苦難のシーズンを乗り越えたフェラーリ「たくさんの、小さな教訓を得ることができた」
フェラーリのスポーティングディレクターであるローレン・メキーズは、苦難の2020年に”小さいものの、非常に重要なこと”をたくさん学んだと考えている。


2020年シーズンは、フェラーリにとって近年の中で最も競争力の無いシーズンとなってしまった。コンストラクターズランキング6位は、ランキング10位になった1980年以降で最悪のリザルトだ。
2020年のマシン『SF1000』は、空力性能とパワーユニット(PU)性能の双方でライバルから後れを取っており、シャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルは合わせて3度表彰台を獲得するに留まった。
フェラーリは、2021年シーズンに向けて新たなPUを導入するチャンスがあるが、新型コロナウイルスの危機を受けたコスト削減策により、各チームは来季も現行シャシーを使用しなければならない。空力開発は許可されているが、シャシーの変更はトークンシステムにより制限される。
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マシンを劇的に改善するのは難しい状況にあるものの、フェラーリのスポーティングディレクターであるローレン・メキーズは、2020年に得た多くの教訓を2021年に活かすことができると考えている。
「この1年は、小さいが非常に重要な成果がたくさんあった。我々が後方にいたから、それは注目されていなかった」
そうメキーズは語った。
「それは、我々をより強くしてくれるものであり、来年へと引き継げるものだ」
「世界的にも厳しい状況の中で、自分たちの限界に挑戦してきたからこそ、それが得られた。後方にいる時はドライバーもチームもより多くのリスクを背負う。良い結果を得るためにはそれが必要だからだ」
「快適なゾーンを踏み越えることは、将来的に確実に我々を強くするだろう」
フェラーリはすでに、既存のシャシーとシーズン終盤の空力開発との相乗効果を高めるために、開発トークン全てを使ってマシンのリヤエンドを再設計することを明かしていた。
SF1000はライバルチームのマシンよりもドライブが難しく、特にベッテルはマシンとの相性に苦しむことが多かった。ルクレールがランキング8位でシーズンを終えたのに対し、ベッテルはランキング13位という結果に終わった。
メキーズは、フェラーリにとって2020年シーズンが”非常に厳しい”ものになることを早い段階で認識していたものの、新型コロナウイルスの影響を受けて問題を修正するのに非常に長い時間がかかってしまった。
「バルセロナ(2019年2月のオフシーズンテスト)で、いくつかの面でマシンのパフォーマンスに深刻な懸念があることにすぐ気づいた」
「だから、非常に難しいシーズンになることは分かっていた。その時点では、それらの修正にどれくらいの時間がかかるかはまだ分かっていなかった」
「そしてその段階で新型コロナウイルスのパンデミックというクレイジーな事態に突入し、数ヵ月間クルマの問題に触れることが出来なかった」
「極めて難しいシーズンになるという兆候はあったと思うが、それが現実になってしまった」