分析
F1
F1メカ解説|アウディF1、リヤウイングのアクティブエアロは独自路線。”回転式フラップ”の狙いはどこに?
レギュレーション変更で新時代を迎えたF1。それに伴い、開発でも予想外の革新的なソリューションが出てきている。

Gianluca D'Alessandro
編集: 2026/02/11 6:23
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

アウディR26のリヤウイング。黄色で強調されているのが可動フラップ
2月11日からバーレーンでのプレシーズンテストを行なうF1。バルセロナでのシェイクダウンテストは非公開であったため、公に2026年のマシンが走行する最初の機会になるといえる。
とはいえバルセロナでのテストで、各チームの新規則へのアプローチが見えてきた。アウディとアルピーヌは、アクティブエアロの面で独自のソリューションを取っていることが分かる。
アウディのリヤウイングは、可動するフラップの回転軸がフラップの前縁や後縁ではなく中央に配置されているため、2つのフラップの回転方向がライバルチームとは異なるのだ。
今年のF1における最も重大なレギュレーション変更の一つは、アクティブエアロに関するものだ。これまでも、オーバーテイクを促進するためのDRSという形でリヤウイングのフラップが稼働し、空気抵抗を低減してきた。
アクティブエアロは前後のウイングのフラップが可動。オーバーテイク促進が目的ではないため、ポジションに関係なくすべてのストレートでこれらの要素を活用できるようになる。
レギュレーションが変更された際にはよくあることだが、FIAが課した制限の範囲内でエンジニアが創造性を発揮し、ライバルたちとは異なる設計哲学を生み出している。この創造性は、アクティブエアロにも表れており、チームごとに異なるデザインが生まれている。
グリッド全体で可動フラップの形状が異なり、可動するフラップの数も異なる。またサーキットの特性に応じて、レースごとにいくつかのソリューションが使い分けられる可能性がある。また、各チームによるリヤウイングの開き方にも多様性がある。
昨年までのDRSは、規定で開口部は最大85mmまでとされており、それを各チームが最大限に活用しようと努力していた。基本的に、回転の軸となる支点は可動フラップの後部にあり、アクチュエーターで実際に動くのは上方に持ち上げられた前方の部分だった。
アウディR26のリヤウイング、2つの可動フラップが閉じている状態
写真: Audi
しかし2026年のレギュレーションでは、異なる解釈が生まれた。特にアルピーヌとアウディは、ライバルとは明らかに異なる道を歩んでいる。
他のチームは、DRSと同じようにフラップ後部を固定しフラップ前部を持ち上げるという従来の手法を選んでいる。多くの場合、開口部を最大化してストレートでの空気抵抗を減らすために、エンドプレートよりも高い位置までフラップが持ち上げられている。
一方、アルピーヌのフラップは逆の動きをする。フラップ後端を押し下げるアクチュエーターを採用しているのだ。これにより、押し下げられたフラップはメインプレーンの延長のような形状となる。つまり回転軸はフラップの前部にあるわけだ。
関連ニュース:
アウディのアプローチはさらに興味深い。アウディのエンジニアたちはつの考え方の中間的な解決策を選択し、2枚フラップの回転軸はちょうど中心に配置されているからだ。
2枚のフラップのうち、アクチュエーターのアームが接続されているのは下部のフラップのみ。このフラップにふたつの小さなサポートで接続された上部フラップは受動的に、アクチュエーターの動きに連動することになる。アクチュエーターが動いて下部フラップを持ち上げると、2枚のフラップが回転するように動くわけだ。
アウディR26(回転軸が中央)とマクラーレンMCL40(回転軸が後縁)のリヤウイングの比較
写真: Audi
その結果、アウディR26のリヤウイングのフラップは、開いた状態では斜めに傾いた状態となる。DRSに近い手法を選んだライバルたちと比べて、開口部の隙間は小さくなっている。
これは非常に興味深い解決策である。なぜなら斜めのフラップにより、その領域における気流の方向を変えることを意味するように見えるからだ。視覚的・空力的な効果として、開いたフラップの傾斜により、空気がほぼ「押し下げられている」ように見える。
果たしてアウディは、空気抵抗を低減する以外の目的をこのウイングにもたせているのだろうか? このウイングでディフューザー後方に空気を導く、”ダウンウォッシュ”を活用しているのだろうか? ライバルたちがアウディに追随するかどうかも含めて、注目のソリューションだと言える。
関連ニュース:
F12026年は新機能たくさん! アクティブエアロの機能をおさらい……オーバーテイクモードとの組み合わせで、ドライバーの“実力勝負”に?
F1新型F1マシンの伸びしろは、”PUとアクティブエアロ”の使い方にアリ? マクラーレン「大幅な改善の余地がある領域だ」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 レッドブルF1、2月21日にサンフランシスコでデモ走行。ドライブするのは角田裕毅「皆さんの前で轟音を響かせるのが楽しみです!」
次の記事 バーレーンF1テスト、各チームの持ち込みタイヤ発表。順調メルセデス&フェラーリは積極的、マクラーレンとアストンはC3最少

More from
Gianluca D'Alessandro

フェラーリが最速のシャシーだったのは過去の話? ハミルトン「僕たちが2番手ではないのは間違いない」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
3 日前
フェラーリが最速のシャシーだったのは過去の話? ハミルトン「僕たちが2番手ではないのは間違いない」

フェルスタッペン、レッドブルの大型アップデートに好感触「かなりポジティブな1日。期待通り機能している」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
6 日前
フェルスタッペン、レッドブルの大型アップデートに好感触「かなりポジティブな1日。期待通り機能している」

マクラーレン、アゼルバイジャンGPは重要な試金石に? 得意じゃないハズのコースでの実力は
F1
F1
アゼルバイジャンGP
7 日前
マクラーレン、アゼルバイジャンGPは重要な試金石に? 得意じゃないハズのコースでの実力は
最新ニュース

トヨタ、ハース離脱のエステバン・オコンのWEC起用を否定「現ラインアップの調和を損ないたくない」
WEC
WEC WEC
Fuji
7 時間前
トヨタ、ハース離脱のエステバン・オコンのWEC起用を否定「現ラインアップの調和を損ないたくない」

マルケス、オーストリアで一見不機嫌だったのは「体力節約のため」日本以降全コース攻めの姿勢
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
7 時間前
マルケス、オーストリアで一見不機嫌だったのは「体力節約のため」日本以降全コース攻めの姿勢

LCRのザルコ&モレイラ、日本のスポンサー訪問し激励受ける「トップ5が目標」「週末を楽しみたい」
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
8 時間前
LCRのザルコ&モレイラ、日本のスポンサー訪問し激励受ける「トップ5が目標」「週末を楽しみたい」

ブリヂストン、新時代迎えるフォーミュラEで使用するタイヤをローマで初公開
フォーミュラE
FE フォーミュラE 8 時間前
ブリヂストン、新時代迎えるフォーミュラEで使用するタイヤをローマで初公開
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録