FIA、F1のセーフティカーに関するルールを微調整。リスタートの迅速化で問題の再発防止を狙う
FIAは昨年の最終戦アブダビGPでの論争を受け、レースのリスタートを早めることができるよう、セーフティカーのルールを微調整した。
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
FIAは、昨年のF1最終戦アブダビGPでの論争を受け、レースコントロールの体制を刷新した他、セーフティカー(SC)に関するルールを微調整した。
前任のF1レースディレクターであるマイケル・マシは、アブダビGP決勝終盤にSCが出動した際、競技規則に書かれたふたつの条項に従う判断をせず、議論を呼んだ。
通常は周回遅れの全車に隊列を追い越し、SCの前に出る(アンラップする)許可が出されるのだが、アブダビGPでその許可が出されたのは一部のドライバーだけだった。そして、通常ならアンラップの許可が出た次の周の終わりにレースが再開されるのだが、アブダビGPのレース再開はそれよりも1周早かった。
この決定により、アブダビGPはファイナルラップでレースが再開。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わし、チャンピオンを獲得したのだ。
メルセデスは納得できず抗議を申し入れたが、FIAがこの件について全面的な調査を実施すると発表したことで、抗議を取り下げた。そしてマシの退任とF1運営体制の再編成に繋がったのだ。
3月にバーレーンで開幕する新シーズンに向けて、FIAが更新したF1競技規則では、SC再スタートに関する条項の文言が修正されている。SCをピットに呼び戻す指示を出す条件について焦点があてられており、レース再開までの時間を短縮できる可能性がある。
昨年のレギュレーションでは、『最後に周回遅れのクルマがリーダーを追い越した時点』となっていた部分が、改正後のレギュレーションでは「『LAPPED CARS MAY NOW OVERTAKE』(周回遅れのマシンがオーバーテイクする)というメッセージが公式メッセージシステムを使って全選手に送信された時点」に変更されている。
このメッセージが出されるためには、コースクラークがすでにコースの安全を宣言している必要がある。
このメッセージが出ても、SCがピットに戻るのは次の周の終わりである。つまり、アブダビGPで起きた事件に直接対応したものではない。ただ、周回遅れのマシンがコース上でラップリーダーを追い越すまでの時間を節約し、リスタートを迅速化する上で役に立つのだ。
マシは、アブダビで行なわれたメルセデスの抗議に対するヒアリングで、「可能であれば(SC走行ではなく)”グリーン”の状態でレースを終えることが非常に望ましいというのが、すべてのチームの長年の合意事項だった」と主張している。
14日(月)のF1委員会で2022年に向けた変更計画を発表した際、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは「SCの後ろでのアンラップの手順はF1スポーツ諮問委員会が再評価を行ない、シーズン開幕前に次のF1委員会に提示する予定だ」と述べており、さらなる微調整が行なわれる可能性もありそうだ。
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