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F1、持続可能燃料の”開発競争”はコントロールできると自信。”走る実験室”に戻るための規則づくりに腐心

F1は、持続可能な燃料にスイッチする際、燃料サプライヤー間で高価な開発競争が勃発する危険性を認識しながらも、コントロールは可能だと考えている。

Maintenance sign denoting that a car is fuelled in the Haas F1 garage

写真:: Andy Hone / Motorsport Images

 F1は2026年から化石燃料を使用しない、100%持続可能な燃料を導入する予定となっているF1。そのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは、燃料の開発が激化するリスクを認めたが、慎重に策定されたレギュレーションでそれをコントロールできると語った。

 この動きは、2030年までにネットゼロ化を目指すF1の取り組みの一環であり、F1という厳しい環境の中で開発した燃料を一般化することで、より広い世界の汚染低減に貢献することを目指したものだ。

 F1が「走る実験室」として技術の限界に挑戦し、最高の解決策を見出そうとする中で持続可能燃料の開発が進むのは間違いないだろう。しかしチームが成功を求めて、開発コストが高騰し、より特異な解決策にたどり着くという危険性もある。

 シモンズも、開発競争の結果として一般消費者が利用できるような燃料が生まれる可能性を潰してしまう危険性があることを認識している。

 しかし、F1が新しいレギュレーションを導入する際にとったアプローチは、燃料サプライヤーが突飛なことをしようとするのを阻止する上で十分なモノだったと彼は考えている。

 特に燃料流量の規制について、現在の質量を基準にする(100kg/h)ではなく、エネルギー量を基準(300MJ/h)にしたことは、事態を抑制する上で重要だとシモンズは考えている。

 燃料開発における”軍拡競争”の危険性について「実際、我々はそれについてかなり考えた」と彼は答えた。

「当初から、アラムコはこうした燃料をどのように配合するかについて、我々にアドバイスしてくれている。そして実際に多くの燃料サンプルを作ってくれた。我々はそれをテストし、様々なことについての感度を理解することができるようになった」

「それに対する根本的な答えは、マスフロー(重量基準の流量管理)からエネルギーフロー(エネルギー基準の流量管理)に移行するという事実にあると思う。もしマスフローにとどまっていたら、非常に慎重に策定されたレギュレーションの中でも、誰かがそれをやることができたかもしれない」

「エネルギーにリミットがあるのなら、シンプルに考えてそれをパワーに変えることが重要になる。そこから逸脱することはないだろう」

F1 Fuel for the weekend

F1 Fuel for the weekend

Photo by: Erik Junius

 しかしトールマンやベネトン、ルノーで活躍したシモンズも、F1ではチームがパフォーマンスを求めてどれだけアグレッシブになれるかをよく知っており、一部のチームがさらなる優位性を求めて激しく開発をプッシュする可能性を否定していない。

「それに関しては”ニュアンス”があるんだ。良い燃料というのは、単にエネルギー含有量だけでは決まらない。揮発性や燃焼の速さなど、良い燃料を定義するモノは色々とある」

「どちらかと言えば、我々が集中して取り組んできたことは、プロセスを開放し最終的な内容物を決めることだ」

「もし政治家が、世界の脱炭素化について話すときに、プロセスのあり方を決めるのではなく、エンジニアにプロセスを定義させるという方法を採っていたら、我々は今より良い場所にいたかもしれないね」

 シモンズは、イノベーションが起きないほどレギュレーションが厳しくならないように、多くの努力を払ったと語った。

「レギュレーションは、燃料を生産する様々な手法を促進できるように非常に慎重に設計されている」

「これはとても新しい技術なんだ。製造方法にも様々なものがあり、どれが最良の方法なのか、まだ誰も正確にはわかっていない。だから我々は、様々な方法で燃料を製造する競争を促進するために、非常に注意深くレギュレーションを作った。しかし同時に、最もうまくいく人が暴走しないようにする必要がある」

「燃料の製造における自由競争は、2020年代半ば以降に一般の人々が使用できるようになる可能性のある最高の製品につながると信じている。そして、大気を破壊しない燃料で14億台の車が走っていることを想像してみてほしい」

「希少な鉱物に頼らず、一部の電池に必要な鉱物を掘り出すために子どもたちを危険な環境で、僅かな賃金で働かせることもない。電化と並行して実行可能な道筋を提供する燃料だ」

「これが唯一の解決策ではないかもしれないし、すべてのケースにおける最良の解決策とは言えないかもしれない。しかしEUが認めた解決策であり、F1が再び社会に貢献することを意味する解決策であり、検討する価値のある解決策であることは間違いない」

 
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