F1 アブダビGP
2021年の再現を危惧していた? 実はマクラーレンの載冠には紙一重の部分も……ステラ代表「ピアストリと9位を目指してプッシュしていた」
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、コンストラクターズタイトルを逃す可能性があり、それを排除するためにオスカー・ピアストリに9位を目指させていたことを明かした。
田中 健一 Ben Hunt
編集: 2024/12/09 8:52
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McLaren ist Weltmeister, aber Abu Dhabi waren "58 Runden des Terrors für uns"
写真:: LAT Images
2024年のF1コンストラクターズチャンピオンは、マクラーレンが獲得。実に1998年以来26年ぶりの栄冠を手にした格好だ。
最終戦アブダビGPでは、同チームのドライバーであるランド・ノリスが優勝し、これがタイトル獲得を決定的なモノとしたわけだが、実はノリスが2位に後退していたら、1ポイント差でタイトルを逃すところだった……そのため、1周目の接触で一時最後尾まで後退していたオスカー・ピアストリがひとつでも上の順位でフィニッシュできるよう全力を尽くしたと、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は語った。
マクラーレンはアブダビGPの予選でフロントロウを独占。コンストラクターズタイトル争いのライバルであるフェラーリ勢は、カルロス・サインツJr.が3番グリッドに並んだものの、もう1台のシャルル・ルクレールは予選での失敗とグリッド降格ペナルティにより19番グリッドからのスタート。マクラーレン絶対有利の状況だった。
しかしスタートすると様相が一変。ノリスは首位をキープしたものの、ピアストリはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と接触したことにより最後尾付近まで後退。一方でルクレールはとんでもない1周目を走り、一気に8番手まで浮上。その後も着実にポジションを上げていった。
その結果ノリスが首位であるものの、2番手と3番手にはフェラーリの2台が続いた。そのままフィニッシュを迎えればマクラーレンのコンストラクターズチャンピオンが決まるものの、もしノリスがサインツJr.に攻略され2番手に落ちるようなことがあれば、一転フェラーリにタイトルが転がり込むという紙一重の状況でもあった。そのため、ピアストリがポジションを挽回し、できるだけ多くのポイントを獲得することが重要だったのだ。
Oscar Piastri, McLaren MCL38 and Max Verstappen, Red Bull Racing RB20 collide on the corner causing each other to spin
写真: Andy Hone / Motorsport Images
「1コーナーでの出来事を見た時に最初に思ったことは、チャンピオンシップを争うチームを相手にする時、それは不必要なことだと感じたということだ」
ステラ代表は、ピアストリと接触したフェルスタッペンに苦言を呈しながら、そう語った。
「しかし時には、逆境が自分たちの強みを発揮する機会を与えてくれる。それがまさに、今日起きたことだと思う」
「オスカーは決して諦めなかった。カルロスとランドの順位が入れ替わった場合に必要となったかもしれないポイントではなかったが、非常に重要なポイントを獲得するために、入賞圏内に戻ってきた」
「一方でランドは自分の強みを発揮し、完璧なレースをやってのけた。そして彼は常に冷静だったし、非常に落ち着いていた。そしてセーフティカーが出た時にピットインするか、新しいタイヤに履き替えるためにピットインするかなど、我々が彼に問いかけたいくつかの難しい選択肢を検討してくれた。最高のランドの姿を見たと思うよ」
ノリスのピットストップは、まさにチームにとって大いにプレッシャーがかかるシーンだった。ステラ代表が言うように、ここで何かがあり、タイムをロスすることがあれば、タイトルを逃すことになったかもしれないからだ。
しかしチームはミスなくノリスをコースに送り返した。このことを、ステラ代表は大いに賞賛した。
「チームの強さを見せられたのは、ピットストップだった。ここで問題が起こり、カルロスにポジションを奪われれば、チャンピオンを失う可能性もあった。しかしチームはシーズン最高のピットストップを行なった。マシンのパフォーマンスだけでなく、チーム全体の成熟度、メンタリティ、感情的な回復力という軌道を確認することができた。スタート直後の事故のおかげで、そういうことを示す機会が与えられたんだ」
「将来的には逆境は必要なく、より速いマシンを手に入れることができ、シーズン最後のレースで決着がつくようなことにならないで済むことを願っている」
なおステラ代表は、ピアストリに9位を目指させていたという。
仮にピアストリがノーポイントで、ノリスが2位に落ちてフィニッシュした場合は、フェラーリ659ポイント、マクラーレン658ポイントとなり、フェラーリがチャンピオンになっていた。ピアストリが10位1ポイントを手にすれば2チームが659ポイントで並ぶが、そうなった場合は優勝回数が多い方がチャンピオン……つまりフェラーリが6勝目を挙げ、5勝のマクラーレンを上回る可能性があった。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, Lewis Hamilton, Mercedes W12
写真: Zak Mauger / Motorsport Images
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過去の事例を考えれば、そんなシナリオになる可能性は十分にあった。たとえば記憶に新しい2021年アブダビGPのルイス・ハミルトン(メルセデス)vsフェルスタッペンのような状況になれば、まさにそういう結末になっていたかもしれない。
当時フェルスタッペンはレースでは完全に劣勢だったが、最終盤に出たセーフティカーの際にハミルトンがステイアウト、フェルスタッペンがピットストップしてタイヤを交換したことで形勢が逆転。フェルスタッペンがハミルトンを抜き、チャンピオンに輝いた。それと同じこととなれば、マクラーレンがタイトル獲得を逃すことになっただろう。
その可能性を封じるために、マクラーレンはピアストリの9位がどうしても欲しかったのだ。結果的にはノリスが勝ち、その心配はなかったわけだが。
「我々はオスカーと共に9位を手にできるよう、懸命にプッシュしていた。この2ポイントは不可欠だったんだ」
「セーフティカーが出た場合、カルロスが我々と別のことをする可能性もあった。我々がピットインしなければ、彼は新しいタイヤを履く可能性があったのだ。逆に我々がピットインしたら、彼はステイアウトして先頭に立ち、追い抜く必要が生じただろう。だからこれについてナーバスになっていたのは確かだ」
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