F1オランダFP1:ハミルトンがトップも、赤旗中断で勢力図は見えず…角田裕毅はマシントラブルで20番手
36年ぶりのF1第13戦オランダGPのフリー走行1回目が行なわれた。セッショントップタイムは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。角田裕毅(アルファタウリ)は、マシントラブルにより20番手に終わった。

1985年以来35年ぶりの開催となるF1第13戦オランダGP。フリー走行1回目でトップタイムを記録したのは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。
ザントフールト・サーキットにはターン3と最終コーナーに特徴的なバンクがコース改修で追加されたが、基本的にはコース幅が狭くランオフエリアの狭い“オールドスクール”なコースレイアウトだ。
オランダGPは昨年F1に復活する予定だったが、新型コロナウイルスの影響により延期となっていた。待ちに待ったF1開催、そして何よりも地元マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の凱旋ともあり、金曜日からスタンドには多くの“オレンジ軍団”が詰めかけた。オレンジの発煙筒も焚かれ、彼らの盛り上がりは上々だ。
バンクというタイヤに厳しいコースレイアウトに対応すべく、C1からC5の5種類のコンパウンドの内、一番硬いC1~C3という組み合わせのタイヤが今回持ち込まれた。
金曜日のフリー走行1回目が開始される現地時間11時半の気温18度、路面温度22度。前戦ベルギーGPとは打って変わり、青空がサーキットを覆った。
ドライバーは新しいサーキットに慣れるべくハードタイヤを履いてコースへ出たが、マシンに空力測定装置を搭載した角田裕毅(アルファタウリ)は、走行開始早々にターン10でスピンを喫した。低速走行だったこともあり、見た目上ダメージは無かったが、ガレージに戻るとチームがリヤカウルを外す作業に取り掛かり、マシンをリフトアップした。
セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)のマシンには、MGU-Kの問題が発生。開始15分を過ぎた時点でコース復帰を果たしていたが、またもエンジントラブルが発生し、今度はピット出口付近でマシンストップ。エアインテークやエキゾーストからは白煙が上がり、ベッテル自ら消火器で火を消そうとした。
ハイブリッドシステムが搭載されている現代のF1では、漏電の可能性があるため水・泡消火器を使用できないケースがある。ベッテルは身振り手振りでマーシャルとコミュニケーションをとったが、コース脇にはガス系・粉末消火器は無かったようで、ベッテルは呆然と立ち尽くしていた。
漏電の危険があったためマーシャルはマシンを撤去出来ず、アストンマーチンから絶縁グローブやヘルメット等を装備したクルーが現場まで急行。さらにこのトラブルによりコース上にはオイルが撒かれ、セッションは計25分近くに渡り赤旗中断。コースに慣れたいドライバー、マシンセットアップを詰めたいチーム双方にとっても痛い中断となった。
残り6分でようやくセッション再開。各車はソフトタイヤを投入し、予選想定のパフォーマンスランを実施した。時間が限られているとあり、各車はアタック合戦に。コース上は大混雑し、トラフィックの処理に手間取ってあわや接触というシーンも見受けられた。
トップタイムの1分11秒500のハミルトン。凱旋レースとなるフェルスタッペンは、0.097秒差の1分11秒597をマークし2番手につけた。フェラーリのふたりがその後ろ3番手、4番手。5番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)の後ろには、アルピーヌの2台がつけた。
角田は、序盤からマシンが高馬に載せられ大掛かりな作業が行なわれていたこともあり、赤旗再開後もガレージから出ることなく20番手でセッションを終えた。
コース全長、コース幅の狭いザントフールトではトラフィックに否応なく引っかかる。予選ではどう処理するかがカギになるだろう。FP1では、ベッテルのマシンストップにより走行時間が限られ、勢力図もまだ見えてこない。土曜日の予選と日曜日の決勝に向けて、FP2とFP3が肝心になってくる。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | |
17 | 1'11.500 | 214.439 | ||
2 | |
18 | 1'11.597 | 0.097 | 0.097 | 214.148 |
3 | |
19 | 1'11.601 | 0.101 | 0.004 | 214.136 |
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