2009年F1王者バトン「ハミルトンには力強いチームメイトが必要。例えば……」
2009年のF1王者であるジェンソン・バトンは、ルイス・ハミルトンが引退する前に力強いチームメイトと組むことが、F1には必要だと考えている。


今年も圧倒的な強さを見せている、メルセデスのルイス・ハミルトン。ハミルトンは早ければ今週末のトルコGPで、今季のチャンピオン獲得を決める可能性がある。
Read Also:
ハミルトンが今シーズンの王者に輝けば、通算7度目。これは、ミハエル・シューマッハーが持つ、タイトル獲得回数の最多記録に並ぶということを意味する。
ハミルトンは今季ここまで9勝。同じマシンに乗るチームメイトのバルテリ・ボッタスは、唯一ハミルトンに挑むことができる存在と言えるが、ここまで2勝と大きく差をつけられている。
2009年にブラウンGPのマシンを駆り、チャンピオンに輝いたジェンソン・バトンは、翌年マクラーレンに移籍。ハミルトンのチームメイトを務めた。バトン+ハミルトンのコンビは3年間続いたが、いずれの年もふたりの獲得ポイントは接近。2011年にはバトンがハミルトンのランキングを上回った。
そのバトンは、それぞれの時代を比較するのは難しいため、F1歴代の偉人の中でハミルトンがどのポジションに位置するのか……それを判断するのは難しいとしながらも、強力なチームメイトが現れない限り、ハミルトンの勝利数やチャンピオン獲得数が止まることはないだろうと語る。
「記録を比較するのは、難しいモノだ」
バトンはそうmotorsport.comに対して語った。
「僕らはみんな数字が好きだし、数字で打ち負かすのが好きだ。でも、比較するのは本当に難しいんだ」
「言えるのは、彼(ハミルトン)は最高の仕事をし、チームも素晴らしい仕事をしたということだ。彼らは、このハイブリッド時代に負けていない。ルイスも、1回タイトルを逃しただけで、その他は全て勝ち獲っている」
「それが今後変わるとは思わない。彼が引退するまで、あるいは本当の意味で彼にチャレンジできるチームメイトが現れるまで、この状況は続くと思う」
「彼は間違いなく、これまでのチームメイトから学び取ってきた。今の彼は間違いなく、僕らがチームメイトだった時代よりも一回り成長したドライバーだ。しかしマックス(フェルスタッペン)のようなチームメイトがいたら、今のルイスとはまた違ったドライバーになっているだろう」
「彼にはそういうチャレンジが必要なんだ。そうでなければ彼は同じ戦いを続け、チャンピオンを勝ち獲り続けることになるだろう」
「彼は、彼とメルセデスに挑戦する誰かを必要としている。現状を彼らのせいにすることはできない。誰よりも速いドライバーを確保していた方が、戦いは楽になるんだからね」
「バルテリ(ボッタス)は予選でルイスに近付き、時には上回ることもできる。それは承知している。でもレースペースの比較では、ふたりは程遠いところにいる」
2016年、ハミルトンを倒してチャンピオンを獲得したのは、当時メルセデスでチームメイトを務めていたニコ・ロズベルグだった。しかしロズベルグはその年限りで急遽引退。その後任として加入したのがボッタスであり、彼は来年末までメルセデスとの契約を結んでいる。
ウイリアムズのジョージ・ラッセルとルノーのエステバン・オコンは、メルセデスの若手ドライバープログラムのメンバーであり、ボッタスの後任候補と見られている。しかしバトンは、今のハミルトンに挑むことができるのは、前述のフェルスタッペンの他に、現フェラーリのシャルル・ルクレール、現ルノーのダニエル・リカルドだけであると考えているようだ。
「ジョージは、まだルイスと戦えるだけの準備が整っているとは思わない。そういう準備ができているドライバーが、それほど多くいるとは思わないけどね」
そうバトンは語った。
「マックス、シャルル、ダニエル・リカルド……僕が思うには、彼らがルイスに挑む準備ができている人たちだ」
「僕としては、リカルドがルイスのチームメイトになるのを見てみたいね。彼はルイスのことを、精神的に傷つけることができると思うからだ」
「彼は速いだろうし、全てのことを笑い飛ばし、そして常にとてもリラックスしている。ほとんどのドライバーが、彼と対峙するのは難しいと感じているだろう」
Read Also:
最新ニュース
フェラーリのF1マシンが高速道路を爆走!? チェコでお騒がせフォーミュラカー再び
チェコ共和国の高速道路で、フェラーリF1を模したマシンが走行している姿が確認された。数年前にも目撃されていたこの”謎”のF1マシンをドライブしている人物が、捕まるリスクを厭わない”度胸”の持ち主なのは確かだろう。
「今のマシンは僕の好みとは正反対」ノリス、チームエースとして活躍も適応に四苦八苦
ランド・ノリスは2022年のマクラーレンのマシンについて、自身のドライビングスタイルと“非常に適していない”モノだと感じており、それなりの対応をしなければならなかったという。
国内で3レース予定のアメリカ、F1人気はまだまだ成長中。「3戦以上可能なだけの需要がある」とCOTA代表
F1アメリカGPの舞台であるCOTAの代表は、北米F1ファン層はかなり幅広く、合計3レースが予定されている現在よりもさらに多くのレースを支えるのに十分な需要があると考えている。