2027年から、F1のパワーユニットにおけるエンジンと電気モーターの出力比が変更に……電気エネルギーに頼る割合が減る
FIAは、2027年からF1のパワーユニットにおけるエンジンの出力比を50kW引き上げることを決めた。
Honda RA626H power unit
写真:: Honda
FIAは、2027年にF1のパワーユニット(PU)を一部変更することを発表。エンジンの出力を上げ、電動モーターの出力を下げることで、今シーズン序盤に懸念となっていた様々な事象の解消を目指す。
F1には2026年から新しいレギュレーションが導入され、PUにおけるエンジンと電動モーターの出力が均等となった。昨年まではエンジン80%、電動モーター20%だったところから考えると、かなり意欲的な変更と言えた。
そして2026年シーズンが実際に開幕してみると、ラップタイムは新レギュレーションが投入されたばかりにも関わらず、昨年と比べて1.5秒落ち程度に留まっており、いきなり驚異的な記録を見せつけた。またコース上でのオーバーテイクも増えた。
しかしその一方で、多くの電力を生み出すために、各所で過剰なまでエネルギー回生を行なう必要性が出てきた。これは昨年までとは異なるドライビングスタイルが求められるということを意味しており、ドライバーたちから不満が噴出。さらにオーバーテイクは、電気エネルギーが残っているかどうかが最も大きく成否を分けることになり、これも一部では不評であった。
またエネルギー残量の差がマシン間で大きい場合には、接近速度が速くなり、危険な事態が生じることも分かった。日本GPでオリバー・ベアマン(ハース)がフランコ・コラピント(アルピーヌ)に追突しそうになり、これを避けるために大クラッシュを喫したのがその典型例である。
F1とFIA、そしてF1に参戦中のチームとPUメーカーは、マイアミGPに向けてレギュレーションを一部変更。ドライバーなどからの不満を低減し、危険性を軽減することに成功した。
5月8日、FIAは各チームの代表者、F1の首脳陣、F1のPUメーカー5社の代表者が出席するオンライン会議を主催。レギュレーションのさらなる進化に向けた複数の提案が原則で合意された。
この会議では、マイアミGPで導入されたレギュレーション調整の評価が行なわれた。この変更には一定の効果があったと認められたが、今後もさらに検証が続けられるという。
また長期的にレギュレーションを見直していくことも合意された。これにより、ハードウェアに関するルールを段階的に変更していくことで、ドライバーとチームにとってより安全で公平、かつ直感的なレースを実現していくという。
このうち2027年に向けては、エンジンの出力を50kW引き上げ。さらに電動モーター(エネルギー回生システム/ERS)の出力を50kW減少させるという。なおエンジンの出力を引き上げるためにはエネルギー流量の変更が必要であるため、ハード面での変更が必須となる。この対処をするための時間がしっかり確保されることになった。
なお最終的なパッケージを決定する前に、チームとPUメーカーからなる技術グループで、さらなる詳細な議論が必要であるということで合意がなされた。
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