは2022年までとされていたが、今回の発表により、2023年以降の3年間も技術サポートが継続されることになったわけだ。
これによりHRCは2025年シーズンまで、日本は栃木県さくら市にあるHRC Sakura(旧本田技術研究所 HRD Sakura)でエナジー・ストアを除くPUコンポーネントの組み立てや運用、メンテナンス、開発凍結下でも許可されている信頼性面での改善などを行ないながら、併設されているミッションコントロール室から、そして交代制で現地にエンジニアを派遣することで、2チーム4マシンをサポートしていくことになる。
今回の発表について、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは次のように語っている。
「これからも一緒に戦っていきたいという我々の要請に対して、ホンダがいい形で応えてくれたことを本当に嬉しく思う。ホンダのPUで2025年シーズンまで戦い続けられることはとても心強い」
「我々はここまで、素晴らしいパートナーシップを築いており、昨年はドライバーズチャンピオンを獲得する事ができた。今年も現時点でタイトル争いをリードしているから、ドライバーとチームのダブルタイトルを目指して戦い続けていく」
また、レッドブル・レーシングのチーム代表とRBPTのCEOを兼任するクリスチャン・ホーナーは、こう語っている。
「レッドブル・グループとホンダのパートナーシップは、ここまで多くの成功を収めてきた。現行PUレギュレーションが終了する2025年シーズンまで彼らと一緒に戦えることを、非常に嬉しく思っている」
Koji Watanabe, HRC CEO
Photo by: Motorsport.com / Japan
今回のPU技術サポートの延長に関し、HRC代表取締役社長の渡辺康治もコメント。F1撤退の理由でもあるカーボンニュートラルへの取り組みに向けたリソースの移動を完了した現時点でも、PUの開発が凍結されていることから2チーム4台のPU運営を支援可能だということが合意に至った要因だと明かした。
「今回、レッドブル・グループから支援延長の要請を受けて2025年シーズンまでRBPTに対してHRCを通じてF1 PUに関する技術的な支援を継続することになりました」と渡辺社長は語る。
「現行のレギュレーション下では2025年シーズンまでのPUを開発するためのリソースは不要ですので、現在のHRCの体制でもそのリクエストに応えられると判断しました」
「四輪モータースポーツの世界最高峰カテゴリーにおけるレッドブル・グループのチャレンジするこの機会を通じて、HRCの人と技術を一層磨き上げてまいります」
渡辺社長は、7月上旬にレッドブルのお膝元であるレッドブルリンクで行なわれたオーストリアGPに、ホンダの三部敏宏社長らを伴って姿を現している。しかし今回のPU技術サポートの契約延長は、訪問よりも前の段階から決定していたことだという。
また、今年はテクニカルサプライヤーとしてレッドブルとアルファタウリのマシンにHRCのロゴが貼られているが、来季については「ロゴ等の訴求については、少し変更を加えたいなと思っています」として、次のように続けた。
「2023年以降の供給契約は行ないましたが、マーケティング契約のところはこれから議論していくところなので、期待していて下さい」
レッドブルがポルシェと組むという報道がある一方で、2026年以降に再びホンダがF1へ戻ってくるのではないかという話題も巷を賑わせている。渡辺社長は、F1は「継続的に人と技術を鍛えられる」場だとしており、知見や技術を手放してしまうことで生まれる損失の大きさを理解している。
Sakuraに備わっているPU運用のためのテストベンチやミッションコントロールなどの設備は、2026年以降どうしていくのかと尋ねられると、渡辺社長は次のように答えた。
「(契約を)延長したということで、2025年まではしっかり有効活用はしていくということです」
「それ以降、我々HRCとしてモータースポーツ活動は非常に大事になりますので、2025年の後にどういうモータースポーツ活動をしていくかというのは、今後検討していきます」
「そこで当然、設備を参戦カテゴリーに合わせて使用していくという形になります」
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