F1サンパウロGP 決勝:ハミルトンが王者の貫禄を見せつける101勝目! フェルスタッペン後塵拝す。角田裕毅は15位

F1第19戦サンパウロGPの決勝レースは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)との一騎打ちを制したルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝を果たした。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は15位だった。

F1サンパウロGP 決勝:ハミルトンが王者の貫禄を見せつける101勝目! フェルスタッペン後塵拝す。角田裕毅は15位

 F1第19戦サンパウロGPの決勝レースを制したのは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。

 ブラジルはサンパウロにあるインテルラゴス・サーキットで行なわれたサンパウロGPには、7月の第10戦イギリスGPと9月の第14戦イタリアGPに続いて今季3度目のスプリント予選レースフォーマットが導入された。このフォーマットでは現地金曜日に通常のノックアウト予選を行ない、翌日のスプリント予選レースのグリッドを確定。その総距離100kmのスプリント予選レースで、決勝レースのスターティンググリッドを決めるというモノだ。

 そのスプリント予選レースを制したのはバルテリ・ボッタス(メルセデス)で、ドライバーズランキング首位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を退けた。

 今季のタイトル候補であるハミルトンのマシンは、ノックアウト予選後に規定違反が発覚し失格処分。スプリント予選レースを最後尾からスタートすることになった。ハミルトンは猛烈な勢いで追い上げスプリント予選レースを5番手でゴールしたものの、シーズン5基目のICE(内燃エンジン)を投入したため5グリッドの降格ペナルティを受け、決勝レースは10番手からのスタートとなった。

 曇り空だった現地土曜日から天候は大きく変わり、決勝レース直前の気温23.3度、路面温度54度。今回持ち込まれているタイヤはC1〜C5の5種類のうち、C2〜C4の中間のセット。通常のレース週末とは変わり、スプリント予選レースフォーマット導入により今回は決勝レースのスタートタイヤを各車とも自由に選択することができる。その結果、ソフトタイヤを履いたのは角田のみで、それ以外の全車はミディアムタイヤを選択した。なお、キミ・ライコネン(アルファロメオ)はリヤウイングの交換によりピットレーンスタートを選択した。

 フォーメーションラップを完了し、19台が決勝グリッドへ並んだ。5つのレッドシグナルが点灯し、ブラックアウト。全71周の決勝レースの火蓋が切って落とされた。

 ターン1を先頭でクリアしたのは、イン側の進路を取ったフェルスタッペン。チームメイトのセルジオ・ペレスも、若干コースオフし加速の勢いが鈍ったボッタスを抜き2番手に浮上した。メルセデスとしては厳しい蹴り出しとなったが、後方ハミルトンは1周目で6番手まで順位を回復。追い上げるハミルトンは5周目のターン1でボッタスと順位を入れ替え、ファステストラップを更新しながらレッドブル・ホンダ勢の追撃を開始した。

 5番手から出走したランド・ノリス(マクラーレン)はスタートでアウト側からカルロス・サインツJr.(フェラーリ)を抜こうと試みたものの、サインツJr.の右フロントタイヤとノリスの左リヤタイヤが接触しノリスの左リヤがパンクしてしまった。

 角田はレース序盤でランス・ストロール(アストンマーチン)の前を伺い、ターン1でインからオーバーテイクを試みるも接触。フロントウイングと右バージボードを破損してしまう。これで角田もピットインを余儀なくされた。なお、角田にはこの接触の非があるとして、10秒のタイム加算ペナルティが科された。

 角田とストロールの接触によってコース上に撒かれたデブリの回収のため、レース6周目にセーフティカーが出動。これによりハミルトンは2番手ペレスの後方まで労せずして差を詰めることができた。この時点ではレッドブル・ホンダ勢、メルセデス勢の後ろにフェラーリ勢が続くという上位勢のオーダーだった。

 10周目からレース再開。上位勢に順位変動はなかったが、最後方ミック・シューマッハー(ハース)はライコネンの左リヤタイヤに当てられ、フロントウイングを脱落。再びコース上に散らばったデブリを回収するべく、バーチャルセーフティカー(VSC)が宣言された。VSCは14周目に解除され、ペレスの後ろにピタリとつけたハミルトンは18周目にDRSを活かしてターン1でアウトから抜くも、ペレスはターン4でハミルトンを抜き返し、2番手を守った。

 19周目でハミルトンは再びターン1でペレスをオーバーテイク。今度はターン2の蹴り出しでペレスを引き離し、2番手の座を死守した。ハミルトンの次なる獲物は、4秒前方を走るフェルスタッペンとなった。トップ4台は1分14秒7台のペースで周回を重ね、1・2番手と3・4番手のタイム差は膠着状態になった。

 ハミルトンが上位勢では最初の27周目にピットイン。ハードタイヤに切り替え、6番手でレースに復帰した。ハミルトンのアンダーカットを阻止するべくフェルスタッペンも翌周にピットに入った。これでフェルスタッペンはハミルトンの前を守ったものの、その差は1.6秒まで縮まった。4番手ボッタスはステイアウトを選択する中、ペレスは28周目の終わりにピットインし、トップふたりと同様にハードタイヤを履いた。

 ハミルトンはファステストラップを記録しながらフェルスタッペンを追うも、ストロールのマシンのパーツがホームストレート上に脱落し、31周目でVSCが再び導入。ボッタスはこのタイミングでピットへ戻り、先にピットへ入っていたペレスの前でコースに復帰。VSCの影響によりペレスは、ボッタスに”オーバーカット”されることとなった。

 VSCはすぐさま解除され、バトル再開。フェルスタッペンはハミルトンをDRS圏外に追いやるべく、インフィールドセクションでハミルトンとの差を広げる走りを見せた。トップ4は1分13秒4台で周回を重ね、またもタイム差の変動が少なくなった。

 フェルスタッペンは40周目の終わりに2回目のピットストップを実施。ハミルトンに先んじて2セット目のハードタイヤに履き替えた。一方、ハミルトンはフェルスタッペンから4周遅れてピットへ戻った。ハミルトンは当時、第2スティントを伸ばして第3スティントでミディアムタイヤを履いてフェルスタッペンを攻略することを求めたが、長い残り周回での激しいタイヤデグラデーション(性能劣化)を懸念したチーム側はハードタイヤをハミルトンに履かせた。

 コースに復帰したハミルトンはファステストラップを記録し、フェルスタッペンの1秒圏内に一気に差を詰めた。そして48周目のターン4でサイド・バイ・サイドに持ち込むも、アウト側にマシンを振ったフェルスタッペンに阻まれ、ハミルトンはコースを外れた。

 このインシデントについて、メルセデスとレッドブル・ホンダの双方のスポーティングディレクターはFIAのレースディレクターであるマイケル・マシを介して無線で牽制しあったが、審議対象とはならなかった。

 2台の間隔はこれで1秒以上に開いたものの、ハミルトンのペースが勝り、すぐさま再び1秒以内まで縮まった。「このままだと最後まで持たない」とチーム側に訴えたフェルスタッペンは、ペースを上げてハミルトンとの差を開きにかかったが、ハミルトンはこれにくらいついた。

 ハミルトンが再び仕掛け始めたのは58周目。フェルスタッペンはストレートで進路を右に左にと変えて必死でポジションを守ろうとしたが、続く59周目にはなす術無し。DRSを活かしたハミルトンがフェルスタッペンをオーバーテイクし、ついに首位に立った。なおフェルスタッペンの執拗な進路変更については、警告を示す白黒旗が掲出された。

 首位に立ったハミルトンは、その後フェルスタッペンをみるみるうちに引き離していき、最終的には10秒以上の差をつけてトップチェッカー。スプリント予選レース最後尾スタートから、見事すぎる挽回劇を完成させた。これでハミルトンはF1キャリア101勝目。幼少期から尊敬するアイルトン・セナの母国で、ブラジル国旗を掲げながらウイニングランを走った。

 なおハミルトンは、4位ペレスにファステストラップの“ボーナスポイント”1点を奪われたものの、ドライバーズポイント25点を獲得。ランキング首位フェルスタッペンとの差を、21ポイントから14ポイントにまで縮めた。

 フェルスタッペンの2位を挟み、3位にはボッタスが入り、メルセデスはダブル表彰台。ペレスが4位だった。これでコンストラクターズランキングでも、首位メルセデスがレッドブル・ホンダとの差を11ポイントにまで広げた。

 “ベスト・オブ・ザ・レスト”の5位にはルクレール、6位にサインツJr.とフェラーリ勢が続き、コンストラクターズ3位獲得に近づくビッグポイントを稼いだ。

 7位にはピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が入賞。その後ろにアルピーヌに2台が続いた。この結果、アルファタウリとアルピーヌは引き続きコンストラクターズポイントで並ぶことになったものの、勝利回数の差でアルピーヌ5番手、アルファタウリ6番手となっている。

 10位入賞に滑り込んだのはノリス。オープニングラップでの接触により最後尾まで後退したが、ここまで追い上げて見せた。

 角田はタイムペナルティもあり入賞まで手が届かず、最終的に15位でフィニッシュ。コンストラクターズランキング5位を目指すチームに、ポイント獲得という面では貢献することができなかった。

 メキシコシティGPを終えた時点では、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダに傾いたかと思われた今季のチャンピオン争い。しかしここブラジルでは、メルセデスとハミルトンが意地を見せ、流れを再び引き寄せるような形となった。

 今季は残り3戦。そして次戦は3連戦の最後の1戦となるカタールGPである。同地でのF1は今季が初開催。チームとしても、ドライバーとしても未知数のこのコースで速さを見せるのはフェルスタッペン&レッドブル・ホンダか、それともハミルトン&メルセデスか? 今年のタイトルを決める”天王山”となり得るかもしれない。

 

 

 
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順位 ドライバー 周回数 タイム 前車との差 平均速度 ポイント
1 United Kingdom ルイス ハミルトン 71 1:32'22.851     198.663 25
2 Netherlands マックス フェルスタッペン 71 1:32'33.347 10.496 10.496 198.288 18
3 Finland バルテリ ボッタス 71 1:32'36.427 13.576 3.080 198.178 15

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