F1 アゼルバイジャンGP

F1分析|アントネッリにチャンピオン獲得”マジック点灯”! 最速での決定はシンガポール……自力王者の可能性潰えたライバルたちはどう阻止する?

今季圧倒的な強さを発揮するアントネッリ。F1デビュー2年目でのチャンピオン決定の可能性が大いに高まってきた。その決定要件とは?

田中 健一

公開日時: 2026/09/23 11:00

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Kimi Antonelli, Mercedes, Max Verstappen, Red Bull Racing, Lando Norris, McLaren

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写真:: Federico Basile

 今週末はF1アゼルバイジャンGPである。2026年のF1もこのレースで欧州ラウンドに終わりを告げ、この先はアジア、南北アメリカ大陸、そして中東へと向かう。

 おっとその前に、今年のアゼルバイジャンGPは決勝が土曜日に行なわれる変則スケジュール(木曜日:FP1、FP2|金曜日:FP3、予選|土曜日:決勝)なのでご注意を。空いた日曜日には、富士スピードウェイで行なわれるWEC富士6時間レースをご覧いただきたい。

 さて今シーズンは、メルセデス2年目のルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリが開幕から圧倒的な強さを発揮している。第2戦中国GPで初優勝すると、そこから5連勝。その後も3勝して、今季の通算勝利数を8まで伸ばした。ランキングではぶっちぎりの首位で、チームメイトでランキング2番手につけるジョージ・ラッセルとの差は81にまで拡大。初のチャンピオン獲得に向け、カウントダウンが始まっている。

 ではアントネッリは、チャンピオン獲得にどれほど近づいているのか? 計算してみよう。

 現時点でのアントネッリの獲得ポイントは292。残りは今週末のアゼルバイジャンGPも入れて9戦である。ただ第17戦シンガポールGPは、今年最後のスプリント開催となっている。そのため、この先獲得できる最大のポイント数は233ということになる。もちろん、最終2戦の中東ラウンドの開催可否がまだ不透明であるため、その結論によっては残りのレース数が1戦ないしは2戦少なくなる可能性もある。

 この残りの獲得可能ポイント数からすると、現時点で59ポイント以上獲得しているドライバーには、まだ逆転チャンピオンの可能性は残されていると言える。つまり数字上は、ちょうど59ポイントのリアム・ローソン(レーシングブルズ&レッドブル/ランキング9番手)までは可能性が残されているということだ。

 ただこのローソンに関しては、この先スプリントも含めて全てのレースで勝利することが絶対条件。そしてアントネッリが全戦無得点だった場合にのみ、チャンピオンの可能性があるということになる(もちろん、その他のドライバー次第な部分もあるが)。まあ、0%とは言えないが、実現の可能性は限りなく低いだろう。

 一方、ランキング2番手のラッセルの視点で見てみよう。先ほども申し上げたように、アントネッリとの差は81である。ここからラッセルが自力で埋められるポイント差は、実は64しかない……つまり、現時点でランキング2番手のラッセルをもってしても、自力王者の可能性は消滅しているということだ。プロ野球風に言えば、アントネッリには既にマジックが灯っているという計算だ。

 ただマジックとはいえ、勝利数に対応しているのではなく、F1ではポイントによる計算となる。現時点でのアントネッリのマジックは152であり、アントネッリがポイントを獲得すること、そしてラッセルがフルポイントの25ポイント(スプリントなら8ポイント)から獲り逃したポイント数が、この152から減っていく。

 では、アントネッリがチャンピオンを決めるならば最速はいつなのか? もしアントネッリがここから連勝を続け、ラッセル以下の対象ドライバーたちが無得点だった場合、シンガポールGPの時点でアントネッリと2番手ラッセルの差が164となる。残りの6戦で獲得できる最大ポイントは150であるため、この時点で逆転不可能。チャンピオン獲得が決まる。

 これが最速のシナリオである。

 一方、アントネッリが勝ち続け、ラッセルがずっと2位をキープした場合。この場合はメキシコシティGPで差が117点となり(残りの獲得可能ポイントは100)、アントネッリのタイトルが決まる。

 なお全戦ラッセルが勝った場合はどうだろうか? この場合、アントネッリが全戦2位だった場合は、最終戦まで持ち越すことになる。ここで2点でもアントネッリが獲得すればチャンピオンはアントネッリのものとなるが、逆にリタイアで終わったりすると、逆転でラッセルがチャンピオンになる可能性もある。

 つまりラッセルとしては、ここから先の全戦でとにかく勝ち続けるしかない。そしてアントネッリとの間に、最近好調のランド・ノリス(マクラーレン)やフェラーリの2台、さらにはレッドブルのマックス・フェルスタッペンあたりが割り込んでくれると、タイトル獲得の可能性は少しずつではあるものの、大きくなっていく。

 とはいえ当然のことながら、アントネッリが絶対的に有利であることは変わらない。今季この先、結局波風が立たぬままにアントネッリが逃げ切るのか? それともアントネッリが何らかの形で苦しむような状況に追い込まれるのか? そしてそういう苦しい状況に陥った時に、まだ経験が足りないアントネッリが乗り越えることができるのか……要注目である。

 そして改めて申し上げるが、次戦アゼルバイジャンGPは土曜日が決勝レースなのでお間違いなきように。

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