猛烈なインフレに苦しむF1チーム。輸送コストなどの上昇で、FIAに対応求める
F1チームのボスたちは、インフレとそれに伴うコスト増の影響について、早急に議論する必要があると考えているようだ。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
世界的にインフレが進んでいる中で、各F1チームは予算制限の中で増加したコストに対処しなければならない事態に直面している。
F1は2021年から、各チームの予算に上限額を設けた。2年目の今年、予算額は500万ドル減らされ、1億4000万ドル(約165億7000万円)となっている。
しかし、新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナ侵攻の影響により、世界中で物価が急上昇しており、チームの財政はさらなるプレッシャーに晒されている。
欧州連合統計局(ユーロスタット)が発表した2月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比で5.8%上昇と、過去最高の割合でインフレが加速しているのだ。これにより交通費や電気代が大幅に上がるだけでなく、スタッフの賃金もその生活費に見合うように上げなければならない。
予算制限の導入が決まった2019年6月、さらに予算額の引き下げが決まった2020年の5月でさえ、今と比べると世界経済はずっと好調であり、インフレも今とは比べものにならないほどだった。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、この問題には緊急の対応が必要だと言う。
「すでに非常に激しいインフレが起きているのだから、これは非常に大きな問題だと思う」
「パンデミックの真っ只中、2020年の半ばに予算上限が設定されたとき、誰も今日のような状況を予測できなかったことを忘れてはならない」
「世界中で起きていることが原因で物価は上がる一方だ。インフレは過去最高を記録する可能性があるようだ。航空貨物などには、すでにその影響が現れている」
「これは、人々の仕事と生活に直接影響を与えるものであり、我々が注目し、対処しなければならない非常に深刻な問題だと思う」
The cost of logistics has seen a dramatic rise following the recent oil price surge
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
この問題にどう対応するかについて、まだチームの間で普遍的な合意は得られていないものの、ホーナーは介入して手助けをするのがFIAの役割だと考えている。
「この問題に目を向けるのは統括団体の義務だと思う」
「生活費の上昇など、世界で起こっていることを考慮して、救済措置を講じることが緊急の課題だ」
ウイリアムズのヨースト・カピト代表は、チームはすでにコストの圧迫に直面しており、原油価格の高騰を背景に旅費が大幅に上昇していると語った。
「ロジスティクスのコストが40~50%上昇すると、これは大きな、大きな衝撃だ」
「物流に何百万ドルもかけるということは、他の支出を減らさなければならないことを意味する」
「1年かけて開発してきて、全くコントロールできないような事態になれば、状況は非常に難しくなる」
マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、この世界的な状況について、FIAと適切な協議を行ない、何ができるかを確認する必要があると考えている。
「常識的な感覚を当てはめることが、常に重要だ」とザイドルは言う。
「我々は絶対に話し合いに参加する」
「我々は他のチームとも、FIAとも話し合いを続けてきた。なぜなら、他のチームも同じ予算制限をクリアするチャレンジをしているからだ。そして今、予期せぬ追加費用が発生したことで、我々はすべてが合理的な範囲にある限り、議論に応じ、解決策や調整を行なう可能性について、オープンな姿勢をとる」
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